メッセージ そして、愛が残る

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メッセージ そして、愛が残る h22.10.2 名演小劇場

 朔的には☆は3つ(65点)です。
死が見えるとか、死が予測できるとか
今の科学では証明できないことを扱っていますが、
決して現実感がないわけではありません。
それどころか「死」ということを深く考えさせてくれました。
原作はフランスでベストセラーになったフランス人作家によるもので、

 人は自分がもうじき死ぬと分かったとしたら何をするのでしょうか?
そして何をさせてあげるべきでしょうか?
その人の人生を振り返り、会うべき人に逢わせ
こじれた関係を修復させ、後悔のない状態で死なせるのが、
この映画のテーマであり、メッセンジャーの役割です。

 作品の導入部分で、主人公のネイサン(ロマン・デュリス)は
一緒に遊んでいた少女を助けるために、
親を呼びに行く途中で車にはねられ死にます。
一度は死んだネイサンは光の中を昇って行きますが、
なぜネイサンが戻ってきたのか、それがこの映画のテーマです。

 ネイサンは死んだのになぜ生き返ったのか?
それは彼に神が与えた使命のためでした。

 成人し法律事務所で働くネイサンは、助けた少女と結婚し
子供も生まれて幸せな結婚生活を送っていました。
しかし二人目の子供(まだ赤ちゃん)が突然死んだことで
二人の仲が悪くなります。
ネイサンは医者の過失を主張し、訴訟を起こします。
子供の死を受け入れることができないネイサンは、
葬儀が終わった後、黙って妻と娘を置いて
会社へ行ってしまいます。
その時妻は離婚を決意します。

 最愛の妻との離婚という失意の中で、
仕事にのめり込んで、忘れようとしているネイサンの元に
医者と名乗るジョセフ・ケイ(ジョン・マルコビッチ)が現れます。
彼は人の死が見える(白い光で覆われるから)能力を
神から授けられた特別な人間で、
人が安らかに死ねる用に手助けをするメッセンジャーでした。

 初めは信じなかったネイサンも
ケイの奇跡とも言える行動を目の当たりにして信じます。
そしてネイサンは「自分は死ぬ」、
だから彼がメッセンジャーとして来たのだと考え、
心残りであった妻との関係の修復をケイの力を借りて試みます。

 ネイサンの熱意が伝わり、何とか二人の関係が戻った時、
ネイサンに妻が白い光に覆われているのが見えました。
それはネイサンがメッセンジャーとしての
役割を担った人物である証明であり、
ケイはそれを気づかせるために来たのでした。

 ケイがネイサンに言った言葉、
メッセンジャーとしての使命を帯びた人は、
大きな悲しみを経験しなければならない。
その大きな悲しみとは妻の死でした。
 

 

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