ストーン

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ストーン h23.2.13 ユナイテッドシネマ阿久比

 朔的には☆は3つ半(70点)でお薦めです。

 <善と悪の狭間><神と無神論>、
主人公の心の中のせめぎ合いが痛いほど分かりました。
アメリカ人にとって、神との関わりは避けて通れないもので、
それとどう調和していくか、どう折り合いをつけて行くかが大切で、
それがうまくいかないと自分が壊れてしまいます。

 アメリカ人のすべてがそうだとは思いませんが、
多くの人がそうであるような気がします。
主人公のジャック(ロバート・デ・ニーロ)は無神論者ですが、
妻と一緒に教会には毎週行っています。
そして誰よりも神のことを気にしていて、
カーラジオで常に宗教番組を聴いています。
きっと自分の考え方(無神論)に自信がないのでしょう。

 ジャックは神よりも自分を信じていて、
それを指針として生きてきました。
(と、自分では思ってきました)
それに対して彼の妻は心から神を信じて、
それが生けるよすがとなっていました。
この二人の考え方の違いが、夫婦生活に大きく関わり、
何度も夫婦の危機がありましたが、その都度妻が我慢をして、
なんとか持ちこたえて来ました。
(それが最後に爆発します)

 ジャックの仕事は刑務官で、仮釈放を希望する囚人と面会し
その評価をして審査会へ送るのが仕事でした。
ということは、仮釈放を希望する囚人にとっては
自分の命を握っているような存在でした。

 彼はその辛口の評価と相まって、
正しい判断ができる正義の人と思われ、
職場では信頼をされていました。
そして退職まで後一ヶ月と迫った時、
最後の仕事の中に、ストーン(エドワード・ノートン)がいました。

 ストーンは、祖父母を殺しその家に放火罪をした、
従兄弟との共謀罪のために、
11年の実刑が言い渡され今は服役中で、
刑期を3年残しての仮釈放の申請でした。
彼には新婚の美しい妻がいたこともあって、仮釈放を強く望んでいました。

 初めて面会した時ストーンは、ジャックに
「おまえは今までに間違ったことは一度もしたことがないのか?」と問いただします。
それに対して、ジャックは即座にないと答えます。
それを不敵に笑うストーン……。

 どうしても仮釈放にしてほしいストーンは、
美人の妻ルセッタ(ミラ・ジョヴォヴィッチ)を使って
ジャックを誘惑させ、自分に有利な裁定を下すように揺さぶりをかけてきます。
それをかたくなに拒否するジャック、
しかし殺伐とした家庭生活や、あまりにも魅力的な美人からの甘い誘惑に負け、
ストーンに有利な裁定をつけて審査会に送ります。
それを後で後悔をするジャック……。

 その頃ストーンは獄中で宗教的に目覚め、
人が変わったようになり、今では仮釈放もどうでもよくなっていました。
そして仮釈放が決まった最後の面接では、
二人の攻守が逆転したようになります。
正義のストーンに、悪のジャック……。

 しかし、ストーンはそんなに甘い男ではなく、
仮釈放されたストーンは、ジャックの家を放火します。
そしてこの火事と、ルセッタのことによって
ジャックは離婚されてしまいます。
 

 

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