コクリコ坂から

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コクリコ坂から h23.8.7 半田コロナ

 朔的には☆は3つ半で「70点」で、
お薦めです(*^_^*)。

 1963年の横浜を舞台に、
16歳の少女(海)と17歳の少年(俊)の出会いと純愛を描いています。
二人のまっすぐに生きる姿、それを温かく応援する周りの人々、
それが相まって感動を与えてくれました。
 悪人が一人も出てこない、かつての良き日本を
象徴的に描いています。

 清らかで、心洗われる涙が、
二人の心情を考えると、自然と溢れて来ました。
汚れきった自分に、まだそんな涙を流すことができたことに驚き、
うれしく思いました(*^_^*)。

 アニメでしか表せない良さがありました。
ハリーポッターなどの洋画に押され、
この映画は、スタジオジブリの作品としては
あまり客入りがよくないと聞きました。

 まあ、この映画の良さを分かるには、あの時代を知っている者、
主人公達と同じような経験や思いをしたことがある、
我々の世代(50歳以上)である必要があるのかもしれません。
そして、その世代はアニメを見ません。
客入りが悪い訳です(^_^;)。

 映画の設定は1963年です。
東京オリンピックが1964年、大阪万博が1970年でした。
この時代は、日本の経済が高度成長を続け、
世界第2位の経済大国になって意気揚々としていた時代でした。

 私は13歳でしたが、
この約50年、日本はそして人間は進歩をしてきたのでしょうか?

 「大事な何かを忘れてきてしまった。」
それが、この映画を見終わった時に一番感じたことです。

 あの時代、明るい希望の光があり、
このまま発展を続けて行けば、
日本には豊かさと幸せが必ず来ると、
何の確証もなかったのに、みんなが無条件に信じていた時代でした。

 古いものを壊し、新しいものに変えていく
それが進歩であり、成長であると信じていました。
今回の映画で、伝統ある建物(部室として今は使われている)を壊して、
新しいものを建設しようとする学校側と、
それに抵抗し、古くても良いものは、
残して行くべきだとする高校生達の戦いが主要なテーマとしてありましたが、
それがあの時代の象徴のようなものでした。
きっと監督は、今の時代の反省を込めての、
テーマ設定だったと思います。

 50年も前の青春、さわやかですね。
あの時の気持ちを、もう一度味わいたいと思いました。
その頃の自分は、女性を強く意識して、
話しをするだけで赤くなり、できるだけ避けていた自分がいました(^_^;)。

 内気で、好きなのに告白ができなくて、片思いばかりだったけど
それだからこそ、よけいに切なく、恋しく感じました。

 お互いに好きなのに、恋をすることができない
そんな二人に涙です。
「それでも君のことが好きだよ」
この言葉はグッと来ました。

 この映画の中で、確かに自分がこの時代を過ごしたと
感じられたことが、3つありました。

 一つは、朝になるとプレスがかかるように、
ズボンを布団の下に敷いて寝ること、
これよくやっていました。
いつ頃からやらなくなったのかな?

 二つ目は、ガリ版。
卒業文集を作るために、必死でガリを切っていたこと、
失敗すると、赤い修正液を塗ったりして……、
それを思うと青春が蘇ってきます。

 三つ目は、カレーライス用の豚肉を
近所の肉屋まで母に買いに行かされたこと。
歩いて、20分くらいの所に商店街があったのですが、
遠い店の方が肉が安いからと、そちらに行かされていました。

 あの頃は商店街に活気があった時代で、
今のように、スーパーでまとめ買いをして、
冷蔵庫へ保管するのではなく、
その日のものは、その日に買いに行く時代でした。

 

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