サムウェア

映画の目次へ 

 

サムウェア h23.4.2 ミッドランド

 朔的には☆は3つ(60点)です。

 この映画は第67回ベネチア国際映画祭で
最高賞にあたる金獅子賞を取りました。
監督はソフィア・コッポラで、
彼女の父は「地獄の黙示録」で有名な巨匠フランシス・コッポラです。

 エンディングには考えさせられるものがありました。
どういう意味なのでしょうか?
 
 何の目的で、はたまたどこへ行くのかも分からぬまま、
ハイウエーをひたすら走るフェラーリ、
それが郊外で突然止まり、
主人公がその車を乗り捨てて歩き出す所で終わります。

 この象徴的な出来事は何を意味しているのでしょうか?
自分なりに考えてみました。
それは今までの物質的な豊かさに溢れた
自分の人生にピリオドを打ち、
新たな旅立ちを暗示しているような気がします。

 ハリウッドの大スターである俳優の
ジョニー・マルコ(スティーヴン・ドーフ)は、
魅力的な容姿と名声、さらに金を合わせ持ち、
それに群がる女性達と自堕落な生活を送っていました。
何の向上心もなく、自分の本能のままに過ごしていました。
妻との別れもきっとそんな彼の生活態度が原因だろうと推察させます。

 前妻との間に、11歳になる一人娘のクレオ(エル・ファニング)がいます。
まさにピュアという言葉がぴったしの美少女で、
明るく素直に育っています。
きっと母親の影響でしょう。

 今までは月に1度か2度の面接から、
母親の都合で一週間づっと娘と過ごすことになりますが、
それによって自分の中に新しい感情が生まれます。
今までの何もない人生から、
自分にとって大事なものは何かを気づく人生へと……。
 
 別れた妻に「自分は何もない空っぽの人間である」と
電話をかけるシーンが印象的でした。

 タイトルの意味、どこかに彼の求めているものがあり、
それが何であるかが娘の存在によって知らされます。
人は金や名声だけでは幸せを感じられないもので、
それを知った彼は、これから先良い俳優になるでしょう。

 

上に戻る