ゲーテの恋〜若きウェルテルの悩み〜 h23.12.17(土) ミリオン座
朔的には☆は3つ半(70点)で、お勧めです。
若い時は文学青年だった私は、
ちょっと格好を付けて、高校生の時に、
岩波の世界文学全集を買いました。
その第一巻目がゲーテで、
「ファースト」と「若きウェルテルの悩み」がありました。
自分の力を考えずに、
見栄からファーストを読もうと買ったのだと思いますが、
全く歯が立たなくて、
ほとんど読まない内に諦めてしまいました。
その時もし、「若きウェルテルの悩み」の方から読んでいたら、
こちらは読み終えることができたかもしれません。
ドイツの文豪ゲーテの青春時代の悲恋を描いています。
ゲーテは名前をウェルテルと変えて、
書いた小説が「若きウェルテルの悩み」です。
これによって、彼は世に出ることができた訳ですから、
悲恋という現実の中に、幸運が潜んでいたわけですから、
なんとも皮肉な話です。
1772年のドイツ。
ゲーテの父親は偉大な法律家で、
彼はその七光りを使って、法律家を目指すがうまくいきません。
それは彼が、法律よりも詩人として生きて行きたいと
思っていたからです。
でも、父親が許してくれません。
それなら、仕送りを止めると言われ、
仕方なしに父親の命に従って、
田舎の町の裁判所に書生(見習い)として勤めます。
その町で貧しい貴族の娘、
ロッテと知り合い二人は恋に落ちます。
彼女は母を亡くし、
年老いた父と沢山の幼い兄弟の世話をしていました。
彼女が金持ちと結婚することだけが、
この家を救うことができることを、
彼女が一番よく知っていました。
美しく、情熱的なロッテは
賢明な女性でもありました。
ゲーテはロッテと深く愛し合いますが、
父親の勧めにより、ゲーテの上司と婚約をします。
ゲーテは悲観をして、自殺まで決意し、
その思いを、小説にしてロッテに届けます。
それによってロッテの心は揺れますが、
それでも気持ちを変えませんでした。
別れることが、二人にとって最良の方法であることを
賢明なロッテは確信していたからです。
この時書かれた小説が「若きウェルテルの悩み」であり、
この小説の大ヒットによって、ゲーテは小説家として
その地位を確立することができました。
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