ドラゴン・タトゥーの女

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ドラゴン・タトゥーの女 h24.2.18 半田コロナ

 朔的には☆は3つ半(70点)で、お勧めです。

 スウェーデン発の世界的なベストセラーである、
「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」は、
2009年に映画化されて大ヒットしました。
今回の映画はそれのハリウッドリメイク版です。

 スウェーデンの雑誌社ミレニアムの
共同経営者ミカエル(ダニエル・クレイブ)は
強い信念の元、政治家の汚職事件の告発記事を書きましたが、
詰めが甘く、逆に名誉毀損で訴えられ敗訴し、
意気消沈の日々を送っていました。

 その彼のもとに、スウェーデン有数の財閥ヴァンゲルの
元会長ヘンリックから家族史の編纂依頼がきます。
しかし、それは表向きのことで真の目的は、
兄の娘ハリエットの、
40年前に起きた謎の失踪事件の解明でした。
そして、ヘンリックは一族の誰かによって
彼女は殺されていると確信していました。

 ミカエルは、この血塗られた一族の調査に取りかかりますが、
その相棒として紹介されたのが、
リスベット(ルーニー・マーラー)でした。

 彼女は父親への殺人未遂で保護観察処分の身で、
顔中がピアスだらけ、
背中にはドラゴンのタトゥーが彫られていました。
その見かけとは裏腹に、
パソコンを駆使しての情報収集能力は超人の域に達していました。

 ハリエットの日記に書かれていた謎の記号、
それはこの地域で起きた、猟奇的連続女性殺害事件の
解明の鍵となるものでした。

 ハリエットは実の父親から性的な暴力を受けていました。
それに耐えきれなくなった彼女は、
誤って父親を殺してしまいますが、
その現場を偶然兄に目撃され、
そのことを脅迫されて、兄からも性的な暴力を受けます。

 その地獄から密かに逃げようとしたことが
この失踪事件の発端で、
彼女はロンドンで名前を変えて生きていました。

 リスベットは、事件を調べるに連れて、
ハリエットの状況が自分とよく似ていることに気づき、
この事件に異常なまでの関心をしめして行きます。

 リスベットと監査人とのセックス描写などは
ど迫力があり度肝を抜かれます。

 でもリスベットはやられ放しの弱い人間ではなく、
「目には目を、歯には歯を」の考え方の元、
徹底的にする復讐は、鮮やかさですかっとさせてくれます。

 リスベットが初めて心を許し、
愛した男はミカエルでした。
でも彼には恋人がいました。
 自分の思いが叶わないと思ったらさっと身を引き、
決して後にひかない、そのきっぱりとした態度が
悲しくもあり清々しくもあります。
それはきっとこれまでの彼女の人生がそうさせたのでしょう? 
 

 

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