はやぶさ 遥かなる帰還 h24.2.19 半田コロナ
朔的には☆は3つ半(70点)で、お勧めです(*^_^*)。
2003年5月9日、鹿児島県内之浦から
打ち上げられた「はやぶさ」は、
小惑星「イトカワ」から、地球の起源を探る
岩石のサンプルを持ち帰るという
世界初のミッションを成功させることが目的でした。
そしてこの映画は、その計画から奇跡的な帰還までを描いた作品です。
日本人の優秀さ、すばらしさを改めて知らされ、
勇気づけられ、自信をもらえた気がします(*^_^*)。
この所経済的には全く精彩を欠き、
自信をなくしてしまった日本とは対照的に、
日本文化の質の高さが見直をされています。
また、東北大震災の時の対応から、
日本人の品格とか資質の高さ
例えば、礼儀正しさ、思いやり、忍耐強さなどが、
外国人との比較において評価されています。
でも、それとは反対にエゴな日本人(自分の反省も込めて)
がいることも確かで残念ですが……。
昨年<はやぶさ>の映画を見たので、
どのような内容であるかはだいたいわかっていました。
科学的なことをわかりやすく説明しながらも
味気ないドラマにしないためには、
魅力的な人物に光を当てて、人間的なドラマにして行く必要があります。
今回は朝日新聞の科学部女性記者で、
シングルマザーである井上真理(夏川結衣)の目を通して、
宇宙研の7年に及ぶ<はやぶさ>との戦いを描いています。
彼女には離婚で別れて暮らす父親(山崎努)がいました。
彼は東京の町工場の経営者で、
金よりも大切なものがあるとの信念の元、
物作りにかける意欲は並大抵のものではなく、
苦しい経営の中、<はやぶさ>の試作品を
宇宙研の若い科学者達と作っていました。
家庭を返りみない頑固な夫に、
愛想を尽かした妻は真理をつれて離婚をします。
真理は、<はやぶさ>の担当となり、
長い間音信不通だった父と娘が、
はやぶさの発射の日に内之浦で再会します。
相変わらず、物作りにかける執念と
卓越した技術はそのままであった父、
その生き様に真理の息子が夢中になり、
それをきっかけに真理も父を理解し和解して行きます。
安定した銀行を辞めて、IT会社を起業した夫
愛想を尽かし離婚した自分、
それは母が離婚した理由と同じでした。
しかし<はやぶさ>を計画し、
見守り続ける宇宙研の科学者達の姿を通して、
お金には換えられないものが
あることに気がついて行きます。
オーストラリアの大地で<はやぶさ>の帰還を
待っている彼女の未来には、明るい希望の光りが見えます。
父との和解、夫の和解が見えてきます。
そして親から子へ、年寄りから若者への技術の伝授、
宇宙への熱き思いが伝わって行きます。
最高責任者である、山口教授(渡辺謙)の孤独さ、
責任の重さ、プレッシャーはいかばかりでしょうか?
彼の性格を生まれた国の方言で、
じょっぱり(頑固さ)と言い表していました。
まさしく、<はやぶさ>をなにがあっても成功させるという
不退転な決意があったからこそ成し得た大事でした。
学者らしく、人付き合いが下手で、
人に迎合したり合わせることができません。
それでも、部下に信頼されているのは誠実な人柄からでしょう。
的確で素早い決断力、
反対意見があっても最後は自分が決め、責任は自分が取る、
リスクを恐れず、そのために最善の努力をする。
それはまさに組織のトップの理想的な姿なのかも知れません。
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