キリマンジャロの雪 h24 7月7日(土)名演小劇場
朔的には☆は4つ(80点)で、超お勧めです(*^_^*)。
現代のフランス社会の問題点、
矛盾点を鋭くついた映画、
でも、殺伐とした心にさせるのではなく、
逆に心温まる感動を与えてくれる映画です。
フランスの港町マルセイユ、
その町の工場では、長引く不況のため、
何度もリストラを行ってきましたが、
今回も20人のリストラが必要でした。
その工場の労働組合の委員長であるミシェルは、
組合の闘士であり、今まで戦いの中で、
多くの要求を勝ち取ってきました。
組合のために無私の心で頑張ってきたことが誇りでした。
彼の信念は、公平を旨として
誰からも後ろ指を指されることのない生活を送ることでした。
今回のリストラも委員長特権で自分の籤を
入れないということもできたのに、
公平のために自分の籤も入れ
それを引いてしまうと潔くそのことを受け入れます。
しかし同じ時にリストラされた仲間の中には、
彼の行動が公平だとは思っていない人もいました。
人の感情の難しさ、思いの難しさを感じます。
自分が良かれと思ってやったことでも、
人にはそう感じられない、そんなことが一杯ありますね。
労働組合の幹部としての特権が、
実際にあるかどうかではなく、
あると思われていることが問題です。
真の公平は難しく、
単なる理想の世界であるのかもしれません。
現代社会の最大の問題の一つに失業があります。
特に若年層の失業は深刻で、犯罪を産みます。
失業をしたとはいえ、持ち家があり、
年金があるミシェル夫婦は、恵まれていました。
二人の子供は結婚し、孫がいて、
さらにたくさんの友人に囲まれていました。
結婚30周年の祝いの席で、
妻の夢であった
キリマンジェロの旅行券をプレゼントされます。
しかし、ある日強盗が家に押し入り、
旅行券とキャッシュカードを取られてしまいます。
大きな心の傷を負った彼でしたが、
執念によって犯人を突き止め警察に通報し、
犯人が逮捕されます。
その犯人が分かった時、彼に衝撃が走ります。
そして、その後の彼の行動は予想外のものでした。
まさに感動的です。
でも、なぜあそこまでできるのでしょうか?
その答えはきっと、彼ら夫婦が、
真の善人だからなのでしょう。
凡人の私には到底できません(;>_<;)。
自分で考えた人生、自分で決めた人生を過ごしたいという
彼の気持ちは、子供の大反対があっても、迷いません。
その鋼鉄のような筋が通った善人だからこそ、
彼の行動が感動を与えてくれます。
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