マリリン 7日間の恋 7月3日(水) 阿久比ユナイテッドシネマ
朔的には☆は3つ(60点)です。
この作品は、昨年度アカデミー賞の
主演女優賞にノミネートされた作品ですが、
私的にはイマイチでした(^^;)。
1956年、今や伝説となったセックスシンボルの
マリリン・モンローが、映画撮影「王子と踊り子」のために
英国にきます。
夫(ヘンリーミラー、南回帰線を書いた米国の文豪)
と共に来て、撮影の終盤に喧嘩して夫が、
アメリカに帰っていた間の7日間の秘密の恋です。
(あれが秘密といえるかどうかは別にして……。)
恋の相手はこの映画の第3助監督であるコリン、
彼はイギリスの名門出の好青年で、
彼の回顧録がこの映画の原作となっています。
まあ関係者は死んでしまったから、
影響が少ないとはいえ、やはり不倫を暴露しているのですから、
関係者の中には面白くない人も多くいると思います。
まあ、モンロークラスのVIPになれば
不倫の一つや二つはどうってことないかもしれませんが……(;>_<;)。
スクリーンでのマリリンは、
オツムは多少弱いが、気だての良い
セクシーなブロンド娘に見えます。
しかしこの映画で描かれた真のマリリンは、
極度に神経質で自分の演技に自信がなく、
周りの空気を読めない、わがまま女優として描かれています。
マリリンの横には常に、
女性占い師のような存在の人がいて、
彼女に自信を与える言葉を投げかけています。
マリリンは、その支えがないと前に進めません。
マリリンが、大スターという仮面をかぶって
演技して行くためには、
自分を褒め称える人物、
自分の信奉者が近くにいることが、
彼女の精神を安定させるために絶対に必要なことでした。
コリンとの恋も、夫という信奉者が去った後の、
代替品であったのではと私は思います。
その証拠に、夫が帰ってくると
このまま一緒に逃げようという彼の願いも虚しく、
夫の元へ、スターの座へと帰って行きます。
彼女は自分が大スターであり、
誰か一人のものではない、
世界のマリリンであることを知っているからです。
「王子と踊り子」の監督である、
あの名優ローレンス・オリヴィエを
極限までイライラさせる、マリリンの行動が面白かったです。
でも、オリヴィエも結局マリリンの女優として魅力は
十分に感じていて、最後には賞賛の言葉を与えています。
主演女優にぴっぱりまわされることが、
日本の映画作りでも時々聞こえてきますが、
一本の映画を作るあげるとは忍耐の積み重ねであるとわかります。
主演のマリリン役のミシェル・ウィリアムスは、
主演女優賞にノミネートされるだけあって、
単なるマリリンの偽物ではなく、彼女そのもののに魅力があります。
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