ロボジー h24.19 半田コロナ
朔的には☆は3つ半(75点)でお勧めです。
期待を全くせずに見に行って、
その期待を裏切られるのは嬉しいものです。
私は大笑いする映画も好きですが、
ちょっとした場面で、ホロリとしたり、
ニタリとしたり、クスリとできる映画も大好きなので、
この映画は、私にはストライクでした(*^_^*)。
「ロボジー」は、ロボット+エレジーの造語だと思いますが…?
この造語から、人間と同じ感情を持っている、
ロボットの悲喜こもごもを描きたかったのかな?
二足歩行ロボットの中に着ぐるみのように、
人間、それもヨボヨボの老人が入り、
ロボットの替わりをするという、
子供だましのような話ですが、
それがなぜか笑えて、切なくて、
温かい気持ちにさせてくれました。
何よりもハッピーエンドなのが良かった。
普通に考えれば、ロボットに人が入っているのは
詐欺で、それはいつか確実にばれるわけですから、
それがばれた時の問題がいろいろ連想されて、
ちょっと暗くなってしまいますが、
それが感じられずに、明るく展開されていったことが何よりでした。
そして、ラストの大どんでん返しで
とても幸せな気分で帰ることができました。
家電専門メーカーの木村電気の社長は、
ロボット博に自社のロボットを出展させれば、
テレビに映り宣伝効果があるからという理由で、
窓際の社員三人(浜田岳)に命じて
二足歩行ロボットの製造に当たらせます。
ほとんどロボットの知識のない3人だったので、
必死の努力もむなしく、
どうあがいてもロボット博の期日までに
間に合わないことが分かります。
このままでは首になると考えた3人は、
着ぐるみショーと偽って、
ロボットの中に入る人を応募します。
そこで選ばれたのが、
73歳の老人、鈴木重光(五十嵐信次郎)です。
最初はロボット博の1回だけの約束だったのに、
このロボットが、ロボット博でロボットオタクの、
女子大生(吉高由美子)を助けたことから、
話題になり、いろいろなイベントに
ひっぱり出されるはめになります。
この映画は老人問題でもあります。
ロボットに入る鈴木重光(五十嵐信次郎)は
73歳、元気で働けるのに働く口がなくて、
おまけに趣味もなく、友達もいません。
自分から進んで仲間を作って行くことが苦手なタイプです。
男の老人の典型的なタイプですね。
妻に先立たれ一人暮らしをし、
一人娘の娘夫婦は遠くに離れ、盆と正月に帰って来るだけ、
孫も自分には関心をもってくれません。
そんな、存在感のない自分をアピールする
千載一遇のチャンスがやってきます。
腰を落として、膝をやや曲げて
ソロリソロリと歩く老人の姿は
二足歩行ロボットにそっくりです。
日経のCMでおなじみの浜田岳は、
独特の空気感を持っていて好きだったけど、
映画では初めて見ましたが、
なかなか良い味をだしていました。
吉高由美子は、今が旬の女優で、
たくさんのドラマや映画に引っ張りだこです。
美人ですが、性格のきつい所が滲み出ていて、
それが彼女の個性となり魅力となっています。
ミッキーカーチスは、ロカビリー三羽烏
(平尾昌晃、山下敬二郎)の一人で、
私と同じ世代の人なら知らない人はいません。
当時の超もて男も、今年で73歳で時の経過を感じます。
ミッキーカーチスではなく、
五十嵐信次郎という芸名で出ているのは、
漢字の芸名に憧れていたからだそうです。
役者としてはあまりなじみがありませんが、
淡々とした自然な演技で味を出していたのは、
さすが往年の大スターです。
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