東京オアシス h24.2.4 キノシタ劇場
朔的には☆3つ(60点)です。
1時間半の短い映画でしたが、
「え!これで終わりなの?」というのが、
見終わった後の正直な感想です。
きっと何かが起きる、今に起きると思っていたのに
結局何も起きずに終わってしまいました(^^;)。
まあ、それがこの映画のねらいだったかもしれませんが……。
テーマは「逃げる」ことです。
人は時々日常の些細なことから逃げたくなるもので、
これは誰でも多かれ少なかれあることです。
たまには逃げることも許されると思いますが、
ただ、逃げても問題は解決しないし、
もっと複雑で、難しいことになっているのが一般的です。
だから、ものごとから逃げずに、
そのことに向かっていくことがベストであり、
問題を解決する唯一の方法であると思います。
と、正論を言えばそうなりますが、
人間はそれだけで生きていけるものではなく、
弱い所があるものです。
だから、そんな時はちょっと逃げて、
気持ちを変えてまた戻ってくる。
それで良いのだと思います。
主人公のトウコ(小林聡美)は女優です。
ただ、女優でも演技派の目立たない女優、
あまり売れない、劇団に所属している女優かもしれません。
ものごとに執着をせずに、淡々と生きている女性で、
しっかりとした自分の考えを持って、
人や時代に流されないで生きています。
自分の夢である女優になるために、
田舎から東京へ出てきて、その願いを叶えることができました。
でも時には逃げ出したくなる時もあります。
そんな彼女の出会う人々との、
なんの変哲もない出来事を通して、
人生とは何かを語りかけています。
平凡な日常生活の繰り返しの中に人の人生があります。
人生とは、ドラマや小説のような大きな事件や、
出来事が頻繁に起こっているわけではなく、
平凡な出来事の積み重ねで綴られているものです。
平凡な人々との出会いやふれ合いが、
大都会のオアシスであり、癒しとなります。
小林聡美劇団とも言える人々(加瀬亮、もたいまさこ)によって、
「かもめ食堂」以来、独特の雰囲気を持った映画が作られています。
現代の慌ただしい時の流れとは逆をいく、
ゆったりとした時の流れを教えてくれます。
空き過ぎる「間」、それがいごごちの良い「間」を作っています。
(ただ、疲れている時は強烈な眠気をもよおしますが……。)
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