天地明察

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天地明察 h24.9.17 半田コロナ

 朔的には☆は3つ(65点)です。

 予告編を見て、私の好きなジャンルだったので、
結構期待をしていったけど、
やや期待はずれでした(^_^;)。

 原作は沖方丁の2010年本屋大賞受賞の同名小説です。
原作を読む予定にしているので、
映画との比較をしてみたいと思っています。

 暦とは、時を正確に計ることであり、すべての基本となるものです。
 江戸時代日本独自の暦である大和暦
(中国の暦を修正し、日本に合った暦にしたもの)を
作った安井算哲(岡田准一)の物語です。

 暦の優劣を競うため日蝕勝負をするシーンなどは、
ちょっとおちゃらけな感じを受けました。

 会津藩主から、北極出地(全国の北極星の高度を測り、
その土地の位置を割り出すこと)を命じられ、
その一員として日本全国を測量して行くシーンは特に面白かったです。
歩測で距離を正確に測るための、独特な歩き方が愉快でした。
江戸時代の測量の基本が歩測であり、
それがすこぶる正確であったことに驚かされました。

 和算(日本独自の数学)の開祖関孝和は、
算哲に大きな影響を与えた人物で、
絵馬に書いた和算の問題での
二人のやりとりを扱ったエピソードも面白かったです。

 私的にはもう少し、二人の関わりを描いて欲しかったですが、
それにしても江戸時代における、
日本の算術や天文学のレベル高さを知ったことは、
日本人として誇りを感じます。

 大和暦までの江戸時代には、中国の暦を使っていました。
(中国では皇帝の威信にかけて、
膨大な天文観察と算術を駆使して暦が作られていました。)
でもその暦が少しづつずれてきていることを、
日蝕のずれ等によって算哲は見つけます。

 そこで算哲は、今の暦を日本に合った正しい暦にすること、
つまり改暦の必要性を、
日蝕の日時を正確に当てることで証明しようとします。

 江戸時代までは暦は、神聖にして犯すことができないものでした。
暦は代々公家の既得権であり、
そこから膨大な利益を得ていました。
そのため今使っている暦が間違っていることがわかり、
改暦をすることを極度に嫌い恐れていました。
そのためあらゆる手を使って妨害してきます。
それを命をとして算哲は妻のえん(宮崎あおい)と共に戦い
改暦を勝ち取ります。
 

 

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