ツナグ

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ツナグ h24年10月17日 阿久比ユナイテッドシネマ

 朔的には☆は3つ(65点)です。

 つなぐとは、生きている者と、死者をつなぐ人のことです。
秋山家は代々、<ツナグ>という役目を担って来ました。
今はおばあちゃん(樹木希林)が<ツナグ>であり、
孫の高校生歩美(松坂桃李)がその後を継ぐために、
おばあちゃんの指導の元、手伝いをしています。

 <ツナグ>にはルールがあり、
死者に会えるのは、生涯に一度だけで、それは死者も同じです。
もし、死者が会いたくないと思えば、
会うことができず、一度のチャンスを使ったことになります。

 この一度だけというルールが
<ツナグ>を意味深いものとしています。

 この人は生涯に一度のチャンスを使ってでも、
どうしても会いたい人なのか?
そして、その人も自分をどうしても
会いたい人と思ってくれているのか?

 一番悲惨なのは、自分は会いたいと思っていても、
相手が会いたくないと言われた時です。
人の気持ち、特に心の中でどう思っているかは
わからないもので、自分が愛していると思うほどに
相手はそれほどではないことが、多いものです。
古今東西、恋愛の悲劇はそこに由来します(;>_<;)。

 もちろん会いたい人は恋人に限るわけではなく、
この映画でも、<愛する男女>以外に、
<息子と死んだ母><女子高生の親友同士>
が<ツナグ>によって再会しました。

 じゃ今のお前は一度のチャンスを使ってでも
会いたい死者がいるかと問われると、
正直言ってありません。

 薄情な男ですね(^^;)。
まあ、あえて言えば、母でしょうか?

 死んだ人と会って、その人から
「ありがとう」と言われるのはうれしいことです。
「ありがとう」は日本語で一番美しいことばで、
スクリーンからその言葉がでる度に、
自分の今までの人生の琴線に触れて、
涙が溢れて止まりません。

 年と共に涙もろくなっていけません、
今回は最初からハンカチを手に持って見ました(*^_^*)。

 映画は3つのエピソードからなっていて、
正直二つ目の女子高生のエピソードは
内容よりも、演技力の問題から、
これはなくても良いのではと思っていましたが、
それが3つ目のエピソードの付箋になっていて、
まさしく2が3の<つなぎ>役割をしていたわけです(*^_^*)。

 主演の松阪桃季、高校生役でしたが、
イケメンなのはもちろんですが、
さわやかで穏やかな好青年で、人柄の良さが滲みでています。
そして、なにより力の入っていない自然な演技が良く、
将来が楽しみな青年です。

 今回の映画は、女子高生のエピソードが
演技力のせいで少し興ざめしましたが、
それ以上に、松阪桃季、樹木希林、佐藤隆太の
演技がよくて、感動を与えてくれました。
涙が溢れ、気持ち良く泣かせてもらいました(*^_^*)。
 

 

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