人生の特等席

映画の目次へ 

 


人生の特等席 h24.12.12

 朔的には、☆は3つ半(70点)で、お薦めです。
ただ過去のクリント・イーストウッドの作品と比べると、
やや評価が低かったです(^_^;)。

 この映画は『グラン・トリノ』で事実上の
俳優引退宣言をしていたクリント・イーストウッドが、
4年ぶりに主演をした作品です。
私は引退と聞いて、もう二度と見ることができないと思っていたので、
見られることはうれしいけど、
何があったのかな?と思っています。
それにしても老けましたね、82歳だから仕方がないとは思いますが…。

 家庭を顧みずに、メジャーリーグのスカウトマンとして
生きてきたガス(クリント・イーストウッド)は、
名スカウトとの評価が高かったのですが、
頑固で昔ながらのスカウト手法を信じ、
パソコンを使ったデータによる
スカウト手法を信用していませんでした。

 しかし、年のせいでスカウトにとって命とも言える視力が
衰え、日々の生活にも支障がでてきたので、
今年限りの引退と決めていました。
そんな彼の元に、離婚し離れて暮らしていた
娘のミッキー(エイミー・アダムス)がやってきます。

 「人生の特等席」とは、
その人にとって一番居心地のよい場所のことなのでしょう。

 疎遠だった父と娘がスカウトマンという仕事を通して
信頼と絆を取り戻していく物語です。

 プロ野球の話は夢があって楽しいものです。
スカウトマンの喜びは、人知れず眠っている
隠れた力を発見することです。
それは今活躍している選手の実力を評価するのではなく、
将来性や隠れた力を見いだしていく所にあります。

 人にはそれぞれの生き方があります。
かつてのミッキーのように、弁護士としてキャリアーを積み、
社会の最前線で戦っていくこともいいでしょう。
でもそこでは自分の気に入らないことをしたり、
良心に反することもしなければならない時があります。
そこでの成功は、<お金><出世><名誉>と
華やかな世界が実現できます。

 でもその逆に、父の後を継いでメジャーのスカウトとして、
新人の発掘に努めることも、一つの生き方です。
大事なことはその人の居場所を見つけること、
居心地の良い場所とか、人間関係とか、仕事があることが、
その人にとっての<人生の特等席>だと思います。

 結局ミッキーにとって、父親と一緒に行動していた幼い日々が
自分にとって最も居心地の良い場所(人生の特等席)であったことに、
気がつくわけです。
 

 

上に戻る