1/19(日) 半田コロナ
朔的には☆は3つ半(75点)で、お勧めです。
あらかじめ、ハンカチを手に持って見てください(*^_^*)。
作者の百田尚樹氏は、私の好きな番組
「たかじんのそこまで言って委員会」の
コメンテーターとしておなじみでしたが、
その番組で、この小説が300万部のベストセラーであり、
映画化もされると聞いたので、
それまでに小説を読もうと頑張ってきました。
でも結構な長編で、そのほとんどが戦闘シーンだったので飽きてしまい、
残念ながら半分読んだ辺りでダウンしてしまいました(^_^;)。
祖母の葬儀の日に、祖母が再婚をしていた事を知った孫の健太郎は、
姉と共に実の祖父(宮部久蔵)のことを調べて行きます。
かつての戦友を訪ねて聞き取り調査をすると、
「海軍一の臆病者だった」と言う人や、
「腕は一流で命の恩人だった」と言う人など、
人によって評価がものすごく分かれ、
その人物像は深い闇に包まれたままでした。
零戦のパイロットであって宮部久蔵(岡田准一)は、
愛する嫁(井上真央)と娘のために、
何があっても生きて帰ると誓っていました。
しかし、臆病者と言われながら、命を大事にしていた久蔵がなぜ、
終戦間際になって自ら志願して特攻として死を選んだのか?
この謎の真相を二人は探って行きます。
そしてそこには意外な真実が隠されていました。
後半から一気に盛りあがり、涙モードに入って行きました。
その意外な展開と感動は、あらかじめ知らなかった方が
良かったと思ったので、
私は小説を半分しか読んでいなかったことを、
この時は感謝をしたものです(*^_^*)。
特攻を志願した若い人のことを思うと
胸が締め付けられる気がしました。
自分が同じ立場だったらどうしたのだろうか?
映画の中では、特攻を自ら志願したというよりも、
そうせざるを得ない雰囲気があり、
とても拒否できるようなものではなかったとありました。
おそらくそれが真実なのでしょう。
「靴がないとてしょげていた、両足もがれたその人に、
通りで出会う以前には。」こんな格言があります。
自分が不幸に思えたら、自分よりもっと不幸な人がいることを
思い出せば良いわけで、その最たるものが戦争です。
日本もわずか70年前には、戦争をしていました。
戦後の昭和25年に生まれた私ですが、
小さい頃には、傷痍軍人(戦争のために障害者となった軍人)が
白衣を来て、義足でアコーディオンを弾いて、
駅前で物乞いをしていました。
子供なので意味はよく解らなかったけど、
その異様な雰囲気から、ものすごく怖かったことだけは覚えています。
この映画の中で、日本軍の敗戦の理由として、
作戦ミス、日本の軍上層部のおごり、
指揮能力のなさ、経済力の違いなどが指摘されていました。
それにもまして私が一番納得できたのは、
「兵隊の命に対する日米の考え方の違い」です。
アメリカは飛行機が墜ちても、
兵隊が助かるような万全の仕組みを作り、
兵隊の命が第一でしたが、日本は逆でした。
墜ちた飛行機を惜しみ、兵隊は消耗品のような扱いでした。
これによって、ベテランの搭乗員がどんどんいなくなって行ったことが、
勝敗に大きな影響を与えました。
人は生まれる時代と、国を選べません。
戦争のない時代の日本に生まれることができた幸せ、
それは先人達の犠牲の上に、成り立っているということを、
忘れないで生きて行きたいと思います。
|