WOOD JOB

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 朔的には☆は3つ半(75点)で、お薦めです。
 面白くて、いっぱい笑わせてもらい、元気をいただきました。

 主演の染谷将太が、今時の頼りなくて
ちょっと軽薄な青年を見事に演じています。

 原作は、三浦しをん(舟を編む)の
ベストセラー小説「神去なあなあ日常」で、
「ウォーターボーイズ」や「スウィングガールズ」等の斬新な映画を作った、
矢口史靖監督が今度は<林業>をテーマにメガホンをとりました。

 この<林業>を題材にした映画、
今の時代だからこそ、活きる発想で、
都会人と杣人(そまびと)という
ギャップは大きい程面白いものです。

 今の林業(木こり、杣人)が
具体的にどんなことをする仕事なのか?
この未知の世界を、詳しく教えてくれます。

 林業は闇雲に木を切るだけの仕事ではなく、
次の世代のために、苗木を植え、枝打ちや間伐材を切って、
真っ直ぐな良い木材に成長させています。
また、大木の切り方の方法や、木の登り方など
知らないことを知る楽しみもありました。

 <みどりの研修>は、林業の後継者不足を補うために、
林業研修を経て、林業の魅力を若者へ伝え、
若者を林業に従事してもらうためのものです。

 大学受験に失敗した勇気(染谷将太)は、
浪人も嫌だし、なにか面白いことはないかと、
パンフレットを見ていると、
そこに自分好みの美人が写っていたので、その写真に惹かれて
<みどりの研修>へ参加をします。

 最初はあまりにも過酷で厳しい指導に耐えられず、
逃げだそうとしますが、
なんとか我慢をする内に、
だんだんと林業の楽しさが分かってきます。

 携帯も圏外で、一番近い町まででも車で2時間もかかる村
もちろんコンビニも信号もない、全く閉ざされた村、
そこは代々林業を生業としてきた、神去村でした。

 研修を終えた勇気は、神去村の中村林業に、
一年間の見習いとして働きます。

 そして、山の人達とのふれ合い、
地域の行事や祭りへの参加、そして恋……。
これらを通して、勇気は成長をしていきます。

 便利で物質的には豊かな都会でも、
この神去村に生まれ育った人は、ここが一番良いといい、
そこを離れたくないと話します。

 それは、山間の僻地には、都会にはない人情、自然があり、
都会にはないある意味の豊かさがあります。
 
 勇気は、いつしか山や木に囲まれた生活に自分が合っていること、
都会では暮らせない体質となっていることに気がつき、
山で暮らすことを決意します。

 杣人の暮らしは、決して都会の人が趣味とか遊びでできるものではありません。
自然と共に生きるには、自然を敬い、神を恐れる気持ちが必要です。
 

 

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