バードマン

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 本年度アカデミー賞の作品賞など4部門で賞を取った映画です。

 若き頃、ヒーロー映画の「バードマン」を演じて一躍有名となり
巨万の富と名声を手に入れた主人公の俳優
リーガン・トムソン(マイケル・キートン)。
でもその名声は過去のものとなり、トムソンも今は初老、
かつての名声を取り戻そうと演劇の世界で
再起を期しています。
全ての財産と人生をかけて
自分の演出で主演する演劇の作品に全力投球をしています。

 でも、映画俳優嫌いの演劇評論家の
酷評を聞いて、自分の限界を知る。
自分らしく生きて行く、それにはどうしたらいいのか?
自問自答のあげく、彼の下して結論は?

この映画を見て、
「知らぬ幸せ」という言葉を改めて思い出しました。
豊かさを知ったが故に、貧乏が辛くなる。
名声を得たり、出世をしたが故に、そこから落ちた時の辛さがある。
人生はだんだんと良い方向に行くのは良いが、
だんだん悪くなるのは辛い。
なまじ知らなかった方が良かったということがいっぱいあります。

 才能の世界、芸術やお笑い、スポーツの世界で、
一度でも頂点を極めた後で、落ちていく時の寂しさ、惨めさは、
頂点を極めてものでなければわからない辛さがあるのでしょう。

 「役者の狂気」、
 私にはわからないが、役柄になりきってしまい、
その世界に入り込んでしまう。
自分には才能があると思っているのに、それを否定されたり、
認められないと全人格を否定されたように、
感覚に陥るのでしょう。

 大竹しのぶは台詞を覚えるという感じがないそうです。
写真で映すように、台本を読み、台詞を覚えるそうです。
これは速読法でありそれを自然にやっている、まさに天才です。
舞台であがることはなく、逆に観客の反応が楽しみでわくわくするそうで、
何時間でも芝居をする元気があり、時間がたてば立つほど
エネルギーがわいてくるそうです。
彼女は天性の役者、きっとこの映画の
ブロードウェーの役者も大竹しのぶと同じようなものなのでしょう。
 

 

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