万能鑑定士Q

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<万能鑑定士Q>をDVDで見ましたが、
なかなか面白かったです。
殺人事件がなくても、ミステリーは十分いけると知りました。

 松岡圭佑原作の「万能鑑定士Q」シリーズの映画化です。
この作家の存在は今テレビでやっている、
北川景子主演の「探偵の探偵」によって知りました。
このドラマも面白く、毎回楽しみにしていますが、
探偵事務所に探偵を探偵する部署(対探偵課)が
あるという発想の意外性。
ドラマも単なる復讐ドラマかと思いきや
徐々に広がりと展開を見せ、さらに盲点をついた仕掛けもある。

 まず、謎の万能鑑定士(綾瀬はるか)のキャラクターが興味深い。
冒頭の、美術品盗難事件を未遂に終わらせる推理が見事、
探偵小説を読んでいるような、
シャーロックホームズばりの細かい推理、
これで引き込まれてしまう。
 
 謎の鑑定士、それも万能の鑑定士役を
綾瀬はるかが、ごく自然にかつ爽やかに演じている。
生まれてからの天才ではなく、普通の人間、
いや高校時代はどちらかと言えばバカだったのに……。
それが唯一興味のあった美術の鑑定の仕事に関わってから、
膨大な知識量と能力を発揮するようになる。
(スーパー速読法とか暗記法を身に着けた)
そんなばかなと思うが、
ひょっとすると、自分にもできるのではないかと
思わせてくれる所に親近感を感じる。

 モナリザは天才ダビンチの作品、
日本、いや世界で最も有名な絵画といってよい。
それだけにいろいろと謎を含んだ作品でもあり、
今回の映画で、一度盗難にあったことがあるとか、
ルーブルしか知らない、絵の裏側にある秘密のサインとか
瞳の奥に書かれたアルファベットとか、
初めての聞いた部分がいくつもあり楽しめた。

 美術品盗難事件を未遂に終わらせた推理が縁で、
万能鑑定士Qの店主莉子(綾瀬はるか)は、
モナリザが日本に公開展示されるための
臨時学芸員候補に推薦され、その試験のために
パリのルーブル美術館へ行く。
それに付き合うのが、できの悪い雑誌記者悠斗(松阪桃李)である。
このコンビの掛け合いも爽やかで良い。

 学芸員への登用には、ルーブル美術館で行われた
厳しい試験に合格する必要があり、
その試験に合格したのは、日本人では、彼女と美沙(初音映莉子)
の二人だけだった。

 贋作をみつけるには直感力を養うことが重要、
そんな特別訓練の後、彼女は鑑定不能となってしまう。
それはモナリザの瞳の奥にかかれたアルファベットのため、
果たして彼女は立ち直り、
大いなる陰謀を阻止することはできるのか?

 科学的、心理的理論に沿ったテクニック、
人を心理的にあやつるトリック、いくつもの巧妙にしかけられた罠、
それに知らずにはまっていく彼女、
そんな彼女を相棒の悠人が救う。

 

 

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