駆け込み女と駆け出し男

映画の目次へ 

 


 江戸時代、ろくでもな夫に愛想をつかし、
どうしても離婚したい女たちが
最後の手段として駆け込むのが、幕府公認の東慶寺でした。
その手助けをするのが、東慶寺前にある、御用宿柏屋で、
そこに居候する信次郎(大泉洋)は駆け込んだ女たちの事情を聞き、
彼女達の心のケアに尽力します。

 
 私は今「大泉洋」にはまっています。
そのきっかけは、映画「清須会議」での秀吉役の見事さからです。
その後、彼の主演の「探偵はバーにいる」のシリーズを
ビデオで見たりしていますが、
何よりもバライティ番組で全開の
彼の愛すべきキャラクターが大好きです。

 この映画を見ようと思ったのは、主演が大泉洋だったことと、
原作が井上ひさしの「東慶寺花だより」であったことからです。
さらにこの映画のタイトルの面白さ、
駆け込み女は当たり前としても、それにかけるように駆け出し男をもってきた
ところに、私の好きな「軽み」が感じられます。

 駆け込み寺(縁切り寺)の存在、それはすべて
江戸時代の男尊女卑、男の側からしか離縁が認められないことに
由来します。

 女性は離婚したいのに離婚できない、
この不合理な制度も体制側(江戸幕府)としては
権力を保持していくための手段で、決して譲ることのできないものでした。
でも、一切認めないわけではなく、
抜け道を用意しておく所が日本的な解決法だと思います。

これをネットで調べてみると、次のようなことが分かりました。

********
 縁切寺(えんきりでら)は、江戸時代において夫との離縁を望む妻が駆け込み、寺は夫に内済離縁(示談)を薦め、調停がうまく行かない場合は妻は寺入りとなり足掛け3年(実質満2年)経つと寺法にて離婚が成立する。寺入りした女は寺の勤めをするが尼僧になるわけではない。江戸幕府公認の縁切寺には鎌倉の東慶寺、群馬(旧、上野国新田郷)の満徳寺がある。駆込寺・駆け込み寺(かけこみでら)とも呼ばれる。
********
 

 

上に戻る