龍三と七人の子分たち

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 引退し家族と一緒に暮らしている龍三(藤竜也)は、
オレオレ詐欺に関わったことをきっかけに、
昔の仲間を呼び集め、一龍会を組織し、
暴走族上がりの犯罪組織に立ち向かって行く姿を
コメディタッチで描いた映画です。

 北野武監督で、予告編が面白かったので、期待して見に行きましたが、
予告編以上のものではありませんでした。
予告編に面白さのすべてがつまっていて、
全体はそれを水で薄めた感じで、
さらに途中からはストーリーが見えてきて、
やや退屈になってしまいました。

 「悪が悪を懲らしめる」ここに面白みがあります。
それも引退した老人の元やくざが集まって、
巨悪にいどみ、それを見事に粉砕する所が
見る側にスカッとした気分を与えるものです。

 オレオレ詐欺を懲らしめたり
老人への羽毛布団の押し売りで、その布団を取り上げたり
サラ金の取り立てに温情をかけたりと、
老人ヤクザのパワー炸裂として面白かったが……
(これらは予告編にあり)

 でも、それ以外の所で、元やくざの老人が一般の人を脅したり、
威張ったりするのはだめで、これは笑えません。

 風刺、パロディ、社会批判などが時々
感じられますが、それがあまりにもさりげなく目立たないものなので、
ニタッと2〜3度した程度のものでした。
 もう一ひねり二ひねりして、笑いをとってほしかったです。

 また、一緒に見に行った娘から、このシーンとこのシーンは
必要ないねといわれましたが、私も同感でした。
 

 

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