蜜のあわれ

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密のあわれ
h28.4.16(土) 名古屋ミリオン座 

 朔的には☆は3つ(60点)で、読書好きな人にはお勧めです。

<ネットより抜粋>
 詩や俳句、随筆などさまざまなジャンルの作品を残した作家・室生犀星が、
晩年の1959年に発表した会話のみで構成された
シュルレアリスム小説の古典を映画化したもの。

 自分のことを「あたい」と呼ぶ愛くるしい赤子と、
赤子から「おじさま」と呼ばれる老作家。
親子以上に年の離れた二人だが、とめどない会話を交わし、
夜になると体を寄せ合って寝るなど、仲睦まじく暮らしていた。
赤子はある時は女(ひと)、
ある時は真っ赤な金魚と姿を変えるが、
普通の人間には彼女の正体はまったくわからない。
そんな中、老作家の過去の女が幽霊となって現れた。
赤子役を二階堂ふみ、老作家役に大杉漣。
幽霊として登場する過去の女役を真木よう子が演じる。

*****
  <死と税金>は、誰も逃れることは出来ず、必ず払わされる。
という、芥川竜之介との会話が興味深かったです。
なるほど、上手いことをいうもので、
もっとも、税金の方は最近ではタックスヘイブンもあり、
必ずしもそうではないような気もしますが、
死(老いも)は誰にでも平等に来ます。

 室生犀星のような大作家でも、老いの寂しさと
死への恐怖は避けがたいものがあるわけです。
せっかく苦労して書いても、あの世へはもって行けない、
だから、なんにもならないと、その空しさを大いにぼやいていました。

 主演の二階堂ふみは、不思議な魅力をもった女優です。
絶世の美女でもないし、それほどのナイスバディでもない。
でも、不思議な色気、あやうさを持った女性です。

 この映画は、正直言ってつかみ所が無くて、
よく分からない映画でしたが、
映像美(特に赤色が)的には幻想的で綺麗でした。

 大作家のイマジネーション、想像力は常人の我々には
理解できないほど豊かで、途方もないものです。
なぜなら、飼っている金魚が、肉体を持った人間の女として現れ、
それと会話し交わっていく、でも他人からはその姿は見えません。

シン・ゴジラ [朔太郎]

 シン・ゴジラを阿久比のユナイテッドシネマで見ました。
朔的には☆は3つ半(70点)でおすすめです。

 今までのゴジラとは全く違う雰囲気のもので、
まさに新ゴジラです(*^_^*)。
私は怪獣ものとか、怪奇もの、SFものよりは
人間ドラマを描いた映画が好きですが、
今回はネットでの評判がものすごく良かったので、
その理由を探ろうと、あまり期待をせずに見に行ってきました。

 この感想を書いているのは、
北朝鮮が核実験をした日(9月9日)です。
テレビでは、最悪の事態についていろいろと
識者が話していますが、日本には核の脅威が現実のものとなったわけで、
不測の事態が起こらないことを祈るばかりです。

 危機管理は、首都直下型地震だけでなく、
戦争、核ミサイルなどの想定外のことに
どのように対応していくのかが、問題なわけで、
それを見事にこの映画は見せてくれました。
このことがこの映画の評価が高かったことの原因かと、私は思います。

 日頃は評判が悪く、
日和見主義の代表であるかに言われている官僚組織が、
この映画では英雄として描かれています。
スーパーマンやスパイダーマンのような、
ヒーローではなく、組織として、
それをまとめ、率いていくリーダーが英雄として
描かれています。

 この映画は、突然東京にゴジラという
巨大な殺人兵器が現れて、首都圏をパニック状態にします。
その危機管理のために、組織を立ち上げますが、
そのトップである大臣等の政治家は、
全く不甲斐ないものとして描かれ、
逆にそれを支える官僚の有能さ、勇気、決断、才能を
際だたせています。

 ここらあたりが、
今までのゴジラなどの怪獣映画との視点を違え、
それが新鮮に感じられました。

 それから、変な家族愛とか、夫婦愛などの
お涙頂戴的なエピソードを挟まず、
純粋にゴジラという得体の知らない
危機に対して、組織として立ち向かっていくという
形にしたことが、成功だったと私は思います。
 

 

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