レヴェナント

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レヴェナント 
h28.4.23(金) 阿久比ユナイテッドシネマ

朔的には☆は4つ(85点)で超お勧めです。
人間の原点、生きることの意味を深く考えさせてくれる作品です。

<ネットから抜粋>
 レオナルド・ディカプリオと、『バードマン』でアカデミー監督賞を受賞した、
イニャリトゥ監督がタッグを組んだ話題作。
 狩猟中に瀕死の重傷を負ったハンターが、
自分を荒野に置き去りにした仲間に復讐するため
壮絶なサバイバルを繰り広げるさまを描く。
 イニャリトゥは2度目の監督賞、
ディカプリオは5度目のノミネートにして初の主演男優賞。

 1823年、西部開拓時代のアメリカ北西部の原野、ハンターのグラス(レオナルド・ディカプリオ)は狩猟の最中に熊の襲撃を受けて瀕死の重傷を負うが、同行していた仲間のフィッツジェラルド(トム・ハーディ)に置き去りにされてしまう。かろうじて死のふちから生還したグラスは、息子を殺したフィッツジェラルドに復讐を果たすべく、大自然の猛威に立ち向かいながらおよそ300キロに及ぶ過酷な道のりを突き進んでいく。

 ロケ期間は9ヶ月に及んだ。撮影は極地で行われ、凍った川に入ったり、実際に生肉を食い、動物の死体の中で眠る等、過酷なものであった。

*****
 すさまじい映画を見ました。
主人公の生命力、生き抜く力は、
並大抵のものではなく、
常人には決して真似ることができないものです。

 なぜそのような生命力があったのか?
それは、息子を絶対に守っていこうという父としての決意であり、
それが叶えられなかった後は、息子を殺した男への復讐心が、
それを支えました。

 映画では主人公がどうして、先住民の妻をめとり、
混血の子を授かったのかは描かれていません。
でもあの時代で、この逆風だとしたら、
並大抵の苦労ではなかったことは想像できます。

 危険を冒して、先住民の支配する地域の中に
毛皮を取りに行くグループのガイド役が主人公の仕事。
それも息子を連れて……。

 彼の想像を絶する苦難から、
ぬくぬくとした今の自分の生活を考えさせられました。

 生きるとは何か?
それぞれの時代にはそれぞれの生き方があり、
たとえどんなに過酷な時代に生まれても、
それは受け入れて、精一杯生きていくしかありません。

 だから、主人公も決して特別なわけではなく、
その時代を生きていかなければならないから、
そうしたまででしょう。
でも、それにしてもすごい生命力です。
(奇跡的とも言えることだから、映画になるのですが……。)

 レヴェナントとは、死んだはずなのに、
奇跡的に蘇った人のことですが、
それはこの映画を見れば納得します。
まさに、奇跡的というか、それはないだろう(笑)という
シーンの連続でした。

 アメリカの西部開拓史については、あまりよく知りません。
ただ私が子供の頃は、西部劇がテレビで盛んに放送されていましたので、
その程度の知識です。
今はほとんど放送されのは、
あの頃の一方的な描き方、
白人が絶対の正義で、インディアンは野蛮で
悪人であるという決めつけへの反省もあるのでしょう。

 侵略する側と侵略され側、
その立場によって、正義は変わるものです。
でも私は当時のテレビの影響から、
白人が正義だと刷り込まれていた気がします。
でも、ほんとうにそうなのか?
そんなことも考えながらこの映画を見ました。

 ディカプリオは、この映画で
念願のアカデミー賞の主演男優賞を受賞しましたが、
まさにそれにふさわしい演技でした。
代表作の「タイタニック」でのハンサムな青年という
イメージが先行しますが、
彼はもともと、演技力のある俳優で、
私の記憶に残るは、
「ギルバートグレープ」(ジョニー・デップ主演)
で障害をもった主人公の弟役を演じた時のことです。
その役作りは半端でなく、障害者になりきって
映じていてすごいなあと思いました。

 それは今回の映画でも同じで、
彼の演技力を見るだけでも、
この映画をみる意味があると思います。

 この映画は、出演者がほとんど男だけの映画で、
描いているテーマも、男の世界のものですが、
生きるという根源的なことをテーマしているので、
女性の方にも共感できるものがあると思います。

 ただ女性の方に気をつけてもらいたいのは、
この映画がR15指定であることです。
ただそれは性表現のための指定ではなく、
手づかみで血にまみれて生肉を食べたり、
馬の内蔵をえぐり出し、その中に入って寒さを凌いだり、
熊との死闘のすさまじさのためです。
 

 

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