殿、利息でござる!
<ネットより抜粋>
原作は『武士の家計簿』の磯田道史による
「無私の日本人」の一編「穀田屋十三郎」である。
江戸中期、財政の逼迫した仙台藩が領民へ重税を課したことで
破産や夜逃げが続出し、小さな宿場町・吉岡宿は困窮し切っていた。
このままではダメだと考える商人・穀田屋十三郎(阿部サダヲ)と
同志たちは、藩に金を貸し付け毎年の利息を住民に配る
「宿場救済計画」を考えつく。
町の存続を図るため、前代未聞の金貸し事業を成功させるべく、
彼らは私財を投げ打ち……。
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5月17日(火)阿久比ユナイテッドシネマで見ました。
朔的には☆は3つ半(70点)で、
良い話を知って、さわやかな涙を流したい人にはお勧めです。
平日の午後なのに、老人を中心に結構な客数でした。
その中にちらほら若い女性がいたのは、
フィギュアスケート羽生結弦のフアンなのでしょう(*^_^*)。
阿部サダオの主演ということで、
軽いコメディタッチの時代劇を期待して見に行きました。
たまには映画館で笑うのもいいなあと思って、
だから感動で涙が出るとは、考えてもいませんでした。
感動したのは、人のため、町のために
滅私の気持ちで尽くす人の姿でした。
それも幾多の苦難を乗り越えて……。
おそらく私がそういうこと(人のために無私の心で尽くす)に
縁がないばかりか、ほど遠い存在だったから、
身にしみて感動したのだと思います。
江戸時代の話ですが、
現代の日本に置き換えることができる話でもあります。
格差の問題、弱い立場のものが損をする。
これは、今も変わらない事実です。
江戸幕府が国なら、各藩は県にあたります。
今のように税率が一律な日本を考えると、
(住民税は住む地域によって多少は異なりますが)
税金が藩ごとに大きく違ひ、
さらに同じ藩でも地域によって違う(吉岡宿は、税金の他、
伝馬という荷益も貸せられていた)のは理不尽です。
結局、藩主または藩の無駄遣いのつけが
農民の年貢へと跳ね返ってきます。
税金だからこそ、上が節約しないと、
農民はたまったものではありません。
これは東京の舛添知事とよく似た話です(^^;)。
今回の映画でも、伊達藩の藩主の官位を上げて、
薩摩藩の藩主に負けたくないという見栄から、
その付け届けとして、老中などへの
莫大な賄賂は必要であることが原因でした(^^;)。
ここを正さなければ何にも変わりません。
伊達藩主は羽生君が演じ、
とても、爽やかで聡明な名君として描いていましたが、
「諸悪の原因はおまえだろ」と、つっこみを入れたくなりました。
主君は何も知らない、周りの者が勝手に
やったことという、声も聞こえてきそうですが、
これもどこかの国の、よく聞く話です。
この映画では、知恵者と奇特な金持ち衆の働きで
何とか凌ぎましたが、
本来はそんなことをする必要もないことだとも思いました。
まあ、これが封建社会だと言ってしまえば、それまでですが。
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