母のこと

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 私の母は社交的で明るい性格の人でした。若い時は美人でしたし、年をとってからもおしゃれで若々しかったです。そんな母が大好きでした。見合いの世話を焼くのが好きで、近所や親戚中から見合い写真を預かって、いろいろな人に世話をしていました。仲人も何組をやっています。母がいると、座がにぎやかになると人気者でした。

 その母が、アルツになり生きる意欲をなくしました。昔のことを知っているだけに、そのギャップが悲しいです。人は何のために生きているのか?アルツは自分の名前さえわからない、それで生きていると言えるのか?体力の衰え、気力のなさで、寝てばかりいる母、一体何の楽しみで生きているのか?因果応報、今の哀れな姿が報いであるならば、どんな悪いことをしたというのか?そんなことを考えてしまいます。

 一番辛いのは、怒ってはいけないとわかっているのに、大きな声を出したり、知らぬ間に母を脅したり、じゃけんに扱っている自分を見た時です。夜中にでないのにトイレに頻繁にたち、眠られない時はそうなってしまいます。その時の自己嫌悪はたまりません。