今日は、私の初恋の話をします。実は私には２度初恋があります。変ですよね？昨日話した初恋は小学校の４年生の時です。そして、今回話すのが、初恋第２段でこれが真の初恋です。

　彼女は小学校の５年生の時の同級生です。名前をＫさんと言いました。頭のいい人で、クラスの副級長をしていました。（彼女とは、５、６そして中学の２，３年と一緒でした。）小柄で可愛く笑顔の素敵な人でした。私は頭のいい人が好きです。片思いで、彼女の名前を聞いただけで胸がときめきました。大学１年の時思い切って告白し交際が始まりました。

　大学１年の時ラブレターを書いて、ずっと好きだったという告白をし交際を求めました。彼女からはＯＫの返信がきたのですが、そこには、意に反して「ずっと尊敬していました。」という言葉が書かれていました。自分としては好きだったという言葉が欲しかったけど……。まあ、その内自分の力で尊敬を愛に変えてやると、そんな堅い決意をして交際に入りました。

　彼女は頭のいい、可愛い女性でしたが、大学には行かず（国公立を受けて失敗した。私学には行かせてもらえなかったみたいです。）郵便局に勤めていました。本当に真面目で、仕事、研修、それから習い事と多忙な人でした。私は大学生でしたので、時間は自由になり、もともと彼女のことが好きで仕方がなかったので、できるだけ頻繁に会いたかったです。

　でも、彼女には予定が一杯で時間がありません。（家庭が厳格で夜はほとんど会えなかった。）もう少し、融通してくれればいいと、いつも思っていました。（仕事を早めに切り上げるとか、習い事を休むとか、そういうことができない人だったんです。）彼女としては、ゆっくり時間を掛けて愛を育んでいきたいと思っていたのかもしれません。その頃の私はせっかちでした。

　私は、今でこそ人前で話すことに抵抗はないのですが、その頃は恥ずかしがり屋で口べたでした。特に女性の前に行くとからっきしだめだったんです。（今その頃に帰れたらといつも思います。もっともっと楽しい青春が過ごせたと思います。）

　何しろ初恋の人、それまでは彼女の名前を呼ぶだけで胸が高鳴り、頬が紅葉する、そんなあこがれの人です。まともな心理状態では会えず、いつもうまくリードできませんでした。会話がとぎれがちになり気まずい沈黙が訪れます。そんな時、彼女がもっと心を開いてくれたらなーと、思ったものです。でも今考えたら、自分の堅さが彼女に影響し、彼女の心を閉じさせていたと思います。

　結局、彼女とは４，５回映画を見たり、喫茶店で話した程度で終わりました。しかし、同級生なのでクラス会では時々会ったりはしていましたが……。しばらくして、同級生のＩ君（私も知っている人）と結婚しました。

　昨年の夏に中学校の同窓会に行きました。３５年ぶりです。人間は年をとっても面影はあるもので、仲の良かった友はすぐに分かり、話をする内に遠い昔に帰っていきました。そこで、久しぶりに彼女に会ったのですが、ちょっとがっかりしました。年を取ったなあ！と感じました。（自分もおジンになったことを棚に上げて……）今は少し後悔しています。初恋は初恋のまま、そっとしておけば良かったと……。そうすれば、心の中に住む彼女はあの頃のまま永遠に、素敵な姿でいたのに……。