兵士と王女の話

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 「ニューシネマパラダイス」の中での逸話です。

 昔、ある国の王様が国中の美女を集めて宴会を開いた。その警護にあたっている兵士が、王女に恋をした。そして、やっとの思いで王女に、自分の気持ちを打ちあける。王女は『100日間、自分の家のバルコニーの下で、待っていてくれたら、あなたのものになります』と言う。兵士は迷わずに実行した。苦しい毎日が続け、疲労で頬がやつれ、体が衰弱したが頑張った。しかし、突然99日目彼は、王女の前から姿を消した。

 なぜ兵士は王女の前から姿を消したかと、アルフレードはトトに聞く。答えられないトト……。

 久しぶりに会った、トトにアルフレードはその答を言う。『それは、約束の100日が経っても、王女が裏切り自分のものにならなかったら、兵士の立場がない。それよりも、100日経つのを、きっと王女は待っていたんだと思って、これからの人生を生きていきたいからだ』と……。これは、トトのエレナに対する気持ちと同じものだった。

 王女と兵士の物語のアルフレッドの答はそのようであったが、私は次のように考える。『愛は試すものではない』、約束の100日が経ち、結ばれてもそれは本当の愛といえるだろうか?それに兵士が気付いたからである。そして、本当の愛ならば、王女はエレナのように兵士のもとに行くはずだ。