ピーターの法則

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ピーターの法則

 みなさんは「ピーターの法則」をご存じでしょうか?
私は今から40年以上も前、大学生の頃に、この本を読みました。
日本語の題名は、「ピーターの法則(創造的無能のすすめ)」
だったと思います。

 詳しい内容は忘れてしまいましたが、
この本の主旨(自分がそうだと勝手に思いこんでいる
だけかもしれませんが……。)は、はっきりと覚えています。

 それを以下のようなものです。

1、能力主義の会社では、人は無能になるまで出世する。
2、ゆえに、会社では、無能な平社員は平社員のままに、
有能な平社員は無能な中間管理職に、
さらに有能な社員は無能な管理職へと出世し、
やがて、会社は無能な人間で埋め尽くされる。
3、会社の仕事は、まだ出世の余地があり、
無能レベルに達していない人によって成し遂げられる。

 そしてこの本から得た私の結論は、
「だから、自分の能力の限界までの出世を望まずに、
自分の能力を十分に発揮できる地位にとどまるために、
無能のふりをする(創造的な無能)ことが大事である。」
というものでしたが、
ただこの結論が正しいかどうかは自信がありません(^_^;)。

 この本を読んだのは1969年(19歳の時)で、
社会人として働く前のことですが、
この本から受けた衝撃は大きく、
その後ずっと「創造的な無能」という言葉は
頭の片隅に残っていました。

 もちろん、社会に出て働くようになれば、
この法則に添って、自分の能力を
自分でセーブして働くなんてことはできませんでした。
それどころか、組織人として、
ひたすら出世を目指して頑張ってきたような気がします。

 今は定年退職をし、再任用の身分で働いている
自分の仕事人生を振り返ってみると、
意識はしなくても、この法則が暗黙の内に成されたような気がします。

 組織人として、人並みに管理職をめざし、
頑張ってきましたが、なれませんでした。
でも、今となっては、負け惜しみではなく、
管理職にならなかったことを
つくづく良かったと思います。
それは自分の性分に合わないことだからです。
身の丈に合わないことは不幸の原因です。

 もし管理職になっていたら、
日々の仕事に苦悩し無能ぶりをさらす、自分の姿が目に浮かぶようです。
まさに、「人は無能になるまで出世する」です。

 もっとも、それは自分がそうしたわけではなくて、
そうなってしまっただけかもしれませんが……。