続悟りとは

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 今、スポーツジムに通っているのは、3年ばかり前に第5腰椎分離症という病気の手術のため3ヶ月入院したことがあり、そのリハビリをかねてです。その時は、6時間に及ぶ手術が成功し、事なきを得たのですが、一つ間違うと今頃は車椅子生活でした。その時感じたことは、普通に歩けることは、なんて幸せなことだということです。病院には、歩けない人や、痛みが走る人がいっぱいいましたし、自分も痛くてただ寝ている生活が続いたものですから、このただ歩くということがすごいことに感じていました。世の中には、人には見えない所で苦労している人がいっぱいいます。それを忘れないで生きていきたいものです。

 入院する前から、「積極的に前向きに生きる」という生き方が好きで、そういう関係の本を一杯読んでいました。気に入ったところがあるとテープに吹き込んで、仕事の行き帰りに聞くんです。そこに書いてある言葉は、何回も聞いていますし、自分が納得できる言葉ばかりなので、聞けばほぼその通りになり、前向きにも積極的にも心をコントール出来るんです。ですから、自分は心がコントロール出来るんだと考えていました。

 でも、7月のある日、突然朝起きると激痛が走り歩けなくなり、そのまま入院しました。痛くてたまらないのですが、時間だけは腐るほどある。そこで、暗くなる気持ちを何とか変えようと、妻にカセットを持ってきてもらい、それを病室で聴いていたんです。普段なら、自然に入っていく言葉が全然響いてきません。それどころか、聞くことすら嫌になりました。ですから、病院にいる間中、積極的で前向けな気持ちになれず、常に不安で心細かったです。

 平常時に、心のコントロールが出来ること。これは普通です。でも、異常時に心のコントロールが出来て、始めて意味があります。この時自分の弱さをつくづく感じました。