絵本通信31
vol.31(Sep.30th,2008)
 

ターシャ・テューダー展に行ってきました!
 
 私には尊敬する憧れの女性が何人かいます。彼女達に共通しているのは、年を重ねても好奇心を失わず、いつも前向きに生き生きと日々の暮らしを楽しんでいること。落ち込んだ時やつらい時、彼女達の書いたエッセイを読み、そこに書かれた言葉に何度救われたことでしょう。
 ターシャ・テューダーさんも、そんな憧れの女性の1人です。彼女は残念ながら今年6月、92歳で亡くなりましたが、今月大阪でターシャさんの展覧会があると知り、迷わず出かけてきました。

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 [1]   ターシャ・テューダー展
 日本では、NHKのテレビ番組で彼女の生活が紹介されてから、人気が出たようで、当日も展覧会場は平日の昼間だというのに、ものすごく混んでいました。年代的には、私より少し上くらいのおば様方が多く、改めてターシャさんの人気の高さに驚きました。彼女のことを全然知らなかったという方も、これを機会に本屋さんをのぞいてみて下さいね。ターシャさんのエッセイや写真集が沢山出ていますよ。では、まず軽く彼女の説明から。
 
 絵本作家ターシャ・テューダー。彼女はアメリカ、バーモント州の村で創作活動を続けつつ、広大な庭でガーデニングを楽しみ、生活のほとんどを手作りするという独自のライフスタイルを守ってきました。4人の子どもを育てつつ、100冊もの絵本を出版してきた彼女のパワーには、脱帽せざるをえません。
 
 展覧会では、ターシャさんが日常使っていた食器やキッチン用品、手作りの人形やドレスなどが展示され、その暮らしぶりが十分うかがえました。決して便利ではないけれど、心豊かな生活。ハードな庭仕事に加え、人形やキャンドル、料理やお菓子を手作りし、その上絵本の創作活動まで続けてきたターシャさん。彼女の日常を知るにつれ、1日24時間をこんなにも有効に使い、いろんなことをこなせるものかと驚嘆するばかり。展示を見ていると、ターシャさんのこんな声が聞こえてくるようでした。「人生は短いのよ。文句を言っている暇などないの。目の前にある幸せを、精一杯味わうことよ」
update:
2008/10/25

 [2]   『コーギビルのいちばん楽しい日』
 さて、絵本好きの私にとって、彼女の描くコーギー犬シリーズも、とても魅力的です。(ちなみに、私もターシャさんと同じく、コーギーを飼っているのです。その可愛さについては、また別の機会にお話しますね)ターシャさんはコーギーをこよなく愛し、実生活でもコーギーたちに囲まれて過ごしていたのですが、そのコーギーを主人公とした絵本の1冊、『コーギビルのいちばん楽しい日』の原画が手書き原稿とともに展示してありました。原画ならではの美しくて、繊細な色合いとタッチに感動!コーギーに惚れ込んだターシャさんだからこそ、描ける絵なのでしょう。登場するコーギーや動物たち、1匹1匹が擬人化され、本当にこの村が存在するかのように引き込まれます。しかも、この作品を発表したのが、なんと87歳の時と知ってびっくり!40代にして、「もう年だし、体力も落ちてきたから無理かも・・・・・」なんて弱気になっている私に、ビシッと活を入れてくれました。
 
 ターシャさんの本は絵本以外にも沢山出版されています。美しい庭やお花の写真を中心に、彼女の言葉を集めたエッセイも出ていますが、読むと元気と希望が湧いてくるので、おすすめですよ。
update:
2008/10/25

 [3]   展覧会のおみやげ
 展覧会の後は、おみやげコーナーへ。本日のお買い物は、ポストカード数枚、クリスマスのオーナメントになるジンジャークッキー(コーギー犬の形)、絵本『コーギビルのいちばん楽しい日』の英語版1冊、ノートと来年のカレンダーです。特にこのカレンダーは写真が圧倒的に美しくて、眺めているとターシャさんの世界にどっぷりひたれますよ。一般の書店でも売っているので、入手可能です。
 憧れの人から、沢山の刺激とパワーをもらって、幸せな気分につつまれた1日でした。
update:
2008/10/25



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