<名>[古]符[意]運、巡り合わせ。[例]単車じこけたんちや、おおごてぃならんじ、ふがよかったのぉ(オートバイで転んだんだって、おおごとにならなくて運が良かったねえ)。
【邦訳日葡辞書】「フ」運、あるいは、めぐりあわせ。


ふ <名>[意]半翅目カメムシ科の甲虫の総称、「ふんむし」とも。国内には約90種がある。地方によって、クサガメ、ヘッピリムシ、ヘコキムシなどの名がある。

ふいきん 
<名>[意]布巾。食卓などを拭く布。台布巾。
【邦訳日葡辞書】「フイキン」御器や食卓(膳)などを拭く布

ふう
 
<名>[意]機嫌。[例]ふうがわりいごたるが、腹でんへったんか(機嫌が悪いようだけれど、お腹でもすいたのか)。

ふうつら 
<名>[意]不機嫌な顔。ふくれっ面。[意]なんかいや、すぐ、ふうつらしち(何か言えば、すぐにふくれっ面をして)。
 ※清川・邦友さん


ふうばる 
<動・五>[意]その日のうちに仕事をしきれない状態。
 〔未〕ふうばらん [意]余裕がある。
 〔仮〕ふうばら [意]余裕がなくなれば。
 ※清川・康晴さん


ぶうせん 
<名>[意]雑草が伸び放題に伸びている様、藪。「ぶうちぇん」に同じ。

ふうたらぬきい 
<形>[意]ひどくぼんやりとした。のんびりとした。動作が遅い。「ふうたぬきい」とも。
 〔用〕ふうたらぬくうなる [意]のんびりとなる。
 〔仮〕ふうたらぬくから [意]ぼんやりとしていれば。


ぶうちぇん 
<名>[意]雑草が伸び放題になっている様、藪。「ぶうせん」に同じ。[例]やんがち盆じゃに、庭いぶうちぇんのまんまじゃ(もうすぐお盆なのに、庭が草ぼうぼうのままだ))。

ぶえん 
<名>無塩[意]塩干物の反対語。塩を用いていないことから、新鮮な魚類を指す。
【邦訳日葡辞書】「ブエン」魚などで塩の付けていない新鮮なもの


ふがいい
 <句>符が良い[意]主に、いい気味だという場合に使う。[例]おおけんこついよったが、へまちごうたちゅうじゃあねえか、ふがいいのお(大口をたたいていたが、しくじったんだって?いい気味だなあ)。

ぶく 
<名>[意]ねんねこ。
 ※緒方・みっこさ


ふくましい 
<形>[意]お腹が張る様子。
 〔用〕ふくましゅうなる [意]お腹が張ってくる。
 〔仮〕ふくましから [意]お腹が張っていれば。
 ※緒方出身・hataさん


ふくるる 
<動・中三>[意]膨張するという意味の「膨れる」と、ふくれっ面をするという意味の「ふくれる」がある。いずれも標準語では下一段活用だが、大分では下二段活用となる。ただし、命令形が「ふくりい」となるので中三段活用である。
 〔未〕ふくれん [意]ふくれない。[例]すぐに、ふくれんの(すぐに、ふくれないの)。
 〔未〕ふくりゅう [意]ふくれよう。
 〔仮〕ふくるら [意]ふくれれば。


ぶげんしゃ 
<名>[意]物持ち。裕福な家の主。辞書に載る言葉だが、標準語で日常的に使われることは稀になっている。
【邦訳日葡辞書】「ブゲンシャ」富裕な人


ぶずう 
<名>[意]硬い殻に包まれた木の実。[例]茶園ぶずう(茶の実)。どんぐりぶずう(どんぐりの実)。かたしぶずう(椿の実)。
 ※緒方出身・HIROさん


ふすぼる 
<動・五>[古]燻(ふす)ぼる。燻ぶるの変形。[意]@煙が立ち込めている。[例]たきもんがしけっちょったごたる、けむりんじょうでち、家んなかい、ふすぼっちしもうた(薪が湿気っていたらしい、煙ばかり出て家の中が煙ってしまった)。Aすすけて黒ずむ。[例]おまえんかおは、ふすぼっちょるど(お前の顔は、すすけているよ)。
 〔未〕ふすぼらん [意]すすけて黒ずまない。
 〔仮〕ふすぼら [意]すすけて黒ずめば。
【邦訳日葡辞書】「フスボル」燻る

ふする 
<動・中三>[意]衣類を繕う、補修する。命令形は「ふしい」となるので、大分独特の下二段活用の変形「中三段活用」である。
 〔未〕ふせん
 [意]繕わない。
 〔未〕ふしゅう [意]繕おう。[例]いまんなかめえ、ふしゅう(今のうちに繕おう)。
 〔仮〕ふすら [意]繕えば。
 ※清川出身・和弘さん
【邦訳日葡辞書】「フスル」つぎを当てる


ふちい 
<形>[意]「ふてぃ」に同じ。@大きい。[例]えれ、ふちいのお(随分大きいなあ)。A大胆な。[例]ふちいこつぅすんのお(大胆なことをするなあ)。
 〔用〕ふつうなる [意]大きくなる。[例]どこまじふつうなるんじゃろうか(どこまで育つんだろうか)。
 〔仮〕ふつから [意]大きければ。
 ※緒方・みっこさ。


ぶち 
<名>[古]鞭(ぶち)[意]鞭(むち)。[例]ねぶち(根鞭)。

ぶと <名>[意]双翅目ブユ科の総称、蚋(ぶゆ)。

ふとらかす 
<動・五>[意]成長させる。
 〔未〕ふとらかさん [意]成長させない。
 〔用〕ふとらけえた [意]成長させた。[例]なんでんくわせち、ふとらけえたんじゃ(何でも食わせて大きくしたんだ)。
 〔仮〕ふとらかさ [意]成長させれば。
【邦訳日葡辞書】「フトラカス」人間や獣などを肥え太らせる、成長させる


ふとる
 
<動・五>太る[意]成長する。大分では「肥満する」は「肥(こ)ゆる」を使う。[例]よそんこは、ふとるのがはええなあ(よその子は、成長するのが早いですねえ)。
 〔未〕ふとらん [意]成長しない。[例]あんまれ、ふとらんかったのお(あまり成長しなかったなあ)。
 〔仮〕ふとら [意]成長すれば。
【邦訳日葡辞書】「フトル」太くなる、または、成長する。

ふな <接続>[意]それなら。[例]ふなの(それならね)。ふな、そげえしゅうか(それなら、そういう風にしようか)。
 ※竹田・水瀬さん


ふみたくじる 
<動・五>[意]踏みにじる。
 〔未〕ふみたくじらん [意]踏みにじらない。
 〔仮〕ふみたくじら [意]踏みにじれば。
 ※緒方・みっこさ


ふやかす 
<動・五>[意]標準語とは活用が一部異なる。
 〔未〕ふやかさん [意]ふやかさない。
 〔用〕ふやけえた [意]ふやかした。
 〔仮〕ふやかさ [意]ふやかせば。


ふやくる 
<動・中三>[意]ふやける。大分独特の中三段活用である。
 〔未〕ふやけん [意]ふやけない。[例]なかなか、ふやけんのう(なかなか、ふやけないなあ)。
 〔未〕ふやきゅう [意]ふやけよう。[例]なん、じきぃ、ふやきゅうで(なに、すぐにふやけるだろうよ)。
 〔仮〕ふやくら [意]ふやければ。


ふゆる 
<動・中三>[意]増える。標準語では下一段活用だが大分では下二段活用となる。ただし命令形が「ふいい」となることから正確には中三段活用である。
 〔未〕ふえん [意]増えない。
 〔未〕ふゆう [意]増えよう。
 〔仮〕ふゆら [意]増えれば。


ぶらさぐる 
<動・中三>[意]ぶら下げる。命令形は「ぶらさぎい」となるので、大分独特の変形下二段活用「中三段活用」である。
 〔未〕ぶらさげん [意]ぶら下げない。
 〔未〕ぶらさぎゅう [意]ぶら下げよう。[例]そき、ぶらさぎゅう(そこに、ぶら下げよう)。
 〔仮〕ぶらさぐら [意]ぶら下げれば。


ふらふうけえねえ
 
<形>[意]とめどなく、だらだらとした様。[例]もう昼で、いつまじ、ふらふうけえねえ、ねちょんのな(もう昼だよ、いつまで止め処なく眠っているんですか)。

ふりくりまわす <動・五>[意]振り回す。[例]剣道ちゃ、竹刀ふりくりまわすだけじゃねんど(剣道とは、竹刀を振り回すだけじゃないんだぞ)。
 〔未〕ふりくりまわさん [意]振り回さない。
 〔用〕ふりくりまええた [意]振り回した。[例]おずうじ、てを、ふりくりまええたんじゃ(怖くて手を振り回したんだ)。
 〔仮〕ふりくりまわさ [意]振り回せば。

ぶるる <動・中三>[意]ぶれる。命令形は「ぶりい」となるので、大分独特の変形下二段活用「中三段活用」である。
 〔未〕ぶれん [意]ぶれない。
 〔未〕ぶりゅう [意]ぶれよう。
 〔仮〕ぶるら [意]ぶれれば。


ふればん 
<名>触れ番、布令番[意]@隣保班や地区の連絡役を務める人。A口軽く言いふらす癖のある人。
 ※緒方・みっこさ


ぶんずう 
<名>[意]丸くて固い物を指す。<類>ぎぼ
 ※清川・邦友さん


ふんと
 
<副>[意]本当。[例]ふんとかや、あんやつが試験にうかったた(本当だろうか、あいつが試験に合格したとは)。

ふんなり 
<連語>[意]それでは。簡略化されて「んなり」「なり」と使われることもある。[例]ふんなり(じゃあまたね)。

ふんむし <名>[意]カメムシ。「ふ」とも言う。
 ※緒方・入道さん

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