のいちょくれ <句>[意]どいてください。[例]わりぃけんど、とおられんきぃ、そくぅ、のいちょくれ(悪いんですが、通れないから、そこを退いてください)。

のいて 
<句>[意]退いて。[例]ちょっと、そっかり、のいて(ちょっと、そこからどいて)。

のうな
 
<副>[意]変な、奇妙な。[例]おまや、そげな、のうな、なりゅうしち、しごてぃ行くんか(お前は、そんな変な格好で仕事に行くのか)。

のうならかす <動>[意]失くす。[例]財布ぅ、のうならかしたごたる(財布を失くしたようだ)。
 〔未〕のうならかさん [意]失くさない。
 〔用〕のうならけえた [意]失くした。
 〔仮〕のうならかさ [意]失くせば。

のうなる <動・五>[意]無くなる。亡くなる。[例]金がどっとんのうなる(お金が、どんどんなくなる)。
 〔未〕のうならん [意]なくならない。
 〔未〕のうなろう [意]なくなろう。
 〔仮〕のうなら [意]なくなれば。

のえ <感>[意]語尾につけて、念押しあるいは強調の意味を持たせる。同等もしくは目下の相手に対して使われる。「のや」に同じ。[例]おれいのえ、くそおきりよったらのえ、まへびがでちのえ(俺がね、草を切っていたらね、マムシが出てね)。

のお
 
<感>[意]@呼びかける際に使う。「なあ」に同じだが、ややぞんざいな言い方[例]のお、こおてんいいかのお?(なあ、買っても良いかなあ?)A第三者に同意を求める際に使う[例]そら違うど、のお(それは違うぞ、なあ)

のおえ 
<感>[意]同等もしくは目下の相手に同意を求める際に使われる。「そうだよね」。「のや」に同じ。女性言葉では「なあえ」。[例]おれじゃねえちゃ、のうえ(おれじゃないってば、ねえ)。

のく <動・五>[古]退く[意]どく。[例]ちょっと、のいて(ちょっと、どいて)<参>古語「退く」には「しりぞく」「どく」「立ち去る」の意があり、大分弁とまったく同じ。
 〔未〕のかん [意]どかない。
 〔用〕のいた [意]どいた。
 〔仮〕のか [意]どけば。
 〔命〕のけ、のきよ [意]どけ。[例]そくぅ、のけ(そこを、どけ)。

のくる <動>[意]どける。命令形は「のきい」となるので、大分独特の下二段活用の変形「中三段活用」である。[例]こん、ごみゅう、のくるき、かっせちょくれ(このゴミをどけるので、手伝っておくれ)。
 〔未〕のけん [意]どけない。
 〔未〕のきゅう [意]どけよう。
 〔仮〕のくら [意]どければ。
 〔命〕のきい、のけよ [意]どけろ。[例]そん、いしゅう、のきい(その石をどけろ)。


のこぎん 
<名>農耕着ん?[意]野良仕事の際に着る短着で、男女を問わず用いた。木綿や麻で織られ、黒や紺といった濃い色合いのものが多かった。
 ※『緒方町誌』


のさる 
<動・五>[意]恵まれている。ついている。[例]ことしゃあ、のさるといいなあ(今年は恵まれるといいねえ)。
 〔未〕のさらん [意]恵まれない。
 〔用〕のさった [意]あんしゃ、のさっちょるなあ、たからくじい、あたったんと(あの人はついているねえ、宝くじに当たったんだって)。
 〔仮〕のさら [意]恵まれれば。
 ※『宮城 おらが村ん方言 がまだす』、竹田出身・水瀬さん

のしろがん(のうしろがん) 
<名>[意]田植えの準備のために苗代を作る時期に冷え込むこと。「苗代寒」が語源か。
 ※緒方・みっこさ


のする 
<動・中三>[意]乗せる、載せる。標準語では下一段活用だが大分では下二段活用となる。ただし命令形が「のしい」となるので正確には中三段活用である。
 〔未〕のせん [意]のせない。
 〔未〕のしゅう [意]のせよう。
 〔仮〕のすら [意]のせれば。
 〔命〕のしい [意]のせろ。
【邦訳日葡辞書】「ノスル」乗、載。船、あるいは、馬に乗らせる。


のだれ 
<名>[意]カメムシ目(半翅目)のアブラムシ上科に属する昆虫の総称、別名アリマキ

のっき(のっきぃ) 
<連語>[意]最初から。標準語では「のっけから」。[例]のっきぃ、なにゅう言うんかち思うたら(最初から何を言うのかと思ったら)。
 ※清川・ひろさん


のっちあるく 
<句>[意]車や自転車に乗って出歩くこと。[例]おいさんな、また車にのっちあるきよる(おじさんが、また車に乗って出歩いている)。
 ※緒方・入道さん

〜のど
 
<連語>[意]〜だぞ。[例]いゆう、でるときゃ、かぎゅう、かくんのど(家を出る時は、鍵をかけるんだぞ)。

のどぅほる <句>[意]声を荒らげる。むきになって大きな声を出す。[例]そげえ、のどぅほっちいわんでん、よかろうが(そんなにむきになって大声を出さなくても良いだろう)。

のびあがる 
<動・五>[意]つま先立ちする。
 〔未〕のびあがらん [意]つま先立ちをしない。
 〔仮〕のびあがら [意]つま先立ちすれば。


のぶ 
<動・五>[古]延ぶ、伸ぶ[意]時間的、空間的に長くなる。[例]背が伸ぶ(背が伸びる)。
 〔未〕のばん [意]のびない。[例]せいが、なかなか、のばんのお(背がなかなか伸びないなあ)。
 〔未〕のぼう [意]のびよう。[例]そんうち、のぼうで(そのうちに伸びようよ)。
 〔用〕のんだ [意]のびた。[例]あんがい、せいが、のんだ(案外、背が伸びた)。
 〔仮〕のば [意]のびれば。[例]こんまんま、のば、かもいにとどくで(このまま伸びれば鴨居に届くよ)。
 〔命〕のべ [意]のびろ。[例]どっとん、のべ(どんどん伸びろ)。

のむ <動・五>[意]飲む。標準語とは活用が一部異なる。
 〔未〕のまん [意]飲まない。
 〔用〕ぬうだ [意]飲んだ。大分ではウ音便となる。[例]よんべは、よう、ぬうだのお(昨夜はよく飲んだねえ)。
 〔仮〕のま、のみゃ [意]飲めば。


のや 
<感>[意]相手に「なあ、おい」と同意を求める際に使う。「のえ」に同じ。
 ※緒方・みっこさ


のらする
 <動・中三>[意]乗り物や物に、人や他の物を乗せる。乗らせる。命令形は「のらしい」となるので、大分独特の変形下二段活用である中三段活用。
 〔未〕のらせん [意]乗らせる。
 〔未〕のらしゅう [意]乗らせよう。
 〔仮〕のらすら [意]乗らせれば。

戻る