ぬ <連語>〜ん・う[意]標準語の「を」。最後が「ん」で終わる言葉に続く格助詞「う」は「ん」と連音して「ぬ」となるが、その場合でも「ん」は残る[例]風呂んたっくちん、ばん、しちょいちくれなあ(風呂の焚き口の見張りをしておいてください)。

ぬかご <名>糠子[意]双翅目ヌカカ科の昆虫の総称。糠蚊の異称。
 ※緒方・入道さん


ぬかる
 
<動・五>[意]刺さる。[例]あいたのお、あしぃ、くぎがぬかった(しまった、足に釘が刺さったよ)。
 〔未〕ぬからん [意]刺さらない。
 〔仮〕ささら [意]刺されば。
【邦訳日葡辞書】「ヌカル」刀、槍などで、一方の側から他方の側へ貫き通される。


ぬき 
<名>[意]トンネル。
 ※緒方・入道さん


ぬきい
 
<形>[意]温かい。暖かい。[例]きにょうはさむかったけんど、きょうは、ぬきいなあ(昨日は寒かったけれど、今日は温かいね)。
 〔用〕ぬくう、ぬく [意]あたたかく。[例]だんだん、ぬくうなるなあ(だんだん、温かくなるねえ)。ぬくなったろ(暖かくなっただろ)。
 〔仮〕ぬくから [意]あたたかければ。


ぬくむる 
<動・中三>[意]温める。暖める。
 〔未〕ぬくめん [意]あたためない。
 〔未〕ぬくみゅう [意]あたためよう。[例]みそしるう、ぬくみゅうか(味噌汁を温めようか)。
 〔仮〕ぬくむら [意]あたためれば。
 〔命〕ぬくみい [意]あたためろ。
【邦訳日葡辞書】「ヌクムル」温むる。暖める。


ぬくめめし 
<名>[意]冷や飯を温めなおしたもの。
 ※緒方・入道さん


ぬくもる 
<動・五>[意]温まる、暖まる。
 〔未〕ぬくもらん [意]あたたまらない。
 〔仮〕ぬくもら [意]あたたまれば。


ぬくる 
<動・中三>[意]抜ける。命令形が「ぬきい」となるので、大分独特の変形下二段活用「中三段活用」である。
 〔未〕ぬけん [意]抜けない。
 〔未〕ぬきゅう [意]抜けよう。[例]おらあ、もう、ぬきゅうちおもうちょる(俺はもう抜けようと思っている)。
 〔仮〕ぬくら [意]抜ければ。
【邦訳日葡辞書】「ヌクル」抜ける。


ぬぐ 
<動・五>[意]脱ぐ。標準語とは活用が一部異なる。
 〔未〕ぬがん [意]脱がない。
 〔仮〕ぬが [意]脱げば。[例]うわぎゅう、ぬが、いいに(上着を脱げばいいのに)。


ぬぐる 
<動・中三>[意]脱げる。命令形は「ぬぎい」となるので、大分独特の変形下二段活用「中三段活用」である。
 〔未〕ぬげん [意]脱げない。
 〔未〕ぬぎゅう [意]脱げよう。
 〔仮〕ぬぐら [意]脱げれば。


ぬしとえり 
<名>盗人襟[意]上着やシャツなどの襟が内側に折れ曲がっていること。

ぬしゃ
 
<句>主・は[意]お前は。[例]ぬしゃ、そこじ、なぬしよんのか(お前は、そこで何をしているのか)。
【邦訳日葡辞書】「ヌシ」主。身分の低い者に対していう語で、お前、そなたの意。

ぬじる <動・五>[意]塗りつける。汚れた手を服にこすりつけて綺麗にすること。
 〔未〕ぬじらん [意]塗りつけない。
 〔仮〕ぬじら [意]塗りつければ。。

ぬじりつくる <動・中三>[意]こするように塗りたくる。擦りつける。命令形は「ぬじりつきい」となるので、大分独特の下二段活用の変形「中三段活用」である。
 〔未〕ぬじりつけん [意]擦りつけない。
 〔未〕ぬじりつきゅう [意]擦りつけよう。
 〔仮〕ぬじるつくら [意]擦りつければ。


ぬたくる 
<動・五>[意]塗りつける。
 〔未〕ぬたくらん [意]塗りつけない。
 〔仮〕ぬたくら [意]塗りつければ。


ぬっくち 
<名>[意]トンネルの出入り口付近。
 ※緒方・入道さん


ぬりい
 
<形>[意]@ぬるい。湯の温度が高くない。[例]よい、ふろぁ、まだ、ぬりいがのお(おい、風呂はまだぬるいぞ)。A(足や動作が)遅い、のろい。[例]アンカーに、あげな、あしん、ぬりい、やたぁ、わりいわ(アンカーに、あんな足の、のろい奴は駄目だよ)。
 〔用〕ぬるう [意]@ぬるく。Aのろく。
 〔仮〕ぬるから [意]@ぬるければ。Aのろければ。

ぬるる <動・中三>[意]濡れる。命令形は「ぬりい」となるので、大分独特の変形下二段活用「中三段活用」である。
 〔未〕ぬれん [意]濡れない。
 〔未〕ぬりゅう [意]濡れよう。
 〔仮〕ぬるら [意]濡れれば。
【邦訳日葡辞書】「ヌルル」濡れる。


ぬれっと
 
<副>[意]つかみどころのない、無表情な様。[例]ぬれっと、しちょる(ぼおっとしている)。
                               

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