そいじ <接>[意]それで。[例]そいじ、おまや、いまかり、どげえするんな(それで、お前は、今からどうするんだ)。

ぞうじ <名>[意]野菜一般のこと。
【邦訳日葡辞書】「ザゥジ」大根や茄子などのような蔬菜。


そうちゃあ
 
<句>[意]そうだよ。[例]はよ、雨ぃやまんかのお。そうちゃあなあ(早く雨が上がらないかなあ。そうだよねえ)。

ぞうみず <名>[意]米のとぎ汁や台所の洗い物で出た水。昔は洗剤などなかったので、捨てずに藁や草などと一緒に牛馬にやった。「ザ行」と「ダ行」が混同しやすい大分弁の特性から「どうみず」と発音されることもある。
 ※清川・千枝さん。


そきぃ <連>そこ・に[意]そこに。[例]そきぃあんのが、そうじゃあねんな(そこにあるのが、そうじゃないの)。

そげえ
 
<形動>[意]そのように、そんな風に。[例]そげえ、いうなちゃ(そんなふうに言わないでって)。

そげえある <句>[意]「そげなこつじゃろなあ(そんなことだろうねえ)」の簡略形。相手の言葉に対する同意を表すが、心からの気持ちではなく、上辺だけのことが多い。「じゃあじゃあ」に同じ。
 ※別府出身・松崎菊也さん


そげな <形動>[意]そんな。「そげん」に同じ。[例]そげなこつう、いうもんがあるもんか(そんなことを言う人がいるものか)。

そげなん 
<連語>[意]そんなもの。[例]そげなんじゃねえ(そんなものじゃない)。

そげん
 
<形動>[意]そのような。「そげな」に同じ。[例]そげんこたぁ、知ったこっちゃねえわ(そんなことは知ったことではないよ)。

そげんこつ <句>[意]そんなこと。[例]なんな、そげんこつなり、まっと、はよいわ、よかった(なんだ、そんなことなら、もっと早く言えば良かった)。

そげんこげん <連語>[意]そんなこんな。[例]そげんこげんじ、さっぱりいかれんじゃった(そんなこんなで、どうにも駄目だった)。
 ※清川出身・三鷹んあんちゃん


そこらそんげ 
<副>[意]そこらじゅう、そこかしこ。

そそまくじり 
<名>[意]大雑把。あらまし。適当。[例]片付けちょいてち言うちょいたにから、そそまくじりにしち、もうどっか出ちょうわあ(片づけておいてと言っておいたのに、適当にして、もうどこかに出かけているよ)。
 ※竹田出身・水瀬さん


そだつ 
<動・五>[意]育つ。標準語とは活用が一部異なる
 〔未〕そだたん [意]育たない。[例]なかなか、そだたん(なかなか育たない)。
 〔仮〕そだた [意]育てば。[例]そだた、いいがなあ(育てば良いがねえ)。

そだつる <動・中三>[意]育てる。標準語では下一段活用だが、大分では命令形が「そだちい」となるので、下二段活用の変形の中三段活用である。
 〔未〕そだてん [意]育てない。[例]おやねこい、そだてんのじゃわ(親猫が育てないんだよ)。
 〔未〕そだちゅう [意]育てよう。[例]なり、おれい、そだちゅう(なら俺が育てよう)。
 〔仮〕そだつら [意]育てれば。[例]うん、そだつら、いいわ(うん、育てればいいよ)。
 〔命〕そだちい、そだてよ [意]育てろ。[例]ちゃんと、そだちいや(ちゃんと育てろよ)。
【邦訳日葡辞書】「ソダツル」育てる。


そっここ
 
<名>[意]@あちこち。[例]そっここ、ちらかしちあるきなんな(あちこち、散らかして回らないで)A適当に。[例]ひとぃくるちゅうきぃ、そっここじいいき、そうじしちょきなあ(人が来るそうだから、適当で良いから掃除をしておきなさい)。

そづる 
<動・五>[意]擦れる。擦り切れる。引きずることで物が傷むこと。[例]はんだいを、かかえちはこばな、たたみがそづるが(飯台を抱えて運ばないと、畳が擦れるよ)。
 〔未〕そづらん [意]擦り切れない。[例]たたみが、そづらんごと、かかえちはこべ(畳が擦り切れないよう抱えて運べ)。
 〔仮〕そづら [意]擦り切れれば。[例]たたみが、そづら、わりい(畳が擦り切れればいけない)。
 ※『おらが村ん方言 がまだす』、竹田出身・水瀬さん、荻・はらよしえさん


そなゆる 
<動・中三>[意]神社や神棚、仏壇、墓前などに花や果物などを供える。命令形は「そないい」となるので、大分独特の変形下二段活用の中三段活用である。
 〔未〕そなえん [意]供えない。[例]もろうた、もちゅう、ぶったんに、そなえんとな(もらった餅を仏壇に供えないとね)。
 〔未〕そなゆう [意]供えよう。[例]いまかり、そなゆう(今から供えよう)。
 〔仮〕そなゆら [意]供えれば。[例]そなゆら、いいわ(供えればいいよ)。
 〔命〕そないい [意]供えろ。[例]おまえい、そないい(お前が供えろ)。
【邦訳日葡辞書】「ソナユル」何か物を貴人や仏などの前に差し上げる、あるいは、供える。


そのよに 
<句>[意]そんなに、そんな風に。[例]また、そのよにのんじ、また、あしなさふつかよいじおけきらんでん、しらんで(また、そんなに飲んで、また明日の朝、二日酔いで起きられなくても知らないよ)。

そむる 
<動・中三>[意]染める。命令形は「そみい」となるので、大分独特の変形下二段活用「中三段活用」である。
 〔未〕そめん [意]染めない。[例]それあ、そめんでんいい(それは染めなくていい)。
 〔未〕そみゅう [意]染めよう。〔例〕どしちえ、そみゅうえ(なぜ、染めようよ)。
 〔仮〕そむら [意]染めれば。[例]いまかり、そむら、おそなる(今から染めれば遅くなる)。
 〔命〕そみい [意]染めろ。[例]したから、そみい(したければ、染めろ)。
【邦訳日葡辞書】「ソムル」染色する。


そもにちょる 
<句>[意]どことなく似ている。
 ※緒方・入道さん


そゆる 
<動・中三>[意]添える。標準語では下一段活用だが、大分では下二段活用となる。ただし、命令形が「そいい」となるので、正確に言うと中三段活用である。
 〔未〕そえん [意]添えない。[例]なんか、そえんとわりい(何かを添えないといけない)。
 〔未〕そゆう [意]添えよう。[例]なにゅう、そゆうか(何を添えようか)。
 〔仮〕そゆら [意]添えれば。[例]こるぅ、そゆら、どうじゃろうか(これを添えればどうだろうか)。
【邦訳日葡辞書】「ソユル」添える。


そりゅう <連語>それ・を[意]それを。大分では格助詞「を」の代わりに「う」を使う。「そるう」に同じ。[例]そりゅう、どげえするんな(それをどうするの)。

そるぅ
 
<連語>それ・を[意]それを。「そりゅう」に同じ。[例]そるう、わしぃ、くりい(それを、私にくれ)。

そるる 
<動・中三>[意]逸れる。命令形は「そりい」となるので、大分独特の変形下二段活用「中三段活用」である。
 〔未〕それん [意]逸れない。[例]たいふうは、それんじゃろうか(台風は逸れないだろうか)。
 〔未〕そりゅう [意]逸れよう。[例]いまんままなり、なんとかそりゅうで(今のままなら、なんとか逸れるだろうよ)。
 〔仮〕そるら [意]逸れれば。[例]うまいこと、そるらいいがなあ(うまく逸れたらいいねえ)。
 〔命〕そりい [意]逸れろ。[例]そんまんま、そりい(そのまま逸れろ)。


それじのうでん 
<句>[意]それでなくても。「それでんのうでん」に同じ。「のうでん」の「なくても」の意味で、大分では「なくなる」は「のうなる」、「なくす」は「のうならかす」と言う。「でん」は「でも」。[例]それじのうでん、しょわしいに、いらんこつぅさすんな(それでなくても忙しいのに、余計なことをさせるな)。

それでんのうでん 
<句>[意]それでなくても。「それじのうでん」に同じ。
 ※清川出身・三鷹んあんちゃん


そろゆる 
<動・中三>[意]履物などの物を縦、あるいは横の線に沿って合わせること。同じ種類の物など一揃いを集める。命令形は「そろいい」で、大分独特の変形下二段活用の中三段活用である。
 〔未〕そろえん [意]揃えない。[例]そろえんと、おこらるるで(揃えないと怒られるよ)。
 〔未〕そろゆう [意]揃えよう。[例]はよ、そろゆうえ(早く揃えようよ)。
 〔仮〕そろゆら [意]揃えれば。[例]そろゆら、いんじゃろ(揃えればいいんだろう)。
 〔命〕そろいい [意]揃えろ。[例]そうじゃあ、はよ、そろいい(そうだよ、早く揃えろ)。
【邦訳日葡辞書】「ソロユル」同類のものを集める、あるいは、並べる。

それぎり <句>[意]それっきり。[意]あんやた、ふくれちでちいったまんま、それぎりじゃ(あいつは怒って出ていったまま、それっきりだよ)。


そん 
<連体詞>[意]その。[例]そんいしゅう、どけちょくれ(その石を、どけてください)

そんくれ 
<句>[意]そのくらい。[例]そんくれ、すぐでくるじゃろう(それくらい、すぐにできるだろう)。

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