てえてえに <副>[意]徐々に。次第に。だんだんと。[例]味がてえてえにしゅんじきよる(味がだんだんとしみてきている)。
 ※清川・浩康さん


てがる 
<動・五>[意]ひもなどで縛る、束にする。[例]ばいらを集めたら、そきある、なわじてがるんじゃ(柴を集めたら、そこにある縄で縛って束にするんだ)。
 ※緒方・入道さん


でくる
 
<動・中三>[意]出来る。標準語では上一段活用だが、大分では独特の下二段活用の変形「中三段活用」で、命令形は「できい」である。[例]あんこぁ、勉強ぃ、ようでくるんと(あの子は勉強が良く出来るんだって)。
 〔未〕でけん [意]出来ない。[例]なかなか、でけんのお(なかなか出来ないなあ)。
 〔未〕できゅう
 [意]出来よう。[例]もうそろそろ、できゅうで(もうそろそろ出来るだろうよ)。
 〔用〕でけた [意]出来た。[例]もう、でけたんな(もう出来たの)。
 〔仮〕でくら [意]出来れば。「例」でくら、いんでんいいど(出来たら帰ってもいいぞ)。
【邦訳日葡辞書】「デクル」物事が完了する、または、できあがっている


でけしこ 
<句>[意]できるだけ。[例]むりゅうせんでん、でけしこじいいで(無理をしなくても、できるだけで良いよ)。

でけん
 <句>出来ん[意]動詞「でくる」の未然形だが、「してはならない」という命令の意味で使われる。[例]よなけぇ、すれすれ出歩くこたでけん(夜中に、ふらふらと出歩いてはならない)。

てご <名>[意]手伝い。[例]わりいけんど、ちょっと、こき、きち、てごぉしちくりい(悪いけど、ちょっとここに来て、手伝ってくれ)。

でごと <名>[意]外出しなければならない用事。[例]ここんところ、でごといおいい(最近、外出する用事が多い)。

ですな
 
<連語>[意]〜ですか。丁寧に問いかける際に使う。[例]どこいきですな(どちらに行くんですか)。

でちかん <句>[意]出て行かない。「出ち行かん」が縮まった形。[例]はよ、でちかんか(早く出て行かないか)。

でちく 
<句>[意]出て行く。「出ち行く」が縮まった形。[例]また、よなけえ、でちくんな(また夜中に、出て行くの)。

でちけ 
<句>[意]出て行け。「出ち行け」が縮まった形。[例]はよ、でちけ(早く出て行け)。

でっせ
 
<連語>[意]〜ですよ。丁寧な表現[例]今かり病院に行ちくるんでっせ(今から病院に行くんですよ)。
 ※清川出身・アミーさん


てったい 
<名>[意]手伝い[例]いねじのは、しんせきんおいさんが、てったいにきちくるるちいよる(稲刈りは親戚のおじさんが手伝いに来てくれると言っている)。

てったう 
<動・五>[意]手伝う。「かっする」に同じ。[例]なんなり、わしがてったうで(なんだったら、私が手伝うよ)。
 〔未〕てったわん [意]手伝わない。[例]てったわんと、ひがくるる(手伝わないと日が暮れる)。
 〔未〕てったおう [意]手伝おう。[例]なり、てったおうかのお(それなら手伝おうかねえ)。
 〔用〕てっとうた 「意」手伝った。[例]おれい、てっとうたんじゃ(俺が手伝ったんだ)。
 〔仮〕てったわ、てったや [意]手伝えば。[例]こんぐれ、てったわ、よかろうで(これぐらい手伝えばいいだろうよ)。
 〔命〕てったえ、てったいよ [意]手伝え。[例]みちょらんじ、てったえ(見ていないで手伝え)。


でちあるく 
<句>[意]出歩く。

てっぽう 
<名>[意]つまみもないまま酒を飲むこと。
 ※清川・康晴さん


てのごい 
<名>[意]手拭い。「のごい」は古語。
<参>……早帰り来と 真袖持ち 涙をのごひ むせびつつ……(すぐ帰って来ておくれと、両袖で涙を拭き、しゃくりあげながら……萬葉集4398)
【邦訳日葡辞書】「テノゴイ」手拭い。手や顔を拭くタオル。


てはつかん
 <句>手はつかん[意]手がつけられない、どうしようもない。[意]こげぇなっち、しもうたんなり、てはつかんで(こうなってしまったのでは、どうしようもないよ)。

でばり 
<名>出針 [意]出かける間際に着ていく服のボタン付けや繕いものをすること。してはならないこととされた。急いですると怪我をするとの戒めか、そういうことのないように日ごろから注意を怠るなという意味か。[例]でばりゃ、わりいちゅうけんど、しょわしゅうじ、するひまいなかったんじゃわ(外出間際の針仕事は、するもんじゃないと言うけど、忙しくてする時間がなかったんですよ)。
 ※清川・千枝さん


でぼすけ 
<名>[意]出歩くのが好きな人を陰で評する際に使う。本人に直接言うのは、やめておいた方がいい。[例]あんやたあ、またすれすれでちあるきよる、ほんとでぼすけじゃ(あいつは、またふらふら出歩いている。本当に出歩くのがすきな人だ)。

てまがえ 
<名>手間替え[意]農作業で手伝ってもらったお礼に、同じ日数分を無償で手伝いをすること。「ゆいもどし」に同じ。
 ※緒方・入道さん


でる 
<動・五>出る[意]標準語の「出る」は上一段活用だが、大分ではラ行五段活用をする。
 〔未〕でらん [意]出ない。[例]はよ、でらんか(早く出ないか)。
 〔未〕でろう [意]出よう。[例]もうでろうや(もう出ようよ)。
 〔仮〕でら [意]出れば。[例]いっぺん、でら、いられんのど(一回出れば入られないんだぞ)。


てれんぱらん 
<連語>[意]いい加減な様。だらだらとした様。「てんぱれん」に同じ。
 ※竹田出身・水瀬さん


てれんぱれん 
<連語>[意]仕事などで、だらだらとした様。[例]てれんぱれんしよら、ひがくるんのど(だらだらとしていたら、日が暮れるぞ)。

〜てん <接助>[意]〜しても。「ちぇん」に同じ。[例]なんぼ、くそぉむしってん(ちぇん)、すぐぶうちぇんになっちしまう(いくら草をむしっても、すぐにぼうぼうになってしまう)。

でん <接助>[意]でも。「じぇん」におなじ。[例]それでんいいで(それでも良いよ)。

てんしょむしょ 
<句>「意]次から次に。なにがなんでも。
<参>江戸時代の言葉をまとめた「江戸語の辞典」には「てんしょうむしょう(天上無上)」として「やみくも」「めったやたら」と説明している。
 ※清川・ひろさん

てんべにおえん 
<句>[意]手におえない。
 ※清川・康晴さん

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