〜ち <接>[意]〜って。[例]台風ち、おじいなあ(台風って、怖いねえ)。
〜ち <接尾>文末に付けて伝聞を表す。「んち」「っち」。[意]〜とさ、〜ってさ[例]川に大けな桃が流れちきたち=んち=(川に大きな桃が流れてきたとさ)。
〜ちえ <連>[意]伝え聞いたことを、本人に確かめる際に使う。〜だって?[例]うちが、いつ、そげんこつう言うたちえ(私がいつ、そんなことを言ったって?)。
ちがきさねえ <句>血がきさねえ[意]「きさねえ」は「汚い」の意味で、身びいきが過ぎる人のことを言う。[例]あんしゃ、血がきさねえ(あの人は、身びいきがすぎる)。
※緒方・入道さん
ちかづくる <動・中三>[意]近づける。命令形は「ちかづきい」となるので、大分独特の変形下二段活用「中三段活用」である。
〔未〕ちかづけん [意]近づけない。[例]あんまり、ちかづけんで(あまり近づけないで)。
〔未〕ちかづきゅう [意]近づけよう。[例]まちっとお、ちかづきゅうか(もう少し近づけようか)。
〔仮〕ちかづくら [意]近づければ。[例]あんまれ、ちかづくら、あぶねえが(あまり近づけると危ないぞ)。
〔命〕ちかづきい、ちかづけよ [意]近づけろ。[例]いいき、ちかづきい(いいから、近づけろ)。
ちぎるる <動・中三>[意]千切れる。命令形は「ちぎりい」となるので、大分独特の変形下二段活用「中三段活用」となる。
〔未〕ちぎれん [意]千切れない。[例]なかなか、ちぎれんで(なかなか千切れないよ)。
〔未〕ちぎりゅう [意]千切れよう。[例]たやすう、ちぎりゅうがえ(たやすく千切れように)。
〔仮〕ちぎるら [意]千切れれば。
ちけえ <形>[意]近い。<反>といい。
〔用〕ちこなる、ちこうなる [意]近くなる。[例]だんだん、ちこなる(だんだん近くなる)。
〔仮〕ちかから [意]近かったら。[例]まっと、ちかから、いいになあ(もっと近ければいいのにねえ)。
ちこりいちゃる <句>[意]ぶっ殺してやる。「ちっこりいちゃる」に同じ。
ちころす <動・五>[意]ぶっ殺す。「ちちころす」「ちっころす」に同じ。
〔未〕ちころさん [意]ぶっ殺さない。[例]ちころさんでん、よかろうに(ぶっ殺さなくてもいいだろうに)。
〔用〕ちこりいた [意]ぶっ殺した。[例]あぶらむしゅう、ちこりいた(ゴキブリをぶっ殺した)。
〔仮〕ちころさ [意]ぶっ殺せば。[例]いのししなんか、ちころさいいんじゃ(猪なんかぶっ殺せばいいんだ)。
〔命〕ちころせ [意]ぶっ殺せ。[例]わねえ、かかった、しかぁ、ちころせ(罠にかかった鹿はぶっ殺せ)。
ちち <接頭>[意]動作を強調する。[例]ちちまわす(張りまわす)、ちったたく(強くたたく)など。
ちちこずく <動・五>ちち小突く[意]強く殴る。「ちち」は強調の接頭辞。
〔未〕ちちこずかん [意]ぶん殴らない。
〔仮〕ちちこずか [意]ぶん殴れば。
ちちなぐる <動>ちち投ぐる[意]ぶん投げる。命令形は「ちちなぎい」となるので、大分独特の下二段活用の変形「中三段活用」である。「ちんなぐる」に同じ。
〔未〕ちちなげん [意]ぶん投げない。[例]ちちなげんほうがいいで(ぶん投げない方が良いよ)。
〔未〕ちちなぎゅう [意]ぶん投げよう。[例]どきい、ちちなぎゅうど、しよんのか(どこにぶん投げようとしているんだ)。
〔仮〕ちちなぐら [意]ぶん投げれば。[例]そげんときい、ちちなぐら、わりいが(そんなところにぶん投げれば、悪いよ)。
〔命〕ちちなぎい [意]ぶん投げろ。[例]もういいき、どこでん、ちちなぎい(もういいから、どでにでもぶん投げろ)。
ちちまわす <動・五>[意]喧嘩で相手をやっつける。叩く、張り倒す、張り回す。「ちます」とも。[[例]こんやたぁ、ちちまわすぞ(このやろう、張り倒すぞ)。
〔未〕ちちまわさん [意]殴らない。[例]ちちまわさんほうがいいが(張り倒さない方がいいよ)。
〔仮〕ちちまわさ [意]殴れば。[例]あげんやたぁ、ちちまわさ、いいんじゃ(あんなやつは、張り倒せばいいんだ)。
〔命〕ちちまわせ [意]殴れ。[例]わからんやたぁ、ちちまわせ(理屈の分からないやつは、張り倒せ)。
【解説】これは不思議な言葉で、「ちち」が強調の接頭辞であるなら「まわす」に「殴る」「叩く」といった意味がなければならないが、実際にはそんな意味はなく、「ちちまわす」で初めて意味を成す。ちかごろ、大分方言に関するサイトでこの「ちちまわす」を「ちちくりまわす」とするものがある。少なくとも奥豊後にはそんな語彙はない。おそらく誰かが冗談めかして、男女がいちゃつくことを意味する「乳繰り合う」と混同させたものが誤解されて広まったものだろう。
ちぢむる <動・中三>[意]縮める。命令形は「ちぢみい」となるので、大分独特の変形下二段活用「中三段活用」である。
〔未〕ちぢめん [意]縮めない。[例]ふつすぐるき、ちぢめんと(太すぎるから縮めないと)。
〔未〕ちぢみゅう [意]縮めよう。[例]なり、ちぢみゅうか(なら、縮めようか)。
〔仮〕ちぢむら [意]縮めれば。[例]どんくれ、ちぢむら、いいな(どのくらい縮めればいいの)。
〔命〕ちぢみい、ちぢめよ [意]縮めろ。[例]いいくれ、ちぢめよ(適当に縮めて)。
ちぢゅげ <名>[意]縮れ毛。
【邦訳日葡辞書】「チジュアタマ」縮(ちじゅ)頭。
ちちわる <動・五>ちち割る[意]たたき割る。
〔未〕ちちわらん [意]たたき割らない。[例]そるう、ちちわらんと、ひじょうべるはならされんで(それをたたき割らないと、非常ベルは鳴らせないよ)。
〔仮〕ちちわら [意]たたき割れば。[例]どげえしち、ちちわら、いいんな(どうやってたたき割ればいいの)。
〔命〕ちちわれ [意]たたき割れ。[例]なんでんつこうち、ちちわれ(何でも使ってたたき割れ)。
ちっかくる <動・中三>[意]投げつける。「ちっつくる」に同じ。[例]そき、ボールぅ、ちっかくるなや(そこにボールを投げつけるなよ)。
〔未〕ちっかけん [意]投げつけない。
〔未〕ちっかきゅう [意]投げつけよう。
〔仮〕ちっかくら [意]投げつければ。
〔命〕ちっかきい [意]投げつけろ。
※清川・邦友さん、久洋さん
ちっくずす <動・五>ちち崩す[意]ぶっ壊す。「つんくずす」に同じ。
〔未〕ちっくずさん [意]ぶっ壊さない。[例]たのむき、ちっくずさんじょくれ(お願いだから、ぶっ壊さないでおくれ)。
〔用〕ちっくじいた [意]ぶっ壊した。[意]わがい、ちっくじいたき、うしてたど(お前がぶっ壊したから捨てたぞ)。
〔仮〕ちっくずさ [意]ぶっ壊せば。[例]なんでんかんでん、ちっくずさ、いいちおもうちょるんじゃねえんか(何もかもぶっ壊せばいいと思っているんじゃないのか)。
ちっこりいちゃる <句>[意]ぶっ殺してやる。「ちこりいちゃる」に同じ。
ちっころす <動・>[意]ぶっ殺す。縮まって「ちころす」ともいう。「ちちころす」に同じ。
〔未〕ちっころさん [意]ぶっ殺さない。
〔用〕ちっこりいた [意]ぶっ殺した。
〔仮〕ちっころさ [意]ぶっ殺せば。
ちっしゃぐ <動・五>[意]強く潰す。ぶっつぶす。「ぴっしゃぐ」に同じ。
〔未〕ちっしゃがん [意]ぶっつぶさない。
〔用〕ちっしぇえだ [意]ぶっつぶした。
〔仮〕ちっしゃが [意]ぶっつぶせば。
※清川・久洋さん
ちったたく <動・五>ちっ叩く[意]ぶん殴る。「ちっこづく」に同じ。
〔未〕ちったたかん [意]ぶん殴らない。[例]なんでんかんでん、ちったたかんので(何でもかでも、ぶん殴らないんだよ)。
〔仮〕ちったたか [意]ぶん殴れば。[例]ちったたか、こわりゅうで(ぶん殴れば壊れるだろうよ)。
ちっちらかす <動・五>ちっ散らかす[意]そこらじゅう足の踏み場もないほど散らかす。
〔未〕ちっちらかさん [意]散らかさない。[例]へやを、ちっちらかさんごとしよ(部屋を散らかさないようにしろ)。
〔仮〕ちっちらかさ [意]散らかせば。[例]そげえ、ちっちらかさ、くらさるるど(そんなに散らかせば殴られるぞ)。
ちっつくる <動・中三>[意]投げつける。命令形は「ちっつきい」となるので、大分独特の下二段活用の変形「中三段活用」である。「ちっかくる」に同じ。
〔未〕ちっつけん [意]投げつけない。[例]こらあ、へいに、ぼーるぅ、ちっつけん(こらあ、塀にボールを投げつけない)
〔未〕ちっつきゅう [意]投げつけよう。[例]ばっくんぬ、ちっつきゅう(カエルを投げつけよう)。
〔仮〕ちっつくら [意]投げつければ。[例]ちっつくら、いてえが(投げつければ痛いよ)。
〔命〕ちっつきい [意]投げつければ。[例]どこでんいいき、ちっつきい(どこでもいいから投げつけろ)。
ちっとぉ <副>[意]ちょっと、少々、わずかに。
※緒方・入道さん
ちっとんずく(ちっとんずつ) <連語>[意]少しずつ。[例]いっぺんにくわんじ、ちっとんずくにしなあ(一度に食べないで、少しずつにしなさい)。
ちな <連語>[意]〜ってね。[例]旅行に行ったんちな(旅行に行ったんだってね)。
ぢばえ <名>地ばえ[意]地付きの人。その土地で生まれ育った人のこと。[例]あんしゃあ、じばえんしじゃねえきなあ(あの人は、地付きの人ではないからねえ)。
ちます <動・五>[意]叩く。殴る。「ちちまわす」に同じ。[例]ちますぞ(叩くぞ)、ちまっそ(叩くぞ)
〔未〕ちまさん [意]叩かない。
〔仮〕ちまさ [意]叩けば。[例]そげんやた、ちまさ、いいが(そんなやつは、叩けばいいんだ)。
〔命〕ちませ [意]叩け。[例]じゃあ、じゃあ、ちませ(そうだそうだ、叩け)。
ちもと <名>[意]分葱(わけぎ)。
※緒方・みっこさ
ちや <連語>[意]@〜と言えば。[例]竹田ちや、カボスじゃろ(竹田と言えば、カボスですねA〜だって(疑問形で)。[例]なんちや(何だって?)。
ちゃ <接尾>[意]〜ってば。[例]宿題をしたちゃ、ふんとちゃ(宿題をしたってば、本当だってば)。
ちゃあ <連語>[意]〜しては。[例]おもいだしちゃあ、わらいよる(思い出しては笑っている)。
ちゃあまあ <感>[意]なんとまあ、あらまあ。驚いた時や落胆した時、情けない時に口をついて出る言葉。
※緒方・入道さん
〜ちゃぐる <助動>[意]〜してあげる。動詞の連用形に付く。
〔未〕ちゃげん [意]〜してあげない、。[例]なし、おそえちゃげんのな(どうして教えてあげないの)。
〔未〕ちゃぎゅう [意]〜してあげよう。[例]おれい、みちゃぎゅう(おれが見てやろう)。
〔用〕ちゃげた [意]〜してあげた。[例]おやつぅ、つくっちゃげたんで(おやつを作ってあげたんだよ)。
〔仮〕ちゃぐら [意]〜してあげれば。[例]たすけちゃぐら、いいに(助けてあげればいいのに)。
〔命〕ちゃぎい、ちゃげよ [意]〜してあげろ。[例]どげなようか、きいちゃげよ(どんな用か、聞いてあげて)。
ちゃっと(ちゃあっと) <副>[意]ちゃんと、きちんと。[例]あんしん、するこた、いってん、ちゃっとしちょる(あの人のすることは、いつもきちんとしている)。
ちゃっちょくれ <句>[意]〜してあげてください。[例]いっしょに、つれち、いっちゃっちょくれ(一緒に連れて行ってやってください)。
ちゃる <助動>[意]〜してやる。動詞の連用形について、その行為を他者に対してすること。[例]おれぃ、かわりぃ、しちょいちゃる(俺が代わりにしておいてやる)。
〔未〕ちゃらん [意]〜してあげない。[例]もう、こうちゃらんど(もう買ってやらないぞ)。
〔未〕ちゃろう [意]〜してあげよう。[例]おいさんに、いうちゃろうか(おじさんに言ってやろようか)。
〔用〕ちゃった [意]〜してあげた。[例]つれち、いっちゃったんな(連れて行ってやったの)。
〔仮〕ちゃら [意]〜してあげれば。[例]のましちゃら、いいじゃねえな(飲ませてやればいいじゃないか)。
〔命〕ちゃれ、ちゃりよ [意]〜してあげろ、〜してやれ。[例]べんきょうを、みちゃれ(勉強をみてやれ)。
ちゃる <句>[意]〜してある。[例]あんた方、いってん、いえんなこぉ、ちゃあっとしちゃるなあ(あんた方、家の中をきちんとしてあるなあ)。
ちゃんがら <名>[意]むちゃくちゃ、無意味、ご破算。[例]せっかく準備したに、わがんせいじちゃんがらじゃ(せっかく準備をしたのに、お前のおかげでむちゃくちゃだ)。
ちゅうく(ぐ)れ <副>中くれ[意]@中くらい。[例]良かったか悪かったかちいや、まあ、ちゅうくれじゃな(良かったか悪かったかと言えば、まあ中くらいだね)。A物分かりの鈍い人を指す場合もある。足りない。[例]あいたぁ、ちゅうくれじゃきのお(あいつは、ちょっと足りないからなあ)。
ちゅうしんをとる <句>中心を取る[意]バランスを取る。[例]としゅうとると、ちゅうしんをとるのい、むずかしゅうなるんじゃ(年を取ると体のバランスを取るのが難しくなるんだ)。
※清川・郷思さん
ちゅうらへえ <名>[意]半馬鹿な人。[例]あんしゃ、みてんとおり、ちゅうらへえじゃ(あの人は、見ての通り半馬鹿だ)。
※緒方町誌
ちぇん <接助>[意]〜しても。「てん」に同じ。[例]なんぼいうちぇん、ききゃせん(いくら言っても、聞きはしない)。
ちょうしがわりい <句>[意]決まりが悪い。[例]自分じ言うちょいち、ちごうたもんじゃき、ちょうしがわりいんじゃろう、おらんなったが(自分で言っておいて違ったものだから決まりが悪いんだろう、いなくなったよ)。
※『緒方町誌』
ちょうしんかわ <名>[意]おべっか。[例]あんしゃ、いってん、ちょうしんかわんじょう、いうんで(あの人はいつも、おべっかばかりつかうんだよ)。
ちょうまん <名>[意]大きな吹き出物、おでき。
ちょうれん <名>[意]カマキリ科の昆虫、カマキリ。
※朝地・幸子先生
ちょお <感>[意]あのう、もしもし、ちょっと。「ちょお、ちょお」と重ねて使うこともある。[例]ちょお、そこんし、そかぁ行き止まりで(あのう、そこの人、そこは行き止まりですよ)。
ちょく <助動>[意]〜しておく。動詞の連用形につく。辞書は連語に分類するが、ここでは助動詞に分類した。五段に活用する。[例]かにゃあ、こき、おいちょくで(金は、ここに置いておくよ)。
〔未〕ちょかん [意]〜しておかない。[例]ゆを、わかしちょかんとな(湯を沸かしておかないとね)。
〔未〕ちょこう [意]〜しておこう。[例]そげえ、しちょこうか(そうしておこうか)。
〔用〕ちょいた [意]〜しておいた。[例]みちょいたほうが、よかろうで(見ておいた方がいいよ)。
〔仮〕ちょか [意]〜しておけば。[例]あんだけ、いうちょか、いいわ(あれだけ言っておけばいいよ)。
〔命〕ちょけ、ちょきよ [意]〜しておけ。[例]はやめに、いっちょけや(早めに行っておけよ)。かいちょきよ(書いておきなさい)。
ちょくれ <句>[意]〜してください。〜しておくれ。[例]ちょっと、こき、きちょくれ(ちょっと、ここに来てください)。しちょくれ(してください)。みちょくれ(見てください)。
ちょっかまけ <連>[意]すぐには。少々のことでは。ちょっとやそっとのことでは。[例]ちょっかまけ、まにあやせん(すぐには間に合いはしない)。
※清川・千枝さん
ちょっきり <副>[意]ちょうど、ぴったり。[例]ちょっきり、百円じゃった(ちょうど百円だった)。
ちょびっと <副>[意]少し。[例]あと、ちょびっとじいいき、のませちくれなあ(あと少しで良いから、飲ませてください)。
ちょる <助動>[意]〜している。動詞の連用形について、その行為の状態を表す。辞書は「〜しとる」の「とる」を連語に分類しているが、ここでは助動詞に分類しておいた。[例]あいたぁ、そき、ねちょる(あいつは、そこに寝ている)。
〔未〕ちょらん [意]〜していない。[例]まだ、きちょらん(まだ来ていない)。
〔未〕ちょろう [意]〜していよう。[例]もう、おけちょろう(もう起きているだろう)。
〔用〕ちょった [意]〜していた。[例]まっちょったんで(待っていたんだよ)。
〔仮〕ちょら [意]〜していれば。[例]しっちょら、いいが(知っていればいいけど)。
〔命〕ちょれ、ちょりよ [意]〜していろ。[例]おまや、だまっちょれ(お前は黙っていろ)。あんたこそ、だまっちょりよ(あなたこそ、黙っていてよ)。
ちんぎるる <動・中三>[意]千切れる。命令形は「ちんぎりい」となるので大分独特の下二段活用の変形「中三段活用」である。
〔未〕ちんぎれん [意]千切れない。[例]どげえしてん、ちんぎれんで(どんなにしても千切れないよ)。
〔未〕ちんぎりゅう [意]千切れよう。[例]どげえすら、ちんぎりゅうか(どうすれば千切れようか)。
〔仮〕ちんぎるら [意]千切れれば。[例]ちんぎるら、いいにのお(千切れればいいのになあ)。
※緒方・みっこさ
ちんこ(ぽ)はさみ <名>[意]タイコウチ科の水生半翅類、水カマキリ。
ちんちろ <名>[意]木の枝をばね代わりにして野鳥を獲る罠の部品の一つ。野鳥が触れると外れて罠が閉まる仕掛けになっていた。
※緒方・入道さん
ちんなぐる <動・中三>[意]強く投げる。うち捨てる。「ちちなぐる」に同じ。
〔未〕ちんなげん [意]ぶん投げない。[例]きやすぅ、ちんなげんので(気安く放り投げないんだよ)。
〔未〕ちんなぎゅう [意]ぶん投げよう。[例]そき、ちんなぎゅうえ(そこにうち捨てよう)。
〔仮〕ちんなぐら [意]ぶん投げれば。[例]そき、ちんなぐら、いいわ(そこにうち捨てればいいよ)。
〔命〕ちんなぎい [意]ぶん投げれば。[例]いらんもなあ、ちんなぎい(入らないものはうち捨てろ)。
ちんめえ <形>[意]小さい。「こんめえ」に同じ。
〔用〕ちんもなる、ちんもうなる [意]小さくなる。[例]だんだん、ちんもなるごたる(だんだん小さくなるようだ)。
〔仮〕ちんまから [意]小さければ。[例]もう、ちんまから、だれかにあげよ(もう小さかったら、誰かにあげなさい)。