〜と <接尾>[意]文末に付けて伝聞を表す。「ち」に同じ。[例]いまかり、でる(今から出るそうだ)。

〜ど <接助>[意]〜しようと。[例]お前かたさね、いこうしよるとこりい、お前い来たんじゃ(あなたの家に行こうとしているところに、あなたが来たんだ)。

といい 
<形>[意]遠い。<反>ちけえ。
 〔用〕とおなる [意]遠くなる。
 〔仮〕とおから [意]遠ければ。


とう 
<動・五>[意]高い所にある物に手が届く。[例]あしつぎにのら、とうじゃろ(踏み台に乗れば届くだろ)。
 〔未〕とわん [意]手が届かない。
 〔未〕とおう [意]手が届こう。
 〔仮〕とわ、とや [意]手が届けば。


どうさねえ 
<句>造作ねえ[意]至極簡単なこと。わけもないこと。「造作」は本来「ぞうさ」だが、ザ行がダ行と混同される大分弁の特性から「どうさ」となる。[例]そげなこたぁ、どうさねえこっちゃ(そんなことは、わけもないことだ)。
 ※緒方・みっこさ


どうじぇんこうじぇん 
<連語>[意]どうでもこうでも。どうしても。何が何で何でも。「どうでんこうでん」に同じ。大分では往々にして「ダ行」と「ザ行」が入れ替わり、そのうえ「で」が「じぇ」に変わる。[例]どうじぇんこうじぇん、いまんうちぃ、こるう、しちょかなならん(どうでもこうでも、今のうちにこれをしておかないとならない)。

どうしゅんこうしゅん 
<連語>[意]どうにも、こうにも。どうしようにも、こうしようにも。あの手この手でやってみたが駄目だという場合に使う。[例]どうしゅんこうしゅん、しとめんがなあ(どうにも、こうにも、仕様がないよ)。
 ※清川出身・千寿さん


とうてき 
<副>[意]たちまち。あっという間に。[例]こどみぃ、ちっとぉぐれん、かしゅうやってん、とうてきぃ、くちしまうが(子供に少しぐらいの菓子をやっても、あっという間に食べてしまうよ)。
 ※緒方・入道さん


どうでんこうでん 
<連語>[意]どうでもこうでも。どうしても。何が何でも。「どうじぇんこうじぇん」に同じ。[例]どうでんこうでん、いかんならん(どうしても、いかなければならない)。

どうれづち 
<名>[意]斜面などから崩れ落ちた土。
 ※緒方・入道さん


どうるる 
<動・中三>[意]崩れ落ちる。命令形は「どうりい」となるので、大分独特の変形下二段活用「中三段活用」である。
 〔未〕どうれん [意]崩れ落ちない。
 〔未〕どうりゅう [意]崩れ落ちよう。
 〔仮〕どうるら [意]崩れ落ちれば。
 ※緒方・入道さん


どお 
<接尾>等?[意]名詞や代名詞につけて、それが複数であることを表す。「達」と同義だが、達が動物などにも使用されるのに対し、「どお」は人以外には使用されない。[]わがどお、そこじなぬしよんのか(お前たち、そこで何をしているのか)おれどおな、はなゅうしよるだけじゃがえ(俺達ですか、話をしているだけですが)。「われどお」(お前ら)、「うんどお」(私ら)、「うっとぉ」(私ら)。

どおかある 
<句>[意]体の具合、調子がどことなくおかしい。
<参>どおかわりい。
 ※緒方・みっこさ


どおかわりい 
<句>[意]どことなく具合が悪い。体調を表現する場合に使われることが多いが、機械の調子についても使われることがある。

どおくる
 <動・五>[古]道化る[意]ふざける、お道化(どけ)る。大分以外ではまず聞かれない大分独特の語彙の一つ。一見、中三段活用に見えるが、未然形が「どおくろう」、命令形は「どおくれ」となるので五段活用である。[例]あんしゃ、いってん、あげえ、どおくるんで(あの人はいつも、ああしてふざけるんだよ)。
 〔未〕どおくらん [意]ふざけない。[例]どおくらんごと、しよえ(ふざけないようにしてね)。
 〔未〕どおくろう [意]ふざけよう。
 〔用〕どおくった [意]ふざけた。[例]どおくった、はなしじゃ(ふざけた話だ)。
 〔仮〕どおくら [意]ふざければ。[例]そげえ、どおくら、しまいにゃおこらるるんど(そんなにふざければ、終いに叱られるんだぞ
)
)。


どおくんな 
<句>[意]ふざけるな。喧嘩腰の際の常套句。[例]なんいよんのか、われ、どうくんなや(何をいってんだ、てめえ、ふざけんなよ)。

とおざくる 
<動・中三>[意]遠ざける。命令形は「とおざきい」となるので、大分独特の変形下二段活用「中三段活用」である。
 〔未〕とおざけん [意]遠ざける。
 〔未〕とおざきゅう [意]遠ざけよう。
 〔仮〕とおざくら [意]遠ざければ。。


とおてん(とてん)
 
<副>[意]とても、たいへん。[例]きょうは、とおてん、あてぃなあ(今日はとても暑いですね)

とおりすぐる 
<動・中三>[意]通り過ぎる。命令形は「とおりすぎい」となるので、大分独特の変形下二段活用「中三段活用」である。
 〔未〕とおりすげん [意]通り過ぎない。
 〔未〕とおりすぎゅう [意]通り過ぎよう。
 〔用〕とおりすげた [意]通り過ぎた。
 〔仮〕とおりすぐら [意]通り過ぎれば。


とがらす 
<動・五>[意]先を尖らせる。
 〔未〕とがらさん [意]尖らせない。
 〔未〕とがらしゅう [意]尖らせよう。
 〔仮〕とがらさ [意]尖らせれば。
【邦訳日葡辞書】「トガラカス」先端をとがらせる、または、鋭くする。


とぎ
 <名>[古]伽(とぎ)[意]一緒に行動する仲間、連れ。[例]遊ぶちゅうてんとぎがおらんと、つまりめえがえ(遊ぶと言っても友達がいないと、つまらないでしょ)。通夜の翌朝まで故人の傍らに居ることを「夜とぎ」という。
<参>御伽衆、御伽噺。


どきぃ <句>どこ・に[意]どこに。[例]いま、どきぃおるんな(今、どこにいるんですか)。

とぎる
 <動・五>砥(と)ぎる[意]鋭く削る。尖(とが)らせる。鎌や包丁などの刃物には使わない。[例]鉛筆ぅとぎる(鉛筆を削る)。
 〔未〕とぎらん [意]尖らせない。
 〔仮〕とぎら [意]尖らせれば。

とぐ <名>[意]岩盤。「はいとぐ」は「火山灰層からなる岩盤」。
 ※緒方・みっこさ


とくる 
<動・中三>[意]溶ける、解ける、融ける、熔ける。命令形は「ときい」となるので、大分独特の変形下二段活用「中三段活用」である
 〔未〕とけん [意]とけない。
 〔未〕ときゅう [意]とけよう。
 〔仮〕とくら [意]とければ。
【邦訳日葡辞書】「トクル」解、溶。とける。


どくる 
<動・中三>[意]どける。「のくる」に同じ。標準語では下一段活用だが、大分では下二段活用となる。ただし、命令形が「どきい」となるので正確に言うと中三段活用である。
 〔未〕どけん [意]どけない。
 〔未〕どきゅう [意]どけよう。
 〔仮〕どくら [意]どければ。
 〔命〕どきい、どけよ [意]どけろ。


どげえ
 
<形動>[意]どんな[例]どげえな、げんきぃしちょんな(どうですか、元気にしていますか)。

どげえあるか <句>[意]直訳すると「どんなふうなのか」「どんな具合なのか」といった意味になり、奥豊後地方でもそういった意味合いで使うこともあるが、特に「何の恥ずかしいことがあるか、いや恥ずかしくはない」、「気にするほどのことがあろうか、いや気にすることはない」と反語の意味で使う。[例]ちっとぉぐれ、よごれちょってん、どげえあるか(少しぐらい汚れていても、何の恥ずかしいことがあるものか)。

どげん
 
<形動>[意]どのような、どんな。[例]具合がわりいちゃ、どげんふうな(具合が悪いって、どんな風ですか)。

どこいきな <句>[意]相手に行き先を尋ねる。[例]今日はどこいきな(今日はどちらに行くんですか)。

とこなすび <名>[意]生家を出ないまま、婿養子をもらった苦労知らずの女性のこと。
 ※緒方・みっこさ


どしち 
<副>[意]どうして。なぜ。「なし」と同義。[例]どしち、そげんこつぅ、いうんな(どうして、そんなことを言うんですか)。
 ※緒方・入道さん


としとり 
<名>年取り[意]大晦日。[例]きょうは年取りで。(きょうは、大晦日だよ)。

としとりんばん 
<句>年取りん晩[意]大晦日の夜。「としのよ」に同じ。

としのよ 
<句>年の夜[意]大晦日の夜。「としとりんばん」に同じ。

とじむる 
<動・中三>[意]仕事を終わらせる。命令形は「とじみい」で、大分独特の変形下二段活用の中三段活用である。[例]もう、とじむるで(もう、終わらせるよ)。
 〔未〕とじめん [意]終わらせない。
 〔未〕とじみゅう [意]終わらせよう。
 〔仮〕とじむら [意]終わらせれば。
 〔命〕とじみい [意]終わらせろ。
【邦訳日葡辞書】「トジムル」閉じむる。物事の結末をつける、または、吟味し決定する。

とじめ <名>[意]仕事などにけりをつけること。「戸締め」か、邦訳日葡辞書の「とじむる」は「閉じめ」としてある。[例]こるぅしちょかんと、とじめがつかん(これをしておかないと、けりがつかない)。
 ※清川・千枝さん。


としよりこども 
<名>年寄り子供 [意]年を取って子供に戻ったように聞き分けのなくなった人のことをいう。
 ※清川・千枝さん


としんとりげもねえ 
<句>[意]直訳すると「年の取り甲斐もない」で、「良い年をして」という意味。[例]あげな、なりゅうしち、としんとりげもねえなあ(あんななりをして、良い年なのにねえ)。<類>「とらんとしじゃねえに」
 ※緒方・みっこさ


〜どつ 
<接助>[意]「〜しようと」の「と」に当たる。「〜ど」に同じ。
 ※緒方・入道さん


とっかん、とっかん 
<感>[意]大粒の雪が激しく降りしきる様子。「とっかん」単独では使わない。[例]おおけんゆきが、とっかんとっかん降りよるで(大きな雪が、どんどん降っているよ)。

どっせり
 
<副>[意]どっさり、たくさん。[例]ことしゃ、かきが、どっせりなっちょったに、たいふうじ、みなおてた(今年は柿がたくさん成っていたのに、台風で全部落ちた)。

とっと <副>[意]とても、大変。[例]あんしんこた、とっと好かん(あの人のことは、とても嫌いだ)。

とっとん <副>[意]主に位置や順位を意味する言葉の前に付いて、その言葉を強調する。[例]とっとん奥(最も奥)。とっとん上(一番上)。とっとん最後(一番最後)。
 ※緒方・みっこさ

どっとん
 <副>[意]どんどん。「どっとん、どっとん」と重ねて使うこともある。[例]どっとん、しごつぅ、せんな(どんどん仕事をしなさい)。

とっぱ <名>[意]でたらめ、飛び上がり者。
【邦訳日葡辞書】「トッパ」軽はずみな(者)、または、不注意な(者)。

とっぱぐろ 
<名>[意]お調子者。破天荒なことをする者。
 ※清川・邦友さん


とっぱい
 <名>[意]幼児語で豆腐のこと。

とっぺん <名>[意]てっぺん。「とんぺん」に同じ。

とっぺんし 
<名>[意]ある組織で最も地位の高い人。直訳すると「てっぺんの人」。
 ※緒方・入道さん。


とてん、とてん
 
<感>[意]とても、とても。[例]かんたんにでくると思うちょったら、とてんとてん(簡単に出来ると思っていたのだが、とてもとても=そんな楽にはいかなかったとの意味が込められる)。

とどくる 
<動・中三>[意]届ける。命令形は「とどきい」となるので、大分独特の変形下二段活用「中三段活用」である。
 〔未〕とどけん [意]届けない。
 〔未〕とどきゅう [意]届けよう。
 〔仮〕とどくら [意]届ければ。
 〔命〕とどきい、とどけよ [意]届けろ。


〜となる
 <句>[意]〜したくなる[例]見となる(見たくなる)、行きとなる(行きたくなる)、泣きとなる(泣きたくなる)

どばき 
<名>[意]吐瀉物、ゲロ。
 ※緒方・入道さん


とばしり
 
<名>[意]しぶき、跳ねた泥水など。[例]あん車い、みずたまりゅう、よけんもんじゃき、とばしりがかかったが(あの車が水溜りをよけないものだから、跳ねがかかった)。
<参>古語の「迸(とばし)る」の名詞化したものか。現代語「迸(ほとばし)る」の語源とみられる。俗語「とばっちり」は「巻き添え」「そばづえ」の意で、「とばしり」からの転。
【邦訳日葡辞書】「トバシリ」何か液体の物の飛沫。


とばする 
<動・中三>[意]速度を上げる。飛ばす。命令形は「とばしい」で、大分独特の変形下二段活用の中三段活用である。
 〔未〕とばせん [意]飛ばさない。[例]
 〔未〕とばしゅう [意]飛ばそう。
 〔仮〕とばすら [意]飛ばせば。
 〔命〕とばしい、とばしよ [意]飛ばせ。
【邦訳日葡辞書】「トバスル」飛ばせる。


とびおるる 
<動・中三>[意]高いところから飛び降りる。否定形は「とびおれん、命令形は「とびおりい」で、大分独特の変形下二段活用となる中三段活用である。
 〔未〕とびおれん [意]飛び降りない。
 〔未〕とびおりゅう [意]飛び降りよう。
 〔用〕とびおれた [意]飛び降りた。
 〔仮〕とびおるら [意]飛び降りれば。
 〔命〕とびおりい、とびおれよ [意]飛び降りろ。
【邦訳日葡辞書】「トビオルル」飛んで下りる。


とびこゆる 
<動・中三>[意]飛び越える。命令形は「とびこいい」で、大分独特の変形下二段活用の中三段活用である。
 〔未〕とびこえん [意]飛び越えない。
 〔未〕とびこゆう [意]飛び越えよう。
 〔仮〕とびこゆら [意]飛び越えれば。
【邦訳日葡辞書】「トビコユル」飛び越える。


とびしゃく 
<名>[意]ツリフネソウ科の一年草。鳳仙花。種子が弾けて飛ぶという意味からか。「飛び・尺」か。
 ※緒方・みっこさ


とぶ
 <動・五>[古]飛ぶ、跳ぶ[意]駆ける、走る。標準語とは活用が一部異なる。
 〔未〕とばん [意]走らない。
 〔用〕つうだ [意]走った。大分では「とんだ」とはならずに、ウ音便の形になる。[例]しらしんけん、つうだんじゃ(死にもの狂いで走ったんだ)。
 〔仮〕とば [意]走れば。
<参>古語の「飛ぶ」には「早く走る」の意有り。
【邦訳日葡辞書】「トブ」飛び翔ける。

どぶら <名>[意]甲斐性なし。[例]おれん、せがれは、とんだ、どぶらじゃ(俺の息子は、とんだ甲斐性なしだ)。<類>たえなし
 ※竹田出身・水瀬さん


とぼくる 
<動・中三>[意]とぼける。命令形は「とぼきい」となるので、大分独特の変形下二段活用「中三段活用」である
 〔未〕とぼけん [意]とぼけない。
 〔未〕とぼきゅう [意]とぼけよう。
 〔仮〕とぼくら [意]とぼければ。。
【邦訳日葡辞書】「トボクル」何か見せかけ装う、または、何事か偽りつくる。

とぼくんな <句>[意]とぼけるな。ふざけるな。


とぼす 
<動・五>[古]点(とぼ)す[意]明かりを点ける、点火する、ともす。
 〔未〕とぼさん [意]ともさない。
 〔仮〕とぼさ [意]ともせば。
【邦訳日葡辞書】「トボス」灯火やあかりをともす。

〜どま 
<副助>[意]〜なんか。[例]いいきもんどま、きち(良い着物なんか着て)。
 ※『緒方町誌』


どまぐるる 
<動・中三>[意]どこかへ姿を消す。「紛れる」と通ずるものがありそう。[例]いつんなかまにか、どまぐるるんじゃ(いつの間にか、いなくなるんだ)。ねんがじょうい、どまぐれちょっち、いまごりい、ついた(年賀状がどこかに行っていて、今頃着いた)。
 〔未〕どまぐれん [意]姿を消さない。
 〔未〕どまぐりゅう [意]姿を消すだろう。
 〔仮〕どまぐるら [意]姿を消せば。
 ※『宮城 おらが村ん方言 がまだす』、竹田出身・水瀬さん


とむる 
<動・中三>[意]@止めるA留めるB停めるC泊める。いずれも命令形は「とみい」となるので、大分独特の変形下二段活用「中三段活用」である。
 〔未〕とめん [意]とめない。
 〔未〕とみゅう [意]とめよう。
 〔仮〕とむら [意]とめれば。
 〔命〕とみい、とめよ [意]とめろ。
【邦訳日葡辞書】「トムル」止、留。とめる。


どや 
<名>[意]黒土。
 ※清川・邦友さん


とらんとしじゃねえに 
<句>[意]もう良い年をした大人のくせに。[例]あんしもとらんとしじゃねぇに、そげなこつも分からんのかのぉ(あの人も良い年をしているのに、そんなことも分からないのかねえ)・
<類>「としんとりげもねえ」
 ※清川出身
アミーさん、緒方・みっこさ

〜どり(ぞり) <接助>[意]〜の方へ。[例]祖母ちゃんな、お宮どり行きよったで(お祖母ちゃんは、お宮の方に行っていましたよ)。「さね」に比べて目的地があいまいで、大方向を示す際に使用される(と思われる)。
<類>「さね」「しに」


とりあぐる 
<動・中三>[意]取りあげる。命令形は「とりあぎい」となるので、大分独特の変形下二段活用である中三段活用である。
 〔未〕とりあげん [意]取り上げない。
 〔未〕とりあぎゅう [意]取り上げよう。
 〔仮〕とりあぐら [意]取り上げれば。
【邦訳日葡辞書】「トリアグル」取り上げる。


とりい 
<形>[意]のろま、とろい。

とりこんぶし
 
<名>鳥こぶし?[意]踝(くるぶし)。

とりてん <名>鳥天[意]鳥のささ身などを使ったてんぷら。意外なことだが、大分以外では食べられる店が滅多にない。

とりとばす <動・五>[意]捕まえそこなう、取りそこなう。[例]ここじ、とりとばすと、もうみつからんど(ここで取り損なうと、もう見つけられないぞ)。
 〔未〕とりとばさん [意]取り損なわない。
 〔用〕とりとべえた [意]取り損なった。
 〔仮〕とりとばさ [意]取り損なえば。


とりよする <動・中三>[意]取り寄せる。命令形は「とりよしい」となるので、大分独特の変形下二段活用「中三段活用」である。
 〔未〕とりよせん [意]取り寄せない。
 〔未〕とりよしゅう [意]取り寄せよう。
 〔仮〕とりよすら [意]取り寄せれば。


どるぅ(どりゅう)
 
<句>どれ・を[意]どれを。[例]どるぅ、もっちかいいんか、わからん(どれを持って行ったら良いのか分からない)。

とるる <動・中三>[意]取れる。命令形は「とりい」となるので、大分独特の変形下二段活用「中三段活用」である。
 〔未〕とれん [意]取れない。
 〔未〕とりゅう [意]取れよう。
 〔仮〕とるら [意]取れれば。
【邦訳日葡辞書】「トルル」取れる。


どろおとし 
<名>泥落とし。[意]田植えが済んで行う慰安会や骨休めの旅行。「さなぼり」「田植えよこい」に同じ。[例]田植えいすんだき長湯に泥落としぃいっちくる(田植えが済んだから長湯温泉に骨休めに行って来る)。<反>地獄入り
 ※緒方・みっこさ


とわず 
<名>[意]でたらめ。[例]そげん、とわずぅ、いうもんじゃあねえ(そんなでたらめを言うものじゃない)。

とわん
 
<句>[意]動詞「とう」の未然形だが、特に筋肉の凝りにマッサージが効かないことを言う。[例]あんもぉしちくるるなぁ、ありがてえけんど、いっこん、とわんがな(マッサージをしてくれるのは有難いけれど、ちっとも効かないよ)。

どん <連体詞>[意]どの。[例]どんかさい、あんたがんな(どの傘が、あなたのですか)

どんかち
 
<名>[意]カジカ科の川魚。美味。より正確に発音すると「どんくゎち」となる。

とんぎる 
<動・五>[意]先端を鋭く尖らせる。「とぎる」に同じ。[例]鉛筆をとんぎる(鉛筆を削る)。
 ※緒方・みっこさ


どんげ 
<句>[意]どこに。[例]どんげ、いったんじゃろうか(どこに行ったんだろうか)。
 ※緒方・みっこさ


どんこんならん
 <句>[意]どうにもこうにもならない。「どんならん」に同じ。[例]こらぁ、よい、どんこんならんど(これは、ねえ、どうにもこうにもならないよ)。

とんつく <動・五>[意]ものにしっかりとつかまる。[例]おてんごと、しゃんと、とんついちょれよ(落ちないように、しっかりつかまっていろよ)。

どんならん 
<句>[意]どうしようもない。「どんこんならん」に同じ。[例]あんやつばっかりゃあ、どんならんのお(あいつばっかりは、仕様がないなあ)。
 ※清川出身・あんちゃん


どんのくぼ 
<名>[意]首の後ろ、うなじのくぼんだ部分の名称。

とんぺん
 
<名>天辺[意]てっぺん。「とっぺん」に同じ。[例]廣瀬神社んマストんとんぺんじ、おらびよんなあ、だれか(廣瀬神社のマストのてっぺんで、さけんでいるのは、誰だ)。

どんな <名>鈍な[意]まぬけ。[例]なんちゅう、どんなじゃろうか(何という間抜けだろうか)。

どんぶり <副>[意]たっぷり。植木や畑の野菜などに水をやる場合に使う。[例]今日は暑かったきぃ、盆栽に水をどんぶりやっちょくれ(今日は暑かったから、盆栽に水をたっぷりかけてください)。

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