〜う <格助>格助詞の「を」と同義。[例]めしゅ食え(ご飯を食べろ)。

ううちぇん <句>[意]追っても。追い払っても。[例]ううちぇんううちぇん、てぃちくる、ポチんやたぁ、ざまあねえ、えらしいやっちゃ(追っても追ってもついて来る、ポチは大変かわいいやつだ)。

ううばらとり 
<名>大腹とり[意]大食漢。「おおばらとり」に同じ。<反>こじょく。
 ※清川・康晴さん


ううけん 
<形動>[意]大きな。「おおけん」に同じく、連体形だけが。

うかする 
<動・中三>[意]浮かせる。命令形は「うかしい」となるので、大分独特の下二段活用の変形「中三段活用」である。
 〔未〕うかせん
 [意]浮かせない。
 〔未〕うかしゅう [意]浮かせよう。
 〔仮〕うかすら [意]浮かせれば。
 〔命〕うかしい、うかせよ
 [意]浮かせろ。


うかぶる 
<動・中三>[意]浮かべる。命令形は「うかびい」となるので、大分独特の下二段活用の変形「中三段活用」である。
 〔未〕うかべん
 [意]浮かべない。
 〔未〕うかびゅう
 [意]浮かべよう。
 〔仮〕うかぶら [意]浮かべれば。
 〔命〕うかびい、うかべよ [意]浮かべろ。
【邦訳日葡辞書】「ウカブル」浮かべる


うく 
<動・五>[意]浮く。標準語とは活用が一部異なる。
 〔未〕うかん [意]浮かない。[例]こら、うかんで(これは浮かないよ)。
 〔仮〕うか [意]浮けば。[例]うか、おもしりいになあ(浮けば面白いのにねえ)。


うくる 
<動・中三>[意]受ける。標準語では下一段活用だが大分では下二段活用となる。ただし命令形が「うきい」となることから正確には中三段活用である。
 〔未〕うけん [意]受けない。[例]なし、しけんぬ、うけんのな(どうして試験を受けないの)。
 〔未〕うきゅう [意]受けよう。[例]そげえいうんなり、うきゅうか(そんなに言うのなら受けようか)。
 〔仮〕うくら [意]受ければ。[例]ああじゃこうじゃ、いわんじ、うくら、いいんじゃ(ああだこうだ言わないで受ければいいんだ)。
 〔命〕うきい、うけよ [意]受けろ。[例]はじめかり、うきいち、いいよったじゃねえか(初めから受けろと言っていたじゃないか)。
【邦訳日葡辞書】「ウクル」受ける、請ける。


うけかぶる 
<動・五>[意]請けた仕事を期限内に終わらせることができないこと。「かぶる」は「失敗する」「しくじる」の意で、標準語には「買い被る」という言葉がある。[例]どうでん、うけかぶるがのお(どうも、期限までに間に合わせられなそうだ)。
 〔未〕うけかぶらん [意]期限に遅れない。[例]うけかぶらんごつ、しよや(期限内に仕事を終えられるようにしろよ)。
 〔仮〕うけかぶら [意]期限に間に合わせられなければ。[例]うけかぶら、おおごとど(期限内に仕事を終わらせられなかったら大変だぞ)。)
 ※清川・康晴さん


うけなう 
<動・五>[意]引き受ける。
 〔未〕うけなわん [意]引き受けない。[例]そげなこたぁ、うけなわんほうが、いいで(そんなことは引き受けない方がいいよ)。
 〔用〕うけのうた [意]引き受けた。[例]もう、うけのうたが(もう引き受けたよ)。
 〔仮〕うけなわ [意]引き受ければ。[例]そるう、うけなわ、ほかんこた、でけんごとなるで(それを引き受ければ他のことはできなくなるよ)。


うじ
 <名>[意]獣道。
 ※緒方・入道さん

うじけめし <名>[意]芯のあるご飯。
 ※『緒方町誌』


うしつる
 <動・中三>[意]捨てる、失くす。命令形は「うしちい」となるので、大分独特の下二段活用の変形「中三段活用」である。「うすつる」とも。[例]ふりい、ねんがじょうは、もう、うしつるで(古い年賀状は、もう捨てるよ)。
 〔未〕うしてん
 [意]失くさない。[例]うしてんごと、しよえ(失くさないようにしなさいね)。
 〔未〕うしちゅう
 [意]捨てよう。[例]きらんごとなった、ふくは、うしちゅう(着なくなった服は捨てよう)。
 〔仮〕うしつら [意]捨てれば。[例]うしつら、いいじゃねえな(捨てればいいじゃない)。
 〔命〕うしちい、うしてよ
 [意]捨てろ。「うしてぃ」とも。[例]どうせきらんのじゃき、うしてよ(どうせ着ないのだから、捨てなさい)。


うしのこ <連語>牛の子[意]子牛。奥豊後地方では「子牛」とは言わない。同様に仔馬は「馬の子」、子犬は「いん(犬)の子」と言う。ただし、「子猫」の場合は「ねこご」となる。
 ※緒方出身・前田芳男さん
<参>大分では通常は「の」は「ん」となるが、「牛の子」「馬の子」「いんの子」の場合は「ん」にはならない。


うしろあたま 
<名>後ろ頭[意]後頭部。大分を離れると通用しないので方言だと思われるが、では、よその人は昔から「こーとーぶ」と言うのだろうか。

うすぅいよ(いえ)
 
<句>[意]嘘を言え。[例]たばくぅ吸うちょらんちや、うすぅいよ(煙草を吸っていないって、嘘を言え)。

うすぅいうな <句>[意]「うすぅいよ」に同じ。

うすっぱく <名>[意]真っ赤な嘘。嘘八百。「うそすっぱく」「うそっぱく」に同じ。

うすつる 
<動・中三>[意]捨てる。「うしつる」に同じ。
 〔未〕うすてん
 [意]捨てない。[例]いまんうちぃ、うすてんとなあ(今のうちに捨てないとね)。
 〔未〕うすちゅう
 [意]捨てよう。[例]なり、いまかり、うすちゅうか(それなら今から捨てようか)。
 〔仮〕うすつら [意]捨てれば。[例]そるぅ、こまんのじゃねえんな(それを捨てれば困るんじゃないの)。
 〔命〕うすちい
うすてよ [意]捨てろ。「うすてぃ」とも。[例]はよ、うすちい(早く捨てろ)。


うすむる 
<動・中三>[意]薄める。命令形は「うすみい」となるので、大分独特の変形下二段活用「中三段活用」である。
 〔未〕うすめん [意]薄めない。[例]まちっと、うすめんと、こいいが(もう少し薄めないと濃いよ)。
 〔未〕うすみゅう [意]薄めよう。[例]なり、うすみゅうか(それなら薄めようか)。
 〔仮〕うすむら [意]薄めれば。[例]どんくれ、うすむら、いいんな(どのくらい薄めればいいの)。
 〔命〕うすみい
うすめよ [意]薄めろ。[例]まっと、うすめよ(もっと薄めて)。


うせかくる 
<動・中三>[意]他人のせいにする。命令形は「うせかきい」なので、大分独特の下二段活用の変形「中三段活用」である。
 〔未〕うせかけん
 [意]他人のせいにしない。[例]そげえしち、すぐ、ひとにうせかけんので(そうやって、すぐに人のせいにしないんだよ)。
 〔未〕うせかきゅう
 [意]他人のせいにしよう。[例]あいてぃ、うせかきゅうか(あいつのせいにしてやろうか)。
 〔仮〕うせかくら [意]他人のせいにすれば。[例]なんでんかんでん、うちぃ、うせかくら、いいわ(なんでもかでも、私のせいにすればいいよ)。
 〔命〕うせかきい
 [意]他人のせいにしろ。[例]おうちゃきい、やてぃ、うせかきい(横着なやつのせいにしろ)。
 ※『緒方町誌』


うそすっぱく
 
<名>[意]真っ赤な嘘。「うすっぱく」「うそっぱく」に同じ。

うそっぱく <名>[意]真っ赤な嘘、嘘八百。「うそすっぱく」「うすっぱく」に同じ。
 ※竹田出身、水瀬さん


うそんかわ
 <名>[意]嘘。[例]あんしん言うこた、うそんかわんじょう(あの人の言うことは、嘘ばっかり)。

うたう <動・五>[意]歌う。詠う。標準語とは活用が一部異なる。
 〔未〕うたわん [意]うたわない。
 〔用〕うとうた [意]うたった。標準語と異なりウ音便の形になる。
 〔仮〕うたわ [意]うたえば。

うだく <動・五>[古語]抱く。懐く。[意]抱く。辞書には「うだく」が載っていて「抱く」「懐く」の字が使われている。語釈は「いだく。だく」とある。文語表現「いだく」と関連性があるのか?
 〔未〕うだかん [意]抱かない。
 〔用〕うでえた [意]抱いた
 〔仮〕うだか
 [意]抱けば。
 ※緒方・入道さん


うたちい
 <形>[古]転(うたて)し[意]汚い、むさくるしい、嫌だ、感心しない、情けない、嘆かわしい。2008年1月11日発行の岩波書店「広辞苑第六版に「福岡の方言」として収録された。[例]あいたぁ、うたちいやっちゃ(あいつはむさくるしい奴だ)。
 〔用〕うたちゅう
 [意]きたなく、むさくるしく。[例]なんかしらん、うたちゅう、みゆるで(何だか知らないが、むさくるしく見えるよ)。
 〔仮〕うたちから [意]汚ければ、むさくるしければ。[例]そげえ、うたちから、そべおるしが、せつがるで(そんなにむさくるしくしていると、そばにいる人が嫌がるよ)。
<参>義朝ハ、父為義ガ首ヲ切ル。ウタテカリシ事也(保元物語)。
【邦訳日葡辞書】「ウタティ」悲しい(こと)、または、苦しく切ない(こと)


うち 
<名>[意]女性が自分のことを指して言う場合に使う、私。[例]うちゃ、さきいいぬるきな(私は、先に帰るからね)。

うち
 
<接頭>[意]動作を強調する。[例]うちくらわする、うったたく(ぶん殴る)、うちくらう(無茶食いする)、うったつる(上乗せする)。

うちあぐる 
<動・中三>[意]物を上に高く打ち上げる。命令形は「うちあぎい」で、大分独特の変形下二段活用の中三段活用である。
 〔未〕うちあげん
 [意]打ち上げない。[例]はなびゃ、まだ、うちあげんのな(花火は、まだ打ち上げないの)。
 〔未〕うちあぎゅう [意]打ち上げよう。[例]じき、うちあぎゅうで(すぐに打ち上げるだろうよ)。
 〔仮〕うちあぐら [意]打ち上げれば。[例]ぼつぼつ、うちあぐら、いいになあ(そろそろ打ち上げればいいのにねえ)。
 〔命〕うちあぎい [意]打ち上げろ。[例]ああもう、はよ、うちあぎい(ああもう、早く打ち上げろ)。
【邦訳日葡辞書】「ウチアグル」打ち上げる。


うちくらわする
 
<動・中四>打ち喰らわする。[意]ぶん殴る。大分独特の変形下二段活用の「中三段活用」である。
 〔未〕うちくらわせん [意]ぶん殴らない。
 〔未〕うちくらわしゅう [意]ぶん殴ろう。
 〔仮〕うちくらわさ [意]ぶん殴れば。
 〔命〕うちくらわしい [意]ぶん殴れ。

うちくらう <動・五>打ち喰らう。[意]無茶食いする
 〔未〕うちくらわん [意]無茶食いしない。
 〔仮〕うちくらわ [意]無茶食いすれば。


うちどお 
<連語>[意]私たち。「うっとお」「うんどお」に同じ。[例]うちどお、たったいまきたんで(私たち、ちょうど今来たんだよ)。

うちんし 
<名>[意]妻が夫のことを指していう語。夫。亭主。「うちのひと」。[例]うちんしが、かいっちきたごたる(夫が帰ってきたみたい)。<反>うちんの

うちんの 
<名>[意]夫が妻のことを指していう語。妻。女房。家内。「うちの」とも。[例]うちんのかり、いわれち、おかずぅかいにきた(家内に言いつけられて、おかずを買いに来た)。<反>うちんし

うったたく
 
<動・五>打っ叩く。[意]ぶん殴る。
 〔未〕うったたかん [意]ぶん殴らない。
 〔用〕うったてえた [意]ぶん殴った。
 〔仮〕うったたか [意]ぶん殴れば。

うったつる <動・中三>打っ建つる[意]上乗せする。命令形は「うったちい」となるので、大分独特の下二段活用の変形「中三段活用」である。
 〔未〕うったてん
 [意]上乗せしない。
 〔未〕うったちゅう
 [意]上乗せしよう。
 〔仮〕うったつら [意]上乗せすれば。
 〔命〕うったちい
 [意]上乗せしよう。


うっつく <動・五>[意]突っ伏す、うつ伏せになる。
 〔未〕うっつかん [意]突っ伏さない。
 〔用〕うってぃいた [意]突っ伏した。
 〔仮〕うっつか [意]突っ伏せば。


うっとぉ
 
<連語>[意]私たち。「うんどお」に同じだが、うっとぉは主として女性が使用する。[例]うっとぉ、かきゅぅとったりこすらせんで(私たちは、柿をとったりなどしていないですよ)。

うっとこ 
<連語>[意]私の家。時に女性が自分の夫を指して言うこともある。[例]うっとこに、きなあ(私の家に来なさい)。うっとこは、よんべ、はよう、かいっちきたで(私の夫は昨夜、早く帰って来たよ)。

うてあう
 
<動・五>[意]相手にする。[例]いつまじでん、あげんやてぃ、うてあうな(いつまでも、あんなやつに取り合うな)。
 〔未〕うてあわん [意]取り合わない。[例]うてあわんと、よけい、ふうがわるなるんじゃわ(取り合わないと余計に機嫌が悪くなるんだよ)。
 〔仮〕うてあわ、うてあや [意]相手にすれば。[例]あげんしぃ、うてあわ、ばこぉみるだけじゃ(あんな人を相手にすれば馬鹿をみるだけだ)。


うと <名>[意]空洞。「うとんぽ」に同じ。[例]なんかええ、なかあ、うとじゃ(なんだよ、中は空洞だよ)。

うとんぽ
 
<名>[意]空洞。「うと」に同じ。[例]こんきんなかぁ、うとんぽになっちょるごたる(この木の中は、空洞になっているみたいですよ)。

うな <連語>うぬ・は[意]てめえ。喧嘩腰で話す際、相手を呼ぶ言葉の枕詞のように使われる。[例]うなぁ、今なんちゅうたか(お前、今なんて言ったか)。<類>うなわら、うなわれ、わらうな、われうな

うなぬしゃ <連語>[意]「うなわれ」「われうな」と同義。「自(うぬ)」「は(格助詞)」「ぬし(主)」「は(格助詞)」で構成されている。
 ※緒方・みっこさ

うなめ 
<名>[意]牛馬の雌。「おなめ」とも。<反>こってぃ
【邦訳日葡辞書】「ウナメ」牝牛。


うなわら 
<連語>自は・我は[意]喧嘩腰で物を言う際の常套句で、「てめえ、この野郎」。「うなぬしゃ」「うなわれ」、「わらうな」「われうな」に同じ。「うぬ」は「自惚れ(うぬぼれ)」の「自」で、後に続く格助詞「は」と結びついて「うな」となる。同様に「わら」は「我」と格助詞「は」が結びついている。

うなわりゃ 
<連語>自は・我は[意]てめえ、この野郎。「うなぬしゃ」「うなわら」「わらうな」「わりゃうな」などに同じ。

うぶる
 
<動・中三>[意]熱い湯に水を入れてぬるくする。うべる。「うむる」とも。命令形は「うびい」となるので、大分独特の下二段活用の変形「中三段活用」である。[例]あつから、うべなあえ(熱かったら、水を入れなさいよ)。
 〔未〕うべん
 [意]うめない。[例]あちいき、うべんと、はいりきりめえで(熱いから、うめないと入ることができないだろうよ)。
 〔未〕うびゅう
 [意]うめよう。[例]うびゅうち、おもうちょった(うめようと思っていた)。
 〔仮〕うぶら [意]うめれば。[例]いいように、うぶらいいわ(適当にうめればいいよ)。
 〔命〕うびい、うべよ
 [意]うめろ。[例]あつから、うびいや(熱かったらうめろよ)。

うまるる <動・中三>[意]生まれる。命令形は「うまりい」となるので、大分独特の変形下二段活用「中三段活用」である。
 〔未〕うまれん [意]生まれない。[例]まだ、うまれんのな(まだ生まれないの)。
 〔未〕うまりゅう [意]生まれよう。[例]じきい、うまりゅう(直に生まれるだろうよ)。
 〔仮〕うまるら [意]生まれれば。[例]はよう、うまるら、いいに(早く生まれればいいのに)。
 〔命〕うまりい、うまれよ
 [意]生まれろ。[例]はよう、うまりい(早く生まれろ)。
【邦訳日葡辞書】「ウマルル」。生まれる


うまれだち 
<連語>[意]生まれたばかりの。生まれて間もない。[例]うまれだちじゃき、まだ、めもあいちょらん(生まれたばかりだから、まだ目も開いていない)。
【邦訳日葡辞書】「ウマレダチ」うまれたばかり。


うむ 
<動・五>[意]生む。産む。標準語とは活用が異なる。
 〔未〕うまん [意]うまない。
 〔仮〕うま [意]うめば。[例]ねこい、こをうま、わけちゃぐるわ(猫が子を生めば分けてあげるよ)。


うむす
 
<動・五>[古語]蒸す。[意]@蒸す。A鳥が卵を抱いて温める。辞書には「うむす」が載り、「蒸気を通して熱する。むす」との語釈が載る。
 〔未〕うむさん [意]@蒸さない。A抱卵しない。[例]いもぉ、うむさんな(芋を蒸しませんか)。
 〔仮〕うむさ [意]@蒸せば。A抱卵すれば。[例]こんたまぐう、うむさ、かいわるるかんしれんで(この卵を温めれば孵化するかも知れないよ)。


うむる
 <動・中三>[意]熱湯を水でぬるくする、「うぶる」に同じ。命令形は「うみい」になるので、大分独特の下二段活用の変形「中三段活用」である。
 〔未〕うめん [意]うめない。
 〔未〕うみゅう
 [意]うめよう。
 〔仮〕うむら [意]うめれば。
 〔命〕うみい [意]うめろ。
 ※緒方・入道さん
【邦訳日葡辞書】「ウムル」物を入れて塞ぐ、酒に水を入れる、湯を加減するために水を注ぎ入れる。


うめえ 
<形>[意]おいしい。旨い。
 〔未〕うもねえ、うもうねえ [意]おいしくない。[例]あんまれ、うもねえで(あまりおいしくないよ)。
 〔仮〕うまから [意]おいしければ。[例]うまから、なんぼでん、くちくりい(うまければ、いくらでも食ってくれ)。


うゆる 
<動・中三>[意]草木などを植える。標準語は下一段活用だが大分では下二段活用となる。ただし、命令形が「ういい」となるため正確には中三段活用と呼ぶべきかも知れない。
 〔未〕うえん
 [意]植えない。[例]こん、なゆう、うえんな(この苗を植えませんか)。
 〔未〕うゆう
 [意]植えよう。[例]そこん、あいちょるとこりい、うゆうか(そこの空いている所に植えようか)。
 〔仮〕うゆら [意]植えれば。[例]そげんとこりい、うゆら、わりいわ(そんな所に植えれば、駄目だよ)。
 〔命〕ういい
うえよ [意]植えろ。[例]なり、あっきい、うえよ(それなら、あそこに植えなさい)。
【邦訳日葡辞書】「ウユル」植える。

うら <名>[意]木や竹の先。
 ※清川・邦友さん


うるか 
<名>[意]鮎の身を骨ごと内臓も一緒に細かく切って作った塩辛状の発酵食品。。温かいご飯に乗せたり、冷奴に乗せたりして食べる。
【邦訳日葡辞書】「ウルカ」鰭、鮎の卵を塩漬けにしたもの。苦鰭、鮎のはらわたを塩漬けにしたもの。


うるしまけ 
<名>[意]漆の樹液にかぶれて顔が腫れあがること。
【邦訳日葡辞書】「ウルシマケ」漆負け。ニス(漆)を取り扱ったために顔が腫れあがり、真っ赤になること。


うる 
<動・五>[意]売る。標準語とは活用が一部異なる。
 〔未〕うらん [意]売らない。[例]なし、うらんのな(どうして売らないの)。
 〔仮〕うら、うりゃ [意]売れば。[例]すてんでん、うら、いいに(捨てなくても売ればいいのに)。


うるる 
<動・中三>[意]売れる。命令形は「うりい」となるので、大分独特の変形下二段活用「中三段活用」である。
 〔未〕うれん
 [意]売れる。[例]そげえたかから、うれんで(そんなに高ければ売れないよ)。
 〔未〕うりゅう
 [意]売れよう。[例]なんぼなり、うりゅうか(いくらなら売れようか)。
 〔仮〕うるら [意]売れれば。[例]うるら、いいがのお(売れればいいがねえ)。
 〔命〕うりい、うれよ
 [意]売れろ。[例]はよ、うりい(早く売れろ)。


うるる 
<動・中三>[意]果物が熟す、熟れる。命令形は「うりい」となるので、大分独特の変形下二段活用「中三段活用」である。
 〔未〕うれん [意]熟れる。[例]ひがてらんき、なかなか、うれん(日が照らないから、なかなか熟れない)。)
 〔未〕うりゅう
 [意]熟れよう。[例]てんきになら、すぐ、うりゅう(天気になれば、すぐに熟れるだろう)。
 〔仮〕うるら [意]熟れれば。[例]うるら、つんじ、しゅっかするんじゃ(熟れたら摘み取って出荷するんだ)。
 〔命〕うりい
 [意]熟れろ。[例]はよ、うりい(早く熟れろ)。

【邦訳日葡辞書】「ウルル」熟れる。


うわしんど 
<名>上新造か[意]住宅の屋根の部分の造り替え。
 ※緒方・入道さん


うんすけ 
<名>[意]焼酎や酒を入れる陶器の壷
 ※緒方町誌


うんどぉ
 
<連語>自(うぬ)・等?[意]私たち。「うっとお」「うちどお」に同じ

うんとこ 
<形>[意]たくさん。[例]うんとこせぇ、たべちくれなあ(たくさん食べてください)。

うんにゃ 
<副>[意]いいえ。「いんね」に同じ。
 ※清川出身・あんちゃん