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ヴェゼール渓谷の装飾洞窟群

1940年9月12日、フランス南西部モンティニャックという村で子供たちによってラスコーの洞窟壁画は発見された。4頭の巨大な牡牛が壁面を飾り、酸化鉄の赤、黄、二酸化マンガンの黒の顔料などで彩色されていた。ラスコー洞窟の壁画は1万7千年前に描かれたもので、躍動感ある色彩豊かな動物の姿が残されている。深いところで見つかった壁画には野牛の前に横たわる人の姿があり、描かれた人間は鳥のような頭を持ち、人間の傍らには杖の様なものが転がり、宗教的な意味か謎である。 ラスコー洞窟の一番手前の部分には、実在しない想像上の生き物「一角獣」が描かれている。別の洞窟には、下半身は人間、上半身は鹿の姿をした半獣半人が描かれていて、神話の世界を思わせる。氷河期、トナカイの移動地点にクロマニヨン人たちは住居を定め暮らしていた。ラスコーの洞窟壁画は1948年に一般公開されたが、観光客の吐く息がバクテリアを洞窟内に繁殖させ、壁画は黴や藻におおわれてしまった。1963年、ラスコーの洞窟は閉じられ、その20年後に「牡牛の部屋」の複製「ラスコーII」がつくられた。