ヨーロッパ海外旅行
天使の休息

生きることに疲れた人はとにかく休むことである。一つ一つ気になることを片付けようとしても片付けていけないのが、生きることに疲れた状態である。小さなことを片付けないでいることで余計に落ち込んでくる。始めれば三分で片付くことでも、生きることに疲れると、それができない。生きることに疲れた人は脳は若くない。肉体的に若くても気力はない。生命力は落ちている。そのような人はあまりにも長い間悲しみに耐え、情緒的虐待に耐え、激しいストレスの中で生きてきた。ずるい人にいいように扱われ生きてきた。その間に脳はあまりの苦しみで老化していたのである。日本の社会にはこのような人が多いのではないだろうか。しかし、脳の老化は外には見えない。周囲の人はいつまでもきついことを要求し続ける。人は年寄りには走れとは言わないが、脳の老化した人には走れと言う。周囲の人はいつまでもきついことを要求し続ける。生きることに疲れた人は真面目な人である。努力してきた人である。努力している時に、まさか自分がこのようになってしまうとは予想もしなかった。自分の努力は、いつか報われると思っていた。まさか、自分の人生がこのような形で行き詰まるとは予想していなかった。いま、生きることに疲れて、何もする気にならない。生きることに疲れた人は今まで頑張りすぎた。頑張りすぎなければ、生きることに疲れることはない。生きることに疲れたら、いま休んでよい。自分の心も体も休ませてあげる。今は無理をしないことである。いま休むことで周囲の人に迷惑をかけることを気にしているかもしれない。しかし、いま休んでよい。心身共に元気になったらその分頑張ればいい。もうこれ以上頑張る必要はない。もう周囲の人から好かれる必要はない。いまは静かに休むことである。もし、静かに休むことで蔑視する人がいれば、その人はあなたが頑張っている時には、あなたから搾取する人である。そんな人とは関係が切れた方が身のためである。そのような人はあなたが頑張っていれば、あなたから搾取し続け、あなたを利用し続ける。あなたは疲れ、その人は元気になって豊かになり続ける。人生には頑張るときと、休むときがある。あなたは休まないで頑張り続けてきた。いまはその分休むときなのである。いま休むことで次の幸せの準備をしているのである。きっと春がくる。それまで休む。今の生きることにつかれた状態は自分の人生の中で必要なトラブルを思えばいい。そして、このトラブルから学ぶことである。悪いと思うから心が重くなり逃げ出したくなる。いま人に尽くしても、尽くす人を間違えるだけである。いま人の期待に応えようとしても、逆に傷つくだけである。今は人の期待に応えないで旅行でもして休む時である。ただ景色を見ていればいい。好きな音楽があればそれを聴いて旅先で過ごせばいい。好きな本があれば旅先でそれを読んで過ごせばいい。ヨーロッパ旅行の中で心の底に積もり積もった憎しみの感情のはけ口を見つけることである。うっ積した感情に響いてくる何かが、旅行や音楽や文学にはある。ただし、一般的に定評のあるものを選んではならない。自分の心に響いてくるものがあるかないかが選ぶ基準である。生きることに疲れた人は、まず何よりも自分を守らなければならない。生きることに疲れた人は自分を守ることをしてこなかった。これまで頑張ってきて、何かを得ただろうか。周りの人は何か力を与えてくれているだろうか。何も与えてくれはしないのではないだろうか。どうしても人から評価して欲しいかもしれない。しかし、今あなたは生きることに疲れている。誰でも人から評価されようとして無意味な努力をする。しかしその生き方がいかに愚かであるかを、あなたは心底感じたのではないだろうか。人間の本性の愚かさは人から聞いてもなかなか本当には理解できない。それは自ら体験して初めて理解することができる。生きることに疲れたあなたは今それを学んだ。今までのあなたの人生は人間の愚かさを学ぶための人生だったのである。苦しい時に何の心の支えにもならないものの為に、あなたはどれほど努力してきたことか。いまあなたはその無意味さを心底味わったのである。生命力の低下した今こそ、人生を理解するときなのである。生きることに疲れた時、それは旅先で自分を理解する時なのである。それを理解するためにいままで辛い人生を生きてきたのである。生きることに疲れたあなたはたくましくはなれなかったが、考えは深くなった。この時期を乗り越えれば、前よりも考え深く、思いやりのある人になっている。あなたは今まで自分に不誠実に生きてきた。これからは自分に誠実に生きることである。淋しがりやの人は誉められることが嬉しい。人が自分に注目してくれる事が嬉しい。そこで自分を見失う。自分を知っていれば、自分のエリアの中で楽しむことができるし、他人のエリアに深入りすることはない。自分を見失い、他人のエリアで生きることでノイローゼになる人もいるし、中には事件を起こしたり自殺する人さえいる。皆どうしていいか分からなくなってしまった人々であろう。そんなことをしていたら、ヨーロッパにすばらしい国がたくさんあることも知らずに、人生はあっというまに終わってしまう。
休みながら3つのことを自分に質問してみる。
@もし明日死んでしまうとしたら、いま自分は何をするのか。
 人生は一度しかない。本当に一回である。今まで一度でも考えたことがあるだろうか。この人生は一度しかないと本気で思ったら、あなたの生き方は違ってくるのではないだろうか。
Aいま周りにいる人たちと、どういう人間関係で終わるのか。
 いま自分の周りにいる人たちは自分が困ったとき助けてくれる人か。そう思って周りの人たちを見たら、誰が誠実か、誰が不誠実かが少しは分かるかもしれない。
B自分は今まで何をしてきたのだろう。
 疲れ果てたとき、いったい自分は今まで何をしてきたのだろう?と考えるのが自然である。もし、それを口に出さないとしたらどうしてだろうか。それは、あなたが周りの人たちの期待に応えられないことを恐れているか、周りの人たちを憎んでいるかである。
今を生きられない人は、満たされない過去の欲求に支配されてしまっている人である。過去の様々な感情を抑圧している人は、なかなか今を生きられない。今を生きるとは、今の静けさを味わいなさいと言うことである。自然の音を聞きなさいと言うことである。体は現在に生きていても、心は過去の時間に捕らわれている。過去にこだわるのは、今動けないからである。過去をひきずっているのは、前に進めないからである。自分が何をしたいのかが分からない。危険地帯で生きてきたからである。長い間、安全な場所で自分は何をしたいかを考えてこなかったからである。だから、いま先へ進もうとする時に、自分は間違いなくこれをしたという確認がほしい。その確認がないと先に進めない。自己執着的な納得をしてから先に進む。被害者意識に立ってものを言う人が日本人には多い。それは日本人には心の底に憎しみがあることを示している。日本の社会は何かがおかしいのである。ヨーロッパには美しい自然の中で、感情の豊かなやさしい人がたくさん住んでいる。特にスイスの自然はとても美しい。川や湖の水はどこまでも透き通っている。心が疲れたら、美しい自然とやさしい人たちに接することである。心理的に病んでいる人は、避けようのない運命のもとに苦しんでいるのである。不幸な過去から抜け出し、今を生きるための唯一の方法は決断である。ヨーロッパを旅しながら、日本の社会とはこういうものであり、人間とはこういうものである!と学び、そして、ならば私はいまからこう生きようという決断である。それは孤独な旅立ちの決断である。本来絶望と恨みの中で死んでいくのが当たり前の者が、それでもなお、ヨーロッパを旅しながら生きるための決断をするのである。わがまま放題の人と違って色々と我慢して真面目に頑張り、悔しさにも耐えて生きることに疲れた人は、自分を殺して生きてきた。その姿が社会への過剰反応なのである。そのストレスが、あなたの生きるエネルギーを奪った。生きることに疲れたあなたは、いま頑張ることで物事を解決しようとしてはいけない。ヨーロッパ旅行でもして休むことで解決しようとすることである。人は頑張ったり、疲れて休んだりしながら成長していくのである。頑張るだけで成長していくのではない。頑張ることも生きることだけれど、休むこともまた生きることなのである。無理をしてもそのことをすることは望ましいとしてきた価値観が間違っているのである。頑張ることだけでは何も解決しない。生きることに疲れた時に必要なのは、努力でも頑張りでもなく、休むことであり、この機会に生き方を変えることである。あるいは人を見る目を変えることである。肯定的なことに目を向けることである。努力と意志だけでは物事は解決できない。上手に生きる知恵が必要である。生きる姿勢を変えれば、周囲に集まってくる人も違ってくる。だから、疲れたいまは休養と反省である。そして、疲れた今は自分には違う道があったと気が付く機会である。あなたは今の悩みの種を、過去のどこかで蒔いている。その蒔いた種が成長して、いま実ったのである。今あなたが疲れているのは、それを収穫しているということである。だから、悩み始めたら覚悟をして収穫することである。そして、あの過去があったから今の幸せがあると思う時が来る。旅先でいままでの自分の心の世界の歴史を書くのも一つの方法である。心の中をありのままに書くのである。憎らしかったことを憎らしいと書くのである。人に見せるものではない。立派なことを書こうとすると、いくら書いても心の休養にはならない。人に気に入られたいという気持ちがあると、いくら書いても元気にならない。大切なことは、書くことでうっ積した感情を吐き出すことである。あなたが、ああ、この人生は自分のものなのだと気が付くまで書くことである。もし心の底にうっ積した感情を吐き出せれば、時と共に生きるエネルギーは戻ってくる。生きることに疲れたあなたは、あなたの心の底にたまった無念の気持ちのすごさに気が付いていない。生きることに疲れたあなたは、憎しみや敵意があることに自覚することである。私はあなたたちが嫌いだという自分の感情を認めることである。幸せになる第一歩は自覚である。現実を認めることである。まず自覚が先である。あなたが思っているよりもはるかにあなたは人を恨んでいる。それをあなたは我慢してきた。だからあなたは生きることに疲れたのである。おそらくどのくらい人を恨んでいるかに気が付いた時には、あなた自身が驚く。それくらいあなたは日々我慢をしてきた。だからあなたは生きることに疲れ、生命力が低下したのである。そこまで自分を欺けば生命力の豊かな人にはならない。あなたは会社に行って周囲にいい顔をするのがイヤなのに、イヤと意識もせずに毎日会社に行っていい顔をしていた。毎日のことなので、意識はされていないが、確実に心は日々傷ついていた。落ちる水滴が石をもうがつように、毎日のストレスがあなたの心を傷つけていた。あなたは毎日自分の生命力が少しずつ落ちているのに気が付かなかった。そして、ある時に何をするのもイヤになる。悩みは毎日の自らを欺いた生活の結果である。だから、ヨーロッパ旅行でもして自分のために行動しよう。心の疲れは昨日起きた出来事が原因ではないのだから、旅をしながら時期の通り過ぎるのを待ってみよう。慢性的なストレスのもとでは、慢性病を引き起こしたり、病気を悪化させたりすることがある。免疫系は抑制されたり、機能が低下したりしやすく、血液中のコレステロール値は上がり、骨のカルシウムは失われる。またストレスが長引くと、緊張力の上昇が頭痛を招いたり、痛みを悪化させたりすることもある。腸の機能の異常が下痢やけいれんを招いたり、痛みを悪化させたりすることもある。心拍数の上昇が不整脈の危険を増大させることもある。その上、免疫が抑制されたために、風やインフルエンザなど危険な病気に対する抵抗力も落ちる。心の問題を外側の変化で解決しようとしている人は慢性的なストレスにさらされる。生きることに疲れたら、自分を正常に戻すために、とにかく今はヨーロッパ旅行でもして休むことである。ヨーロッパの旅、それは自分を見つめ直す心の旅なのかもしれない。






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