この国には武器を取り締まる目的もあり、警察の検問が沢山あるが、しかし闇の警察もごろごろしており、冤罪に伴う賄賂も氾濫している。有料通行手形みたいなもんだ。そんなとばっちりに僕も巻き込まれる事になろうとは。
それは一昨日この国の首都プノンペンでレンタルバイクを借り市内を観光している時のことだった。
突然、「ピピー!!、止りなさい!さあ歩道に上がって!」
(おいおい、わしが何したんやっちゅうねん?!)
「ここは公用車しか通ったらあかんのや!お前はそのルールを破った!」
「知りませんがな・・帰ってええか?」
「だめだ!ここはカンボジアだ!ルールに従い警察署まで連れて行く!」
「待ってくれ!皆同じように走ってるやん?!」
「あれは公用車だからいいんだ!」
「わしのバイクも公用車やろ?!」
「あほか!」
「とにかく待っておれ!」
(えらいもん巻き込まれたわな・・どうしよか?!)10分ぐらいして・・
「後ろのれ!」
(あーー罰金かいな・・いくらやろ??)
「なんぼや?」「5$」(しゃあないな・・)
すると何故か警察の下っ端が現場近くをうろちょろうろちょろ・・
僕になにか言っている。
「20$20$・・・ボソボソ・・・」
(あ・・こいつ賄賂要求しとんねんな・・下向きながらボソボソ言いいやがってしかも人の顔も見んと話しやがって!ほんまむかつくぞ!絶対払わんからな!)
「すいません。1000リエル(30円)しか持ってなくてどうしたらいいですか」
「20$20$・・」
「しつこいな!」
「もしこのまま警察行ったら100$やぞ、見逃したるから。」
(あほか、誰がお前に屈するか!)
その後、僕はノーマネーと言い続けてたら、元の場所に連れて行かれた。
すると今度は
「かばんを開けろ!」
(何でお前に指図されなあかんねん!)
「カメラしかないよ・・・」(隠し金見つかったらどうしよう・・)
すると、下っ端警察官が僕のカバンから何かを奪って自分の鞄の中に入れた。
「帰っていいぞ」
(何取ったんじゃい!!)
僕は怒りが頂点に達していたが、これ以上もめると彼らの権限で100$どころかとんでもないことなるかもしれない。
(とりあえず逃げよう)
そうして僕はその場を離れた。そして、カバンを開けて中を確かめてみると、先ほど奪われたものは「電卓」だった。これは後輩が旅出発間際に僕にプレゼントしてくれたものだった。非常に申し訳ないと、その時思ったが、運が悪かったと思って欲しい。本当にはらがたつ出来事だった。しかし現地の人に事情を聞くと、1000$2000$取られてる外国人もざらにいるとのこと。僕は最低限ですんだのだろうか。本当に有り難う、後輩達よ。