あいくるしい

第8話 <恋に落ちる家族>

     竜一(萩原聖人)にボクシングを教えてもらえることになった豪(市原隼人)は、
     毎朝ハードな練習の中にも ”生きがい”というものを見つけ、
     家族にも「世界チャンピオンになって豪邸に改築してやる」と張り切っていた。
     豪のいきいきとした明るさのおかげもあり、真柴家の食卓も笑顔が増えていった。

            フレーフレー!
             誰かが何かを始めると、応援したい気持ちになりませんか?
             世界中の人を応援しよう
             フレーフレー!  うまくいくといいね
             フレーフレー!  本当に・・本当に・・みんなうまくいくと・・・


    幌は、愁と共にクラスメイトである不登校の女の子の家まで、プリントを届けにいった。
    丘の上の豪邸に住む少女は姿を見せることはなかったが、2階の窓から紙飛行機を飛ばした。
        「宇宙で一番おおきな瞳はなんだ?」
    なぞなぞが書かれた紙を拾った幌は、2階の窓を見た。
    そこには、みかん色のカーテンがなびいてるだけだった。
    ずっとなぞなぞの答えを考えていた幌は、ふとひらめく・・・「アンドロメダ星雲」
    幌は、2階にいる少女に会うために屋根によじ登って声をかけた。
    なぞなぞの答えがあっていたこともあり、少女がカーテン越しに話をしてくれる。

      (幌)   「自己紹介するね。僕、6年1組真柴幌」
      (未来)  「幌? 変な名前」
         「幌馬車とかについてる幌。 緑の布のやつ」
         「私は天野未来。クラスメイトなのね」
         「そうだね、君は学校に来ればね。  どうして来ないの?
          昔、イジメられたりとかしたの?  もしそうなら僕、君を応援してあげるよ。」

         「応援?」
         「僕、世界中の人を応援したいんだ」
         「ふーん」
         「それが僕、お母さんからのバトンだから。 ねぇ 学校においでよ」
     幌の言葉には無言で、窓を閉める未来だった。
     
     再び訪れ、「学校に来れるよね?」と誘う幌に未来は・・
         「ここは、お城。私はお姫様。
          助けだしてくれるのは、連れ去ってくれるのは、白馬に乗った王子様だけ・・
          毎日ここで夕陽を見たり、星空を眺めたりして思ってるの・・
          いつの日にか、王子様がって・・・。」

     みかん色のカーテンのむこうで、そう話すのだった。
   
     幌は、みかん色のビー玉を空にかざし、考えていた・・・・・
           ”やさしい人になってね、傷つけられてもやさしい人に・・・”そんな母の言葉を思い出しながら。     
   
   一方、みちる(綾瀬はるか)は初めて好きになった淳一に別の恋人がいることを知ってしまう・・
   家の中で気丈に振舞うみちるだったが、一人になって涙をこぼすのだった。

        (幌)  「失恋すると泣くの?」
        (明示) 「いや、恋をするだけで泣く人もいる」
            「人を好きになって泣くの?」
            「好きすぎて泣くのさ・・・敗れてまた泣く・・」
            「悲しいことばっかりだね」
            「まぁ悲しいこともあるさ」
            「じゃあ、なんで恋なんかするの?」
            「人間だからだよ・・・
             人は誰でも、愛されることを望むんだよ
             それが一番幸せなことだとわかっているからね
             でもね、そのためには相手が必要なんだ。
             愛は偶然の出会い・運命の出会い・いろんな出会いの中で育まれるんだよ
             でも、もしかしたら、そういう相手に出会えないかもしれない。
             そうすると、自分だけただ愛していても、無駄だと思ってしまうかもしれない。
             だったら、恋することも、愛することもやめるって考えるかもしれないね。
             誰も愛さない・・・・それは人間でなくなることなんだよ
             恐ろしい怪物になることなんだ。

         「怪物?」
             だから人は、人間でありたいと思う以上、愛することをやめてはいけない
             たとえ、誰からも愛されなくてもね」


      人を好きになって泣いているみちるを心配して、陰からそっと見守る幌だった。

     妻を亡くした徹生(竹中直人)は、亡き由美(原田美枝子)にそっくりな女性出会う。
     ドライブインで働くその女性は、何度も通いながら盗み見をしている徹生を気味悪く思うのだった。
     我慢の限界で、警察に電話をすると受話器をとる女性に
     徹生は「似てるんだ・・俺の愛した女房に・・」そう涙ながらに話した。
     唖然とする女性に、あとに続いて唄が「お母さん!」と笑顔で抱きつくのだった・・・・

     幌は、豪や友達の力をかりて白馬の王子様の格好をして、未来に会いにいった。
     白馬の胴体や顔をかぶっている耕作や羽生は文句を言いながらも協力的だった。
     「明日から学校に行こう 白馬の王子より」
     そう書いた紙飛行機を窓にむかって飛ばした。
     初めて、窓から顔を出した未来は、王子様姿の幌を見て微笑んだ。

            僕はこの時、なんだかとても不思議な気持ちがしたのです。
      
            (未来) 「あなたが幌ね」
             (幌)  「君が未来」

              ふんわりやさしくて、なんだか、みかんを食べた後の甘酸っぱい気持ちです
              後でおじいちゃんに聞いたら、こう言われました
              そこからが・・・・ワォ!  恋の始まりなんだと・・

      「これで学校来てくれるね?」そう問う幌に、悲しそうに首を振る未来は・・・車椅子に乗っていた。

                                           第9話       TOPへ