2007年晩秋 拍手SS










     「テニスの王子様」 幸村精市





『好きだよ』と。


言えたら、どんなに簡単だろう。



ええ?ああ、まぁね。真田はイイ男だよ。
付き合ってるコ?多分、いないんじゃないかな?
俺に?・・・君の頼みでも訊けないよ。


自分の好きなコが、親友の好きな人を訊きたがってる。



ああ、なんて運命は残酷なんだ。















     「金色のコルダ」 柚木梓馬





『好きだよ』と。


言えたら、どんなに簡単だろう。



そんな眼で俺を見るなよ。
言葉にできない想いは音にのせるだけで十分に伝わっている。
失うと知っていて、それでも愛さずにはいられない。


告げようとしてきた大事な言葉を指で止めた。



ああ、なんて運命は残酷なんだ。















     「ときメモGS」 姫条まどか





『好きや』って。


言えたら、どんなに簡単やろう。



本気になればなるほど、意識して普通に振舞えなくなる。
お前に嫌われたくなくて、いい奴やと思われたくて。
好かれたいと思えば思うほど、言葉も態度もギコチナイ。


偶然に会った女のコたちとお茶をしてたら、お前に会った。



ああ、なんて運命は残酷なんやろ。















     「遥かなる時空の中で3」 有川将臣





『好きだ』と。


言えたら、どんなに簡単だろう。



明日をも知れない命だ。
告げておきたいと思うのは俺の我儘か。


俺が告げれば、お前は迷う。
振り下ろす刃に迷いがあれば命取りになるだろう。


愛した女の刃なら、喜んで身に受ける。



ああ、なんて運命は残酷なんだ。















     「テニスの王子様」 跡部景吾





『好きだ』と。


言えたら、どんなに簡単だろう。



その手を取れば苦労させる。
育った環境も生きていく道も違う。
それでも惹かれる心を止めることが出来ない。
欲しくて欲しくて堪らない。



『いいの。今だけ、傍にいれたらいい。』



綺麗に笑うなよ。
ちくしょう。この残酷な運命をどうしてくれよう。




















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