占い
10月7日生まれ。
性格。
この日に生まれた人は、真面目な礼儀ただしい人間です。
使命感が強く、最後までやりとおす実行力もありますので指導者に向いています。
責任感や管理力もあるので、仕事面では信頼されるでしょう。
ただ 、集中すると他の存在を忘れてしまい、周囲が目に入らなくなります。
ものごとの本質を正確に突いて、口にしてしまったりするので、周囲の人間には疎ましがられるかもしれません。
そのため広い交際は望めませんが、気の合う人間とは末永く交際できます。
愛情面では、一人の人間を大切にするタイプです。将来的には円満な家庭を築くでしょう。
昼休み。
裏庭のベンチに腰をおろして日向ぼっこをしながら、周囲のざわめきも気にならないほど真剣に文字を追う。
「う〜ん。これ、当たってるかも」
つい零れた独り言。まさか、返事が返ってくるとも思わずに。
「当たっているのか?」
「へ?」
聞きなれた声に顔をあげると同時に、広げた本の上に落ちてくる陰。
「てっ手塚君!どうしてっ」
「テニス部の部室からは、裏庭を横切った方が近いんだ。
で?10月7日生まれは・・・誰だ?」
昼の太陽を逆光にして見る手塚君の表情は良く分からない・・・というか、まともに見られない。
どうしようっ!この誕生日はっ、本人を目の前にして言えるはずが無い。
「あっ、あのっ。」
「の誕生日なのか?」
「あのっ、え?」
「奇遇だな。俺の誕生日と一緒だ。」
手塚君は勝手に納得して、こともあろうに私の隣に腰をおろしてきた。
ひえーっと、ひとり焦っている私になど気づきもせず。
私の膝から、あっさりと本を取り上げて文字を追い始める。
「て、手塚君?」
「ふーん。当たっているのか、当たっていないのか・・・良く分からないが。には当たっていたのか?」
「どっ・・・どうかな?」
駄目だ。勝手に顔が熱くなってくる。
だって、大好きな人が隣に座ってて。もの凄く際どい状態にいる。
手塚君の誕生日を調べていたなんて知られたら、『好きです』と告白したと一緒になっちゃう。
なんとか誤魔化して切り抜けなくちゃ。
そう思うのに、ドキドキは止まらないし、頭はのぼせて役に立たない。
私の顔を見て、手塚君がクス・・っと笑った気がした。
あ、笑った。と、まるで珍しいものでも見るような気がして思わず惚けていたら、
手塚君が視線を本に落としながら静かにページをめくり始めた。
「ああ、あった。
心穏やかで周囲の人間、誰にでも好感をもたれます。
ただ、相手のことを思いやりすぎて自分の胸のうちを表現できない事があります。
純粋で真面目な性格。自分の意思をしっかり他者に伝えることが大切です。
愛情面では、心に決めたひとりの人を長く愛するタイプです。
家庭を中心にすえて、幸せな生活が送れるでしょう。」
それは?誰の誕生日?
「確かに、当たっていそうだな。」
「それって、」
手塚君は黙って、読んでいたページを私に見せてくれた。
そのページに書かれていた数字は。
目を見開いて、ただマジマジと何度も数字を追う。
この数字は、よく知ってるの。
だって・・・これ、私の。
「と俺は愛情面が一致しているようだな。」
ボソ・・・と呟いた声に顔をあげれば、
ずれてもいないメガネをあげて、そのまま口元を押さえた俯き加減の手塚君。
私の誕生日をどうして?
その理由は・・・お前と同じだと思いたいのだが。
10月7日、俺の誕生日を調べてくれていたと思ってもいいだろうか?
戸惑いながら、小さく頷けば。
今度こそ、手塚君が微笑んだ。
それは、とてもステキな笑顔で。
ああ、よかった。と、ホッとした声を聞いた途端。
私は嬉しくて、泣き出してしまった。
占い 手塚編
2005.06.25
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