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2006年6月、アウトソーシングカンパニーのテレビコマーシャルの撮影で、
世界遺産ギリシャ・メテオラ修道院群を訪れました。
メテオラは、かねてより行ってみたい場所のひとつにあげていました。







アテネからは北西へおよそ350キロ・・クルマで約5時間・・メテオラに到着します。
メテオラ修道院群を擁するのはカランバカという、人口1万人ほどの小さな街です。
カランバカに着いてまず驚かされるのは、目の前に広がる天に向かって立つすごい数の奇岩群です。



それは、この世のものとは思えない美しさです。


自然が創ったこの美しくも険しい地形は、世俗との関わりを断ち祈りと瞑想にすべてを
捧げる修道士にとっては理想の環境でした。
9世紀には既に岩穴に暮らす修道士がいたそうです。



         






奇岩の上に修道院が造られるようになったのは14世紀です。
イスラム教国の迫害を逃れた敬虔なギリシャ正教徒たちは、この地を誰にも邪魔されず
神に近づく場所と考え、断崖の上に修道院を建設したのです。
断崖の上に建設資材を上げるのに20年、建設にはさらに20年を要したと伝えられます。
メテオラとは、ギリシャ語で「天空」を意味します。





            
     
最盛期にはほとんどすべての奇岩の上に修道院がつくられ、
その数は24にのぼったそうです。
現在は6つの修道院が残っています。
どれも活動中の修道院です。
修道士の数は女子修道士の方が多く、男子修道士は数名だそうです。






       


近年、観光客の増加に伴い、祈りの場の静寂は奪われつつあると言われています。
つい最近、より静かな場所を求め、岩山に埋もれるように新しい修道院が造られたそうです。
修道士たちはどこまでもストイックです。
神々に近づく神々しい場所・・メテオラはそんな印象の場所でした。