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シネマクルーズ第7回の舞台はモロッコです。 |
モロッコは、マグレブ=陽の沈むところ・・と称されます。 |
アフリカ大陸の西の端に位置することから、このように呼ばれるようになりました。 |
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イスラム教徒には、守らなければならない五つの戒律があります。 |
信仰の告白 |
一日五回の礼拝 |
イスラム暦九月の断食 |
貧しい者への施し=喜捨 |
そして、メッカへの巡礼です。 |
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カサブランカのランドマークとしてそびえるハッサン2世モスク・・。 |
1980年、前国王ハッサン2世はこう宣言します。 |
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その宣言に呼応するかのように国民が立ち上がり、寄付を募り、全モロッコから2500人を超える職人が集結し、 |
1993年世界一の高さを誇るミナレットを擁する巨大なモスクが完成しました。 |
モスクの内外をあわせると、10万人を超える人々が一同に礼拝することができるそうです。 |
カサブランカを舞台にした名画といえば1942年制作のアメリカ映画「カサブランカ」です。 |
アメリカ人が最も好む映画といわれ、いまでも人気投票では常にトップにランクされます。 |
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元来の意味は Hard Boiled・・かたく茹でたゆで卵のことです。 |
そこから転じて「白い殻の堅物」・・つまり軍隊での新兵に厳しくあたる上官をあらわす言葉となり |
そこからさらに「自らに厳しい掟を科し、その掟を貫き、一見冷徹だがその芯の部分に優しさや |
人間味を持った男」を表現する言葉となったといわれています。 |
映画「カサブランカ」でのハンフリー・ボガート扮するリックはまさにハードボイルドそのものです。 |
リックの元恋人=イルザを演じるのはイングリッド・バーグマンです。 |
第二次世界大戦の混沌渦巻くカサブランカで劇的な再会を果たしたリックとイルザ・・。 |
そのときイルザはすでにレジスタンスの指導者と結婚していて、リックとの再会に戸惑います。 |
イルザは、知的で冷静な夫には「尊敬」という愛を・・、 |
アウトローなハードボイルドガイ=リックには「男」への愛を禁じえません。 |
混沌のカサブランカを脱出するための通行証は二枚・・ |
ふたりの男とひとりの女が、たった二枚の通行証をめぐって繰り広げるドラマです。 |
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二枚の通行証をイルザと夫に譲りリックがつぶやく台詞は、これぞハードボイルドです。 |
「狂った世界を黙って見ていられない。俺には君と幸せだったパリでの思い出がある。」 |
さらに極めつけは、リックがイルザに向かって言う「君の瞳に乾杯」ではないでしょうか。 |
英語では Here’s looking at you,kid. とだけ言っている台詞を、 |
ものの見事に意訳した翻訳の傑作といえると思います。 |
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マラケシュを舞台にした名画といえば、ヒッチコック監督の「知りすぎていた男」です。 |
家族旅行でマラケシュを訪れたアメリカ人のドクターとその家族が遭遇する様々な事件・・。 |
異文化を背景に、ヒッチコック一流のサスペンスが展開します。 |
ドクターのワイフ役で出演している歌手=ドリス・デイの挿入歌「ケ・セラ・セラ」が、 |
この映画ではとても象徴的に使われています。 |
歌詞の一部・・The future is not ours to see・・(私たちには未来を知る由がない・・)が、 |
予測不可能なストーリー展開を暗示しています。 |
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1990年制作のアメリカ映画「シェルタリング・スカイ」の原作者であるポール・ボウルズは、 |
晩年日本の雑誌社のインタビューでこんな言葉を残しています。 |
「私の心が喜ぶのは、アフリカにいるときだけなんだ。アフリカに暮らす人々の考え方が好きなんだ。 |
未来のことなど考えないほうがいい。未来に影響を与えることなんか誰にもできないんだから・・。」 |
1910年ニューヨーク生まれのポール・ボウルズは、1999年モロッコで没しました。 |
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「あの頃には、いまと違う自由があった。生き方や政治について、人々が声をあげていた。 |
みんなが何かに反抗していた時代だった。いまの自由とはまったく異質のものだった。」 |
また、主演のダスティン・ホフマンは同じくこの映画祭で |
「ヒットを狙った作品ではなかった。いまは儲け主義に走る作品が多すぎる。」と語りました。 |
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ボクサー氏は「ウェストサイド物語」制作当時を懐かしむかのように、饒舌に話をしてくれました。 |
できるだけボクサー氏の言葉に忠実に訳すと |
「ジョージ・チャキリス・・懐かしいな・・。 |
彼は役者というよりストリートキッドそのものだったよ。ダンスは最高だったな。 |
でもわがままで、ダンスをしながら何十メートルも進むシーンでは、 |
BGMを途切れさせないで欲しいという要望があり、 |
私たちはスピーカーを見えないところに隠すのに苦労したよ・・。」 |
ざっとこんな感じでした。 |
この映画の舞台でもあるニューヨークの街の名物=鉄製の非常階段があるアパートメント・ハウス・・。 |
この非常階段はアイアンキャストと呼ばれ、かつて大火によって多くの犠牲者を出したことの経験から、 |
一挙に広がった建築スタイルであるといわれています。 |
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チェルシー・ホテルは、マニアックなニューヨークの名物・・数多くの芸術家に慕われたホテルです。 |
古くは劇作家のアーサー・ミラーやトマス・ウルフなどの常宿で、 |
アーサー・C・クラークはこのチェルシー・ホテルで「2001年宇宙の旅」を執筆しました。 |
1980年代絶頂の頃のマドンナもここの常連客でした。 |
2002年には俳優のイーサン・ホークが初めての監督作品にこのチェルシー・ホテルを選んでいます。 |
作品名も「チェルシー・ホテル」です。 |
映画「レオン」のラストシーンでマチルダがレオンの愛した鉢植えを土に還しに行くシーンがあります。 |
そのシーンで使われたのがノスタルジーあふれる「クイーンズボロー・ブリッジ」です。 |
マンハッタンとイーストリバーの中洲=ルーズベルト島を結んでいます。 |
長い間ニューヨークのランドマークのひとつであった「プラザ・ホテル」・・。 |
映画「追憶」や「ホームアローン2」などたくさんの映画の舞台ともなった名門ホテルですが、 |
最近これを取り壊して住宅用マンションにつくりかえられることが決まりました。 |
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新旧が混在し、それぞれが相乗し合いいい波動を投げかけている街・・。 |
ニューヨークは、私にとってそんな印象の街です。 |
何度訪れても新しい発見がある街・・。 |
ニューヨークは奥深い街です。 |
私たちがシネマクルーズの撮影取材を行った2003年、 |
取材対象でもあった偉大な映画人がこの世を去りました。 |
グレゴリー・ペック、キャサリン・ヘップバーン、 |
そして「真夜中のカウボーイ」のジョン・シュレシンジャー監督・・。 |
偉大な先人に敬意を表し、冥福を祈ります。 |
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