26  模擬テストB


(一)

次の青文字部分の読みをひらがなで記せ。1〜15は音読み、16〜30は訓読みである。 (30)


1 雛僧が寺の門前に出てきた。

2 拭浄はぬぐいきよめること。

3 老爺が木陰で休んでいる。

4 十五歳を志学、三十歳を而立というのは『論語』の言葉。

5 楊貴妃は豊頬の美女だった。

6 酋領とは、一群の長のこと。

7 桃の節句を上巳という。

8 埠頭とから船に乗る。

9 私は役に立たない樗材だ。

10 烏鷺の争い、碁の異称。

11 粉黛はおしろいとまゆずみ。

12 旅の途上の邑落

13 これは苧麻の織物だ。

14 恍惚として聞きほれた。

15 華燭の典は結婚式の美称。

16 で勝利のをあげる。

17 突く雨が降った。

18 雨で模様になった。

19 馬のの音がする。

20 彼はの名手だ。

21 決断しなければならない

22 彼は穿った見方をする。

23 彼をめてはいけない。

24 は水辺に棲む鳥だ。

25 とは谷間の意味だ。

26 を下ろして休む。

27 周囲にてらてはいけない。

28 を打って痛めた。

29 幾重にも生い茂る雑草を八重葎という

30 ズボンの裾をってもらう。


(三)

次の熟語の読みと、その語義にふさわしい訓読みをひらがなで記せ。 (10)



【例】  灌漑…  灌ぐ


ア 1 優渥…2 渥い



イ  3 魁傑…4 魁きい



ウ  5 不屑 …6 屑い



エ  7 暢叙… 8 暢べる



オ 9  莫春…10 莫れる

(七)

次の青文字のカタカナ部分を漢字で 記せ。(30・2×15)

1 時代のチョウジとなる。

2 映画のポスターチョウジする。

3 葬儀でチョウジを読んだ。

4 古色ソウゼンとした都の風景。

5 総理の言葉に議場はソウゼンとした。

6 網膜がハクリした。

 ハクリ多売の百円ショップ。

8 敵情を探るセッコウを出した。

9 セッコウの像を運ぶ。

10 「星クズのステージ〜♪」と歌うチェッカーズ。

11 クズ餅は大好物だ。

12 罪人はユウジョを乞う。

13 天のユウジョに助けられた。

14 街談コウセツは小説の源流だ。

15 芸術作品のコウセツを論じることは難しい。
(四)

次の青文字の漢字を書き換えが認められている常用漢字 (一字)に改めよ。 (10・2×5)


    
【例】解→了

   
1 
 
2 暗


 饗

 蕃

 疏
(八)

後の【 】の中の語を選んで漢字に直し、1〜10の対義 語・類義語を記せ。(20・2×10)


       対義語                類義語

       1失墜                 6模造

       2野鳥                 7軽率

       3円満                 8豊壌

       4流失                 9突然

       5駄馬                 10出版

【けいかく・しゅんめ・たいせき・がぜん・そこつ・ひよく・かきん・じょうし・ばんかい・がんさく】 
(五)

次の各文に間違って使われ ている同じ音訓の漢字が一字 ある。上に誤字を、下に正し い漢字を記せ。(10・2×5)


1 商品を裁いて売り上げを上げる。

2 朝、顔を洗って髭を添る。

3 微神積もって山となる。

4 栓檀は双葉より香し。

5 彼は日頃から奇驚なふるまいをする。


(九)

次の故事・成語・諺の青文字のカタカナ部分を漢字で記せ。 (20・2×10)

1 ウユウに帰す。

 エンオウの契り。

 カイケイの恥。

4 カンタン相照らす

 人間万事サイオウが馬。

6 ヒノキ舞台を踏む。

 ココウを凌ぐ。

8 キュウソ猫を噛む。

9 コウゼンの気を養う。

10 金持ちケンカせず。

(二)

次の青文字は常用漢字である。その表外の読みをひらがなで記せ。(10)




1 種種の品物を並べた。



2 資料をに調べる。



3 人生は旅にえることが出来る。



4 夕食後は居間でぐ。



5 徒に青春時代を過ごしてはいけない。



6 古本を買いる。



7 食客は王にえた。



8 歴史にみて政治を行う。



9 彼はに口を開いた。



10 頼まれた仕事をやりせた。

 
(六)

次の四字熟語について、問1と問2 に答えよ。 (30)

問1
次の四字熟語の(1〜10)に入る適切な語を左の【 】から選び漢字二字で記せ。 (20・ 2×10)




ア  (1)菩提

イ  (2)浄土

ウ  (3)百出

エ  (4)抽薪

オ  (5)断機

カ  赤手(6)

キ  披星(7)

ク  狐狸(8)

ケ  規矩(9)

コ  百尺(10)


【かんとう・はたん・くうけん・ふてい・ようかい・じゅんじょう・もうぼ・ぼんのう・たいげつ・ごんぐ】





問2
次の11〜15の解説・意味にあてはまるものを問1のア〜コの四字熟語から一つ選び、記号(ア〜コ)で記せ。 (10・ 2×5)



11 朝から晩まで懸命に働くこと。


12 迷いがあってはじめて悟りも開けること。


13 途中で投げ出すことを戒めること。


14 ひそかに悪事をはたらく者のたとえ。


15 解決には根本原因を取り除く必要があること。
(十)
文章中の@〜I青文字のカタカナを漢字に直し (ア)〜(コ)漢字の読みをひらがなで記せ。(30・ 2×10、1×10)

魚玄機(ぎょげんき、 中国唐代の女性詩人)が人を殺して獄に下った。風説は(ア忽)ち長安人士の間に流伝せられて、一人として事の意表に出でたのに驚かぬものはなかった。唐の代には道教が盛んであった。それは道士(どうし)等が王室の(イ李)姓であるのを奇貨として、老子を先祖だと言い做(な)し、老君に仕うること(@ソウビョウに仕うるが如くならしめたためである。天宝以来、西の京の長安には太清宮があり、東の京の(ウ洛陽)には太微宮があった。その外、都会ごとに紫極宮があって、どこでも日を定めて厳かな祭が行われるのであった。長安には太清宮の下に許多(いくた)の楼観がある。道教に観があるのは、仏教に寺があるのと同じ事で、寺には(Aソウリョ)が居り、観には道士が居る。その観の一つを咸宜観(かんぎかん)と云って女道士(じょどうし)魚玄機はそこに住んでいたのである。 玄機は久しく美人を以て聞えていた。趙痩(ちょうそう ※前漢の成帝の皇后、趙飛燕)と云わむよりは、むしろ楊肥(ようひ ※唐代玄宗皇帝の妃、楊貴妃)と(エ 云うべき女である。獄に下った時は懿宗(いそう)の咸通(かんつう)九年で、玄機は(Bアタカ)も二十六歳になっていた。玄機が長安人士の間に知られていたのは、独り美人として知られていたのみではない。この女は詩を善(よ)くした。詩が唐の代に最も隆盛であったことは言を待たない。李白、杜甫が出て、天下の能事を尽した後に白居易が踵(つ)いで起って、古今の人情を曲尽し、「長恨歌(ちょうごんか)」や「(オ 琵琶)行」は戸ごとに誦(そら)んぜられた。白居易の亡くなった宣宗(せんそう)の大中(たいちゅう)元年に、玄機はまだ五歳の女児であったが、ひどく(C レイリ)で、白居易は(Dモチロン、それと名を斉(ひと)しゅうしていた元微之(げんびし)の詩をも多く暗記して、その数は古今体を通じて数十篇に及んでいた。そう云う美しい女詩人が人を殺して獄に下ったのだから、当時世間の視聴を聳動(しょうどう)したのも無理はない。魚玄機の生れた家は、長安の大道から横に曲がって行く小さい街にあった。Eイワユル)狭邪(きょうしゃ)の地でどの家にも歌女を養っている。魚家もその(カ 倡家)の一つである。玄機が詩を学びたいと言い出した時、両親が快く諾して、隣街の窮措大(きゅうそだい)を家に招いて、平仄(ひょうそく)や(Fオウイン)の法を教えさせたのは、他日この子を揺金樹にしようと云う願があったからである。大中十一年の春であった。魚家の妓数人が度々ある旗亭(きてい)から呼ばれた。客は宰相令狐綯(れいことう)の家の公子で令狐[さんずい+高」(れいこかく)と云う人である。貴公子仲間の斐誠(ひせい)がいつも一緒に来る。それに今一人の相伴があって、この人は温姓で、令狐や斐に鍾馗(しょうき)と呼ばれている。公子二人は美服しているのに、温は独り汚れ(キ 垢)のついた(ク 衣)を着ていて、(G トカク)公子等に頤使(いし)せられるので、妓等は初め僮僕ではないかと思った。然るに酒酣(たけなわ)に耳熱して来ると、温鍾馗は二公子を白眼に視みて叱咤怒号する。それから妓に琴を弾かせ、笛を吹かせて歌い出す。かつて聞いたことのない、美しい詞を朗かな声で歌うのに、その音調が好く整っていて、しろう人とは思われぬ程である。この時から妓等は温と親しくなった。温は妓の琴を借りて弾いたり、笛を借りて吹いたりする。妓等が魚家に帰って、頻(しきり)に温の(H ウワサ)をするので、玄機がそれを聞いて師匠にしている措大に話すと、その男が驚いて云った。挙場(※高等文官試験「科挙」(かきょ)の試験場)にあって八たび手を(ケ 叉)けば八韻の詩が成るので、温八叉(おんはっしゃ)と云う諢名もある。鍾馗と云うのは、(I ヨウボウ)が醜怪だから言うのだ。当今の詩人では李商隠(りしょういん)を除いて、あの人の右に出るものはない。それを聞いてからは、妓等が令狐の筵会(えんかい)から帰る毎(ごと)に、玄機が温の事を問う。妓等もまた温に(コ 逢)う毎に玄機の事を語るようになった。

(森鴎外『魚玄機』より。一部改変・中略 HP上に出ない文字は[ ]にて説明)

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