神を名乗る男


●最後の舞台は整った●

カオスゲートの地鳴りが収まった。一体どんなことが起きるのかと思ったら・・・何か・・・中央に何かがぽつんと、姿をあらわしただけだった・・・。
あれは、一体なんだ・・・?

「我ガ名はドルガルア・・・。イやとんデもねー、アタしゃヴァレリアの神様だヨ。」 (ドルガルア) 

「・・・神だと?おいまた妙な奴が出てきたな。」 (カノープス) 

ちょ、ちょっと待ってよ!ドルガルア王って・・・バルバスの言ってたことって本当なのか!?

「さア、そのブリュンヒルドを我に渡セ!さスレば汝等は救われヨう!  いざ跪キ
 額ヲ地に擦りあげ
 我の前に聖ナる剣を横たエよ
 ソれをもって、我が復活は果タサれよウ!すなわち!阿鼻叫喚の祝福の宴の準備で汝等てんテこまい。ぬ。多少間違っておるが一向に気にならぬ今日コソいい日旅立ち。」 (ドルガルア) 

「なんだこいつは・・・。」 (アロセール) 

なんだって言われても・・・。魔界の毒気に染まったドルガルア王、ってところなんじゃないかな。顔色悪いし。悪いどころの騒ぎじゃないけど。

ブリュンヒルドを要求しておるところをみると、奴の行動は未だカオスゲートに縛られておると見てよかろう。万一もあるのでブリュンヒルドは支援隊の者に持たせておくが良かろうデニム。」 (バイアン) 

「そうですね。・・・僕はこのまま、ロンバルディアで戦います。とはいえ、普通の攻撃が効くんだろうか・・・。」 (デニム) 

ブリュンヒルドを寄越せェェェェッ!」 (ドルガルア) 

(ピキィィン・・・しゅわしゅわしゅわしゅわ・・・ぶしゅおぉぉっ!)

眩・・・ッ!な、何だ一体!?
ドルガルアの頭上から発された強烈な光が収まっていくと、謎の一団が周囲に現れていた!
闇の住人・ダークストーカーも居る!厄介なことだ!

「ともかく、倒すほかねぇだろう!いくぞデニム!」 (カノープス) 

はいっ!

●豪華絢爛必殺技●

ドルガルア王はカオスゲートから外側に出てこれないみたいだけど、ダークストーカー達は構わず外に出てくる。でも・・・

「人数がいるんだから、こっちの方が優勢だろう。」 (フォルカス) 

「それに、こっちには必殺技もある。そこをどけフォルカス!」 (セリエ) 

セリエさん!さっき後は任すって・・・。

「事情が変われば話も変わるッ!いぃっくぞぉ〜ッ!」 (セリエ) 

(しゅきぃぃん!)←クリティカル+熱血の文字が名前下に表示される

覇王、獄炎波』ッ!」 (セリエ) 

(振るうイグニスが炎を帯び、ダークストーカーに炸裂)

ギョォォォッ!」 (ダークストーカー) 

「そりゃ!」 (セリエ) 

(どすどすどすっ)←頭部・胸部・右大腿部にイグニスを続けざまに突き刺すセリエ

「・・・・・・!」 (ダークストーカー) 

(どしゃっ、しゅうぅぅぅ・・・)←倒れて溶けるダークストーカー

「・・・ええいッ、最近のダークストーカーは精進が足りんッ!」 (セリエ) 

あの・・・セリエさん・・・?

でも、ことはセリエさんだけで終わらなかった。
死者の宮殿で必殺技をロデリック王から授かった面々は、これ幸いとばかりに必殺技で、次々と繰り出されてくるドルガルア王の先兵を屠っていった。ハボリムさんが前に言ってたけど、必殺技の後遺症は使っていく度に薄くなっていくらしい。

一撃で倒しきることは少ないけど、そこを他の面々が集中攻撃するから、実質的には相手は何もできないうちに倒れていくって寸法。それでもドルガルア王が調子に乗ってバンバン召喚していたんだけど、戦い方を飲み込み始めたこっちのペースがそれを凌駕していった。
・・・

「どうしたの、デニム?」 (カチュア) 

いや、僕も必殺技覚えてれば良かったな、って。

「おぉぉぉぉッ、ダボゥ烈風拳ン!」 (フォルカス) 

天雷波!」 (システィーナ) 

(びしゅぅ、どがんどがんどがんんっ)←どっかのゲームみたいな効果が炸裂

「はっはっは。お互い何かと勘違いしそうな必殺技だねぇ。」 (フォルカス) 

「余計なこと言ってんじゃないわよ。」 (システィーナ) 

 

(しゅたたたたたたた・・・・・・たんっ)←ハボリムに飛び掛かるダークストーカー

「(フッ)未熟。」 (ハボリム) 

(すっ、ぱぁぁぁんっ)←一刀両断

「稽古にもならぬ。」 (ハボリム) 

 

「えーっと・・・それじゃあ、俺の拳が真っ赤に燃える!お前を倒せと輝き叫ぶ!」 (アロセール) 

(ぽんぽん)←アロセールの肩を叩く人影

「?」 (アロセール) 

(ふるふるふる)←しきりに首を横に振る人影

「いーのよこーゆーのは勢いで!修羅、魔破拳!」 (アロセール) 

(っがドン!)←一撃、ダークウィングに炸裂

「・・・君もなんでもありになったんだねぇ。」 (フォルカス) 

うっさいわよ、そこ!」 (アロセール) 

 

(がしゃ、がしゃ)←歩を進めるデボルド

「兄さん・・・。」 (オリアス) 

「久々の出番だからな。」 (デボルド) 

「来るわ!」 (オリアス) 

(がきんっ)←地竜の戦斧を大段上に構える

騎士道大原則ひと――ぉつ!振り上げた斧は必ず相手の脳天に振り下ろすべし!」 (デボルド) 

(ぶぅんっ、どがしゃあっ!)←ダークドラゴン、一撃で沈黙

「・・・兄さん、普通の騎士は戦斧では戦わないわ。」 (オリアス) 

(みょよよよん♪)←ヒーリングオール中

「これからの騎士は斧でなければならん。」 (デボルド) 

やぁ・・・なんだか暫くぶりに出番な人がたくさん居たね。顔見せも兼ねてたのかな?

「余計な知恵をつけおったな・・・。」 (天) 

全部あんたのお陰だよ。

●真・父と娘●

ところで、ドルガルアの方は・・・っと。あ、姉さん。

「ぐぬぬぬヌぬ・・・神の兵をなンと心得ルか背徳者メらが。」 (ドルガルア) 

「背徳?あなたがそのなんたるかを語る資格があるとは思えないけど?」 (カチュア) 

「・・・小娘、神を敬ウ心を失い、神に剣を向ける愚か者をそう呼ばずに何と呼ぶのダ?」 (ドルガルア) 

「それそのものは間違ってないけど、果たしてあなたが神と呼べる代物かしら?女癖の悪い、惰弱な王の分際で?」 (カチュア) 

「ぬ、惰弱はとモかく、女癖は痛い所ヲ・・・。」 (ドルガルア) 

姉さん・・・相変わらずだけど、一応、本当の父親ってことになるんだよね・・・。大丈夫かな。

「私の名は、ベルサリア・オヴェリス。聞き覚え、あるかしら?」 (カチュア) 

「ベルサリア・・・オヴェリス・・・。ベルサリア・・・・・・おお、ソは・・・我が娘、ベルサリア・・・生きていたトはお釈迦様でも知ラぬ仏のお富さン♪」 (ドルガルア) 

(春日八郎を真似ているらしい王)

 

「ああ見えても錯乱しているようだな。」 (ハボリム) 

「あ、そっちは片付いたんですか?」 (デニム) 

「うむ、召喚が途絶えたのでな。」 (ハボリム) 

「なんだもうお終いか。チッ、最後だってぇのに歯ごたえのない・・・。」 (セリエ) 

セリエさん・・・ケンカ馬鹿ですよそれじゃ・・・。

●驚天動地●

「・・・母に似たのは幸いダ。美人に育ったモのよ。」 (ドルガルア) 

「ありがと。さ、とっとと元の世界に戻ってよ。」 (カチュア) 

「人を呼んでおイて随分ナ言い方がアったモんだ。」 (ドルガルア) 

「呼んでませんってば。だからさっさと帰ってよ。」 (カチュア) 

「ヤじゃ。折角コの世に再び現れたノじャ。世界征服なり何なりサせろ。」 (ドルガルア) 

「あ。」 (天) 

(地鳴り、カオスゲートから謎の人物出現)

ぬわーはははははー!世界征服はまず練馬から!わしを差し置いて世界を征服しようとは、片腹痛い小僧だ!こうしてやる!」 (謎の人物) 

(謎の人物、王の口の端に親指突っ込んで横に引っ張る)

あいをううあっ!」 (ドルガルア) 

 

「壊れてますねぇ・・・。」 (オリアス) 

「やりたい放題ですねもう・・・。」 (オリビア) 

「フッ、しぶといお方だ・・・。」 (ラドラム) 

(どろんっ)←煙と共に登場するウォーレン

「そろそろ退却しないと、ここはもう崩れますよ。」 (ウォーレン) 

ウォーレンさん!一体どこで何やってたんですか!って、崩れるんですか!?」 (デニム) 

ひでぇ安普請だからな。」 (カノープス) 

「またこのネタかこら。」 (セリエ) 

「いやっははは。」 (天) 

 

ぬ!?おーおーおーおー!こんなところで油を売っとる暇はない。後は任せたぞメカ・ラシュちゃん!といったところでまた来週〜♪」 (謎の人物) 

(謎の人物、そそくさとナースにまたがりカオスゲートに消える)

「BGMはマンガ日本昔話。」 (天) 

「誰がメカ・ラシュちゃんだ。」 (ドルガルア) 

わけがわかんないや・・・。と、ともかく、出入りができる状態らしいから王にも帰ってもらわなきゃ・・・。
姉さん!ここ崩れるから急いで・・・!

「わかってるわよ!・・・もうここは崩れてしまうそうだわ。そうしたら、あなたはどうなるの?」 (カチュア) 

「・・・ソれはお前の心配すルことでハない。行くが良い、我が娘よ。お前は生身ゆえ、到底助かるまいぞ。」 (ドルガルア) 

「・・・・・・。」 (カチュア) 

(その中も崩れて行くカオスゲート)

・・・ところで、カオスゲートが崩れたらドルガルア王はどうなるんでしょう?

「カオスゲートの崩壊は、そのままドルガルア王の崩壊に繋がります。」 (ウォーレン) 

「それなら心配ないですね。」 (デニム) 

「それより、何故突然崩れ始めたんだ?」 (カノープス) 

「それをどうこういう暇はおそらくないですね。」 (ラドラム) 

確かにこんな問答してる場合じゃないよね!

●戦友たち●

うう、まずい、このままじゃ王と心中だ!姉さん!

「・・・じゃあ、行くわね。」 (カチュア) 

「うむ・・・叶うならば、生きておる内に会いたかったものだが・・・。」 (ドルガルア) 

「・・・・・・・・・?」 (カチュア) 

 

(がらがら崩れるフロア。かなり危険な状態まで陥っている)

「ぶはーっ!もうこいつは無理だ!地下丸ごとごっぽり崩れるぞ!」 (フォルカス) 

諦めんじゃねぇッ!デニム、急がせろ!」 (カノープス) 

 

(轟音。猛炎の中、空中に姿をあらわす謎の存在)

「ふん、時間通りに来てやったぞ翁。」 (謎の存在) 

「ホッホッホ。来ないかと思いましたよ。」 (ウォーレン) 

あれは・・・確か死者の宮殿の・・・。

「貴様に受けた昔日の借りはこれで帳消しといこう。」 (謎の存在) 

「貸した覚えはないが。」 (天) 

「ふん、貴様ほど恩義に疎いわけではない。ほれ見ろ、貸借対応表できっかりゼロだ。」 (謎の存在) 

「古い話だ。・・・この『チヅル』ってなんだ?」 (天) 

「細かいところを気にするな。」 (謎の存在) 

(カチュア、合流)

「では行くぞ!全員歯ァ食いしばれッ!」 (謎の存在) 

(とかいいつつ間髪入れずに龍虎武神隊を闇に包む謎の存在)

また僕達はあの闇に包まれた。とすると、闇が晴れると僕達は・・・?

【闇が晴れ、デニム達の姿が全て掻き消えた地下】

「いやはや、感謝しますよ。」 (ウォーレン) 

「これで連中は安全圏だ。そしてお主は謎の失踪、というわけだな。」 (謎の存在) 

「ホッホッホ。決まり事ですからな。」 (ウォーレン) 

(謎の存在、王に視線を向ける)

「・・・ふむ、懐かしい顔だ。いよいよその気になったということか?」 (謎の存在) 

「ふふ、これもお前達の仕業だな?」 (ドルガルア) 

「はて何のことか。」 (天) 

「・・・漸くわしも解放されるということか。娘と出会えたことは感謝するぞ。」 (ドルガルア) 

「フン、お前もやはり人の子か。」 (謎の存在) 

(一層激しく崩れる地下)

「そろそろ潮時ですな。私達はお先に失礼させて頂きますよ。」 (ウォーレン) 

「ウム、俺は最期を見取ってやろう。」 (謎の存在) 

(ウォーレン、天、テレポートで消える)

 

「・・・すまんな。」 (ドルガルア) 

「気にするな。向こうに着いたらよろしく伝えてくれ。」 (謎の存在) 

「うむ。・・・・・・さらばだ、戦友よ。」 (ドルガルア) 

「さらばだ。永久に休むが良い。」 (謎の存在) 

崩壊する地下・カオスゲート。ドルガルアの姿も崩れ去るように消えていく。その様相を見取り謎の存在は、虚空となった空間で一際大きな闇を膨らませる。そしてそこには何も存在しなくなった・・・。

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