●ファンタジーの分類 ファンタジーは主に、ハイファンタジーとローファンタジーの二つの大分類があり、その中において、いくつかの細かい分類がある。 他にホラー、SFといった空想世界の物語がある。 参考:ファンタジーメイキングガイド、Wikipedia ■ハイ・ファンタジー(異世界ファンタジー) 完全な作者の空想世界、あるいは現実の歴史を新たに塗り替える形での別世界の話。 1.エピック・ファンタジー エピックは叙事詩という意味。 その世界での時代の転換期にあたる歴史的出来事を描いていく作品。 ロードオブリングのように、大勢力を中心にフォーカスされ、壮大な話になる。 戦争、政治、勢力といった要素が関わってくるため、世界の構造、土地、勢力図といった詳細な設定が重要となる。 2.ノンエピック・ファンタジー 英雄譚でも、歴史的な出来事でもなく、ただその世界だけが現実のものとは違う話。 例えばある人が、個人的な探求目的をもって旅に出ました。といったような物。 3.ヒロイック・ファンタジー(別名:剣と魔法の物語) 英雄譚。英雄の戦いや冒険を中心に描かれた作品。 エピックからの派生だが、話も戦闘が中心となるため壮大さという意味ではエピックほどにはなりにくい。 強力な力を持った主人公を扱うことが多い。 4.ライト・ファンタジー エピックとヒロイックの混合派生による別世界物語。 ただし、エピックのような叙事詩的展開やヒロイックのような英雄譚ではない。 主に主人公の活躍と、人間ドラマ的な展開が主要な要素となる。 ■ロー・ファンタジー(コミック・ファンタジー) ローファンタジーの定義は曖昧で、支配的地位を確立してはいないが、現実世界が混在し、ハイファンタジーとも分類できない傾向にあるファンタジー作品とも受け取れる。 主には現実世界を舞台として、ファンタジーの要素が紛れ込んでくる形が多い。 例えばそれは魔法である。 1.エブリデイ・マジック 日常生活に魔法が紛れ込んできたり、動物がしゃべりだしたり、近親者が実は魔法使いでしたといった不思議が飛び込んでくる作品。 少女向けのものとして、魔法少女等がある。 2.フォークロア(民話・民間伝承) 完全なファンタジーとは言いがたいかもしれない。それを信じる人にとってはありえないものではないからだ。 神話、伝承といったような、世の中の不思議な出来事を、神の力、妖精や精霊の力として解釈された話。 3.メルヘン(童話) 近代ほどファンタジー化の傾向が強くなる。 主にグリム兄弟によって形成されたとされる分類。 民話の収集活動。 シャルル・ペロー、アンデルセンなどによって語り直される。 ▽他、収集家のメモ エルンスト・アルント ベネディクテ・ナウベルト オットー・ズーターマイスター ル-トヴィヒ・ベヒシュタイン ヨハン・カール・アウグスト・ムゼーウス 4.神秘小説/宗教小説 科学が普及していく中で、それでも解明できない自然現象といった出来事を、神秘や宗教を絡めて解釈した物語。 宗教そのものを伝える目的としたものもあるが、空想的な部分が多く見られる。 5.ノスタルジック・ファンタジー 過去の歴史を振り返る。 それだけではなく、その中において、理想的な方法や独自の解釈で展開されたり、過去の思い出を新たに塗り替える。 時には過去そのものへ行くことによって、悪かったものを良い方向へ向ける『やり直し』展開もある。 6.ユートピア小説 ファンタジーという手段を用いて、人類の社会、歴史、文化を風刺する。 トマス・モアの小説『ユートピア』からきており、ギリシャ語(どこにもないou場所topos良いeu場所topos)を元にして作られた、どこにもない場所という意味の造語のラテン語。 7.秘境冒険小説 現実世界において、危険極まりない未踏の大地へ足を踏み入れるといった冒険物。 わからない場所を空想し、そこには作者の考えたオリジナルの世界が広がる。 ■その他 1.動物ファンタジー 主には人間を動物に置き換えたり、動物側からの視点で描かれるファンタジー。 動物社会独自の習慣などが描かれたり、冒険したりする。 2.ナンセンス・ファンタジー この言葉は、ファンタジーメイキングガイドに書かれている著者が、不思議の国のアリスは分類し難いため、作者に敬意を表してナンセンスファンタジーという分類を立てたとのこと。 これは面白いので、あえてメモに記述しようと思う。 不思議の国のアリスは、変な世界に迷い込んでしまったアリスが、次々と騒動に巻き込まれていくというもの。 アリスの主要な要素として、ナンセンスな言葉遊びが作中に多数含まれている。 3.歴史ファンタジー アーサー王と円卓の騎士といった、歴史を舞台としたファンタジーのこと。 もし~が~だったらといった、歴史上の事実を捻じ曲げて解釈するとどうなるか? そういったものもこれに含まれる。