118.吹雪刑事とGメンたちの射撃


1.Gメン75での「一発の銃弾」の重み

Gメン75では、発射される銃弾の数は多くない。だから他のドラマ、例えば西部警察のように撃ちまくるドラマではない。
重視されるのは、重みのある一発である。銃弾というのは、一般の日常生活には無縁なものであるため、視聴者には一発でも衝撃を受ける。 だから、一発でも重みがあり、Gメンではそれを重視している。

だから例え、発射弾数が多い作品でも、その一発一発には、それぞれの刑事や犯人たちの "気迫" がこもっている。

注)このページでは、吹雪刑事だけでなく、Gメンたちの射撃に関して書いているが、作品での "射撃シーン" そのものを
   書くとネタばれで、鑑賞されたときに面白くないと思うので、あまり書いていません。


2.吹雪刑事の特技

吹雪刑事は実戦能力が高さが特徴だが、その能力の一つは、”射撃の名手”だという事である。 彼女は "合気道" も代名詞の一つであるが、最初に見せた実戦能力は、登場編における "射撃" である。

射撃能力は、天性の才能によるところが大きく、彼女は警察に入って早く実力が開花し、交通係からSP隊員に抜擢されている。
256話 「死体に呼ばれた女刑事」 で描かれた、学生時代に逢った父の部下の相原刑事が射撃の名手だったことから、射撃には思い入れがあったのかも知れない。

<SP隊員>
  吹雪刑事はSPからの転属であり、SP隊員はVIPを警護するための高い
  実戦能力をもっている。
  彼女の射撃能力の高さは、女刑事では初めての設定であり、SP隊員からの転属という事で、その設定に重みをもた
  せている。 SPからの転属は、前年の村井刑事、翌年は津村警部補と3名いるが、 当然ながら全員が射撃が上手い。

<東京サミット>
  プロフィールにも記載したが、1979年の東京サミットで、吹雪刑事は 「特に指令を受けて、
  サッチャー首相の護衛に当たった」 と、最重要人物の警護を任されており、SP隊員の
  中でも総合力はもちろん、射撃能力が高いことが評価されている。

<アクセサリー>
  しかし、Gメン75での近藤プロの方針は、格闘と同じくこの能力はアクセサリーとされ、
  吹雪刑事の場合も、この能力をメインに押し出す、ドラマ作成は少なかった。
  派手でなくてもいいから、彼女の射撃の名手ぶりを、もっと描いて欲しかったと思うのは
  私だけではないだろう。

<レコードのジャケットなど>
  当時の 「遥かなる旅路」 のレコードのジャケットでは、吹雪刑事が拳銃を持っている。
  (島谷刑事と田口刑事も拳銃をもっているが)、 Gメンのレコードは14枚発行されたが、
  「遥かなる旅路」だけが、Gメンが拳銃を手にしており、ジャケ裏(下の画像)でも、中央で
  吹雪刑事だけが射撃の構えを決めている。

<誤 射>
  射撃の名手、吹雪刑事も誤射をしたことがある。
  これは、作品リスト 280話「パリから来た車椅子の女刑事」に詳しく書いたので、そちらを参照してほしい。

新聞に掲載された紹介画像でも、吹雪杏子の射撃のシーンが多い。
これらからも、彼女の 「射撃」 が、重視されていたと思う。


3.射撃能力が明示された Gメン75

射撃は、アクセサリーとはされながらも、射撃が重視されているのは間違いない。 実際はそれを前面にした、派手な作品は作らないというポリシーである。

重視している証拠として、射撃能力についてGメンでは、その上手・下手が、明確に設定されているメンバーが多い。
もしも、射撃を "軽視" しているなら、これはあり得ない。

実は、下手だと設定をされた刑事がいることに当初は驚いた。
しかし良く考えると、それを材料とした、意味のあるストーリーが作れる事と、メンバー全員が名手という設定は不可能で、”リアリティ”がない、という事を気がついた。

色々なレベルのメンバーがいる方が、色々なストーリーにより面白さが増すから、他のドラマでも色々な実力が設定されている。


そして、このHPのテーマである "吹雪刑事" が射撃の名手であるのは、ファンとしては嬉しい。


<余談だが、>
日本人は 「射撃が下手」 と言われている。
一般的に日本人は緊張しやすく、そのために射撃では、緊張のあまりに命中率が落ちやすいと言われる。
これは現在の日本人を表現したものではなく、明治時代の日清・日露戦争の時代の兵士が言われていた事であり、相当以前からこの傾向があったとことになる。

特に以前は、オリンピック等で、日本人は実力を発揮できないことが多く、本番に弱いと言われたが、大和民族は古来から緊張し過ぎるということに、原因があるのではないかと思う。
もっとも最近は以前よりも、大舞台でも力を発揮して、活躍する選手が多くなってきているように思える。

しかし、上記と同時期の、20世紀初頭に言われていた事だが、日本人は 「大砲」 を撃つのは上手いと言われていた。 これは緊張しやすさが、大砲には適度に好影響するからではないかと聞いたように思う。


4.Gメンたちの射撃能力

Gメンで確認できた射撃能力は次の通り(表示は登場順、Gメン82も加えたメンバー)
                  (誤りが確認できれば、訂正します。)

1) 射撃が上手いGメン
    男 黒木警視正、関屋警部補、小田切警視、立花警部、中屋警部補、村井刑事
    女 吹雪刑事、津村警部補

  <No.1は>
     Gメンで一番の射撃の名手は誰か? 私は黒木警視正ではないかと思う。
     その根拠は、291話「女たちの殺人忘年会」で、屈指の名手である立花警部との
     射撃比べで、その年も含め毎年、黒木警視正が圧勝しているとのことである。
     立花警部に圧勝するほどならば、やはり黒木ボスがNo.1だろう。

  <芸術的な、関屋警部補の射撃の姿>
     名手、関屋警部補が発砲する時の姿勢は、芸術的な香りがする。
     日本だけでなく欧米などを含めても、これほどカッコ良く、名手としての信頼を
     溢れさせる射撃の姿は見たことがない。
     左利きということが、余計に美しく見せるのだろうか?
     素晴らしい射撃シーンを見せた刑事が、Gメン75にいたことを誇りに思う。

  <ライフル>
     小田切警視と中屋警部補はライフルの射撃が上手かった。
     これは、「バスジャック2部作」や、「太平洋大捜査網」などで披露されている。
     「速水刑事を射つ男たち」で、中屋警部補の「いいライフルならここから撃てます」
     というセリフもあった。

  <女刑事にして名手>
     かつての刑事ドラマで、女刑事が射撃の名手という設定は記憶にない。
          (最近は、アンフェアの雪平夏見刑事が登場したりしているが。)
     だからこそ、吹雪刑事の射撃の名手という設定は、貴重で意義がある。
     中島はるみが演じた、ハードボイルドな女刑事の射撃する姿は、関屋警部補
     ほどではないが、じつに素晴らしいと思う。

2) 通常レベルの実力 (ドラマとして)
    男 草野刑事、津坂刑事、山田刑事、南雲警視、島谷刑事、早坂警部補
    女 響刑事、賀川刑事

3) 射撃が下手だと描かれたGメン (注:なぜ、このような設定が必要なのかは前記)
    男 田口刑事、草鹿刑事、風間刑事、島刑事
    女 速水刑事、津川警部捕
        注)下手だとされているが、田口刑事や速水刑事は幾度か活躍する場面がある。

4) 能力が不明 (又は確認できていない)
    男 古田刑事、沢田刑事
    女 マリコ・寺岡刑事

注)速水刑事と津川警部補は、「帰って来た女刑事シリーズ」では、腕が上がっているが
   番外の特別作品として、ボーナス的に描かれた能力とイメージなので、レギュラー
   時代の腕前で上記は書いている。
      −−例えば、同シリーズ289話のラストで、Gメンたちの射撃は百発百中で○○人を
          倒しており、あり得ない命中率である。



5.犯人に発砲への感情表現

Gメン75では、犯人への発砲、射殺も淡々と行なわれ、射殺した場合でも、泣いたり感情的になる刑事はいなかった。 それが "ハードボイルド Gメン75" の特徴でもあった。

<女刑事の感情の高ぶり>
  ハードボイルドGメン75とはいえ、総体的に、女刑事は男性刑事よりも、感情の揺らぎが描かれる事が多かった。 響刑事と津村警部補は、感情を高ぶらせ激情をもって発砲し、 津川警部補は怒りを込め、 速水刑事は懸命の努力で発砲した。このように描かれている。

その中にあって、吹雪刑事は例外的に、感情が高ぶることなくクールに実行している。
杏子が実戦に強いのは、精神的な強さがあるからであり、決して技術だけではない。
この強靭な精神力も彼女の魅力である。


<他の刑事ドラマ>
  他の刑事ドラマ、太陽にほえろでは、新人刑事は犯人への発砲・射殺が1つの登竜門のようになっていて、すごく悩んでやっと発砲するという過程があり、射殺してからも泣いたり、感情的に激するという演出が多いようである。


<例 外>
  Gメンでも、武闘派の草野刑事が、ある事件から銃を撃てない作品があった。
  またGメン82になると、島刑事が失敗から発砲に躊躇する場面があった。


6.SPの射撃と警察官との違い

立花警部と、小林稔寺さんが演じるSPの関警部補とが、議論するシーンがある。
これは、205話 「新Gメン対ニセ白バイ警官」 である。

1) 狙いの箇所
   立花警部   「なぜ、手か足を狙わなかったのか?」
   SP関警部補 「SPは、VIPの弾よけの盾となる覚悟をもち、速く相手を
            しとめるよう
に、訓練されている」

2) 敵の違い
   2人のセリフでは、関警部補の方が正しい。
   理由は、刑事とSPでは立場とやるべき仕事、そして相手の目的が違う。
   SPの敵は、VIPを殺害する意志を持って攻撃してくる相手である。
   もし手や足を狙って外れたら、次の瞬間VIPは射殺されるかも知れない。
     (同様に、犯人が刑事を殺そうと射撃してきたら、刑事も相手の腕や足だけを
       狙うことはしない思う。)


3) 命中精度
   そもそも、手や足は細いだけでなく、動きが速く激しくて、命中しにくい。
   相手を確実に、一瞬でも速くしとめなければならないSPにとって、手や足を狙う
   などは、非現実的である。
   関警部補の立花警部に語った言葉には、千金の重みがあると言わざるを得ない。

4) ホワイトハウス
   シークレット・サービスが警護する、ホワイトハウスが襲撃された事件が一件だけある。
   犯人は射撃の名手で、襲撃は館外で阻止できたが、シークレット・サービス No.1の
   射撃の名手でも、勝負したらその犯人には、勝てなったかも知れないと言われた。

   その犯人の能力とは 、 「3発撃って3発ともに、相手の胸に命中させた。」ことである。
   この程度でと思われるかもしれないが、動いている人間に、命中させるのはそれほど難しい。
   だからNo.1の名手でも、勝てなかったかも知れないと言われたのである。

    注)Gメンや刑事ドラマでは、拳銃を持っている犯人の手を撃つシーンが
       あるが、あれは荒唐無稽で、ほとんど不可能である。

5)求められる行動
   SPに求められる行動は、暗殺者が現れたら、確実に相手を倒すこと。
   必ずしも "射殺" にこだわらないまでも、相手の戦闘力を確実に奪うこと。
    (吹雪杏子も、そのSPとしての訓練を受けて優秀な隊員となっている。)

   実戦の場は甘くない。やるかやられるかである。 さすがの立花警部も、
   ここは関警部補の方が正しい。


7.吹雪杏子の片手撃ち

吹雪刑事は射撃について、名手らしい撃ち方となっている。
彼女の発砲シーンは何度か "片手撃ち" をしている。(両手のときもあるが)
通常の刑事では両手でしっかり構えて撃つ事が多いが、彼女は違っている。

中島はるみ自身の発案なのか、指導によるものなのかは判らないが。

聞くところによると、「拳銃の射撃は、片手撃ちできちんと命中できなければ、
いざと言うときの実戦で役に立たない。」とも言われている。
特にSPの場合は、両手撃ちしようとするとスピードに劣り、暗殺者に遅れを取ってしまう。という事ではないだろうか。

他には、関屋警部補、立花警部、島谷刑事、村井刑事、津村警部補らは、
時々片手撃ちをしている。


 <番外編では>
   「帰ってきた女刑事シリーズ」では、
   288話で速水刑事、289話で津川警部補が、
   片手撃ちをするシーンがある。


8.女刑事たちの射撃


吹雪刑事がテーマのHPなので、他の女刑事たちはどうなのかについても
触れてみたい。

女刑事の射撃について、津川警部補まではそれほど意識をもっては描かれて
いるとは思えない。

吹雪刑事のように、警察官になってすぐに実力開花し、名手として登場する
のは初めてであり、他のメンバーは特訓で腕を上げたり、射撃にあまり触れ
られていないメンバーもいる。




<射撃、拳銃が似合う女刑事>
   吹雪刑事は、射撃の名手とされたからなのか? 射撃姿が最も似合うのは、吹雪刑事だと
   思う。対抗馬はいないだろう。
   それでは、次に射撃姿が似合うのは誰か? 個人的には、まず津川警部補、その次は
   響刑事ではないかと思う。

   上の画像の構えは女刑事としては珍しい。 というのは通常は男もそうだが、女刑事は
   殆どが、両手で拳銃を握り眼前に構える姿勢をとっている。
   右の構えもそうだが、これらの構えは中島はるみが、自主的にやったのだろうか?




1)響刑事
   射撃シーンは少ないが、「沖縄シリーズ 3」での射撃は記憶に強く残る。
   知り合いの女性2人を殺された響刑事は感情が爆発し、警告や威嚇射撃
   をする事なく、逃走する犯人の背中へ "銃弾" を撃ちこんだ。
   行為そのものは違反だが、視聴者の感情にピタリと合う印象深いシーン。

   また、15話「密輸死体」では、発砲後の姿ながら良かった。(最下段に画像)
   21話「ニューヨーク市警黒人刑事」で、黒人を助けようとする勇敢な姿も
   印象的だった。


2)速水刑事
   射撃が苦手な刑事として登場した。 その為に、印象が強いのは 106話
   「女刑事殺人第一課」 で、安全装置を外し忘れて撃てなかったり、次は
   撃ったと思ったら、肩で大きく息をしている姿。
   初めて人に向けて、発砲した時の高ぶる感情が、上手く描かれている。

   その後の成長が描かれる女刑事だが、射撃で印象に残るシーンは少ない。
   番外編ながら、「帰ってきた女刑事シリーズ」 では、射撃のシーンがある。


3)津川警部補
   登場編しか見ていない人には意外だろうが、じつは津川警部補は射撃が
   非常に下手で、3話目の207話「婦人警官連続射殺事件」では、的に全く
   当たらない。    −−あの外れ方は、Gメンの22名中で最悪だろう。
   その為に、立花警部の猛特訓が行なわれ、実戦で役立つことになる。

   射撃シーンは少ないが、218話 「梟の森みな殺しの夜」 で、徳永精一に
   拳銃を向けるシーンはカッコ良かったし、 226話 「電話魔」 で容疑者に
   発砲するシーンも良かった。
   番外編の 「帰ってきた女刑事シリーズ」 では、射撃のシーンがある。

   注)津川警部補を演じた夏木マリさんは左利きなので、登場編205話と207話では、
      左手で射撃しているが、218話「梟の森みな殺しの夜」では、右手で拳銃を
      持っており、以降は右手ばかりだったと思う。



4)賀川刑事
   射撃に、触れられる作品は少なかった。 (画像は最下段に掲載)
   津村警部補の特訓を受けており、津村警部補の実力が遥かに上だが、
   田口刑事や草鹿刑事に比べると、賀川刑事の方が腕前は上である。
   さらに、下手とは書かれていないので、通常レベルの実力はあると思う。

5)津村警部補
   SPからの転属という、吹雪刑事と同じ設定であるために、射撃が上手い。
   307話で、田口・草鹿・賀川の3人に射撃を指導するシーンが印象的。
   但し、"名手" というほどではなく、実力は吹雪刑事の方が上である。
   射撃シーンでは、308話が良かった。

6)マリコ・寺岡刑事
   射撃シーンそのものがなかった?と思う。
   しかし雑誌の紹介記事には、マリコ・寺岡刑事の射撃ポーズがあった。



9.吹雪刑事の射撃と "まばたき"

吹雪刑事を演じた、中島はるみは、発砲時に "まばたき" をしなかった。
多くの俳優は、それも欧米の俳優も含めて、発砲時に "まばたき" をしている。

特捜最前線の第1話のオープニングに、藤岡弘さんの発砲シーンがあるが、
彼ほどの武闘派でも、"まばたき" をしている。
それほど難しい。普通ならどうしても "まばたき" をしてしまう。 中島はるみは
相当努力したのだろう。

吹雪刑事は、「射撃の名手」 であるという自覚から、努力したのだろうと思う。
それも初登場時から、ほぼ完璧であるから、大した役者魂である。
これは、中島はるみの優れた演技力の1つである。

この事は、特筆しても良いほどで、日本だけでなく外国の、映画でも・TVドラマ
でも、それも男女を問わず、発砲時に "まばたき" をしている事が非常に多い。
女性の中島はるみが、"まばたき"をしなかったのは、すごい。


1) 射撃時に "まばたき" を、殆どしないGメン
    男 黒木警視正、村井刑事、島谷刑事、草鹿刑事
    女 吹雪刑事

      射撃が上手なリストに近いが、例外もある
      草鹿刑事は射撃が下手だが、 "まばたき" はしなかった。
                 (さすが胆力が座っている)

2) 射撃時に "まばたき" を、したりしなかったりのGメン
    男 立花警部
    女 津村警部補

      津村警部補は射撃が上手いが、70%程度は "まばたき" をしている。

3) 射撃時に "まばたき" を、いつもするGメン
    男 関屋警部補、草野刑事、山田刑事、津坂刑事、中屋警部補、
       田口刑事、島刑事
    女 速水刑事、津川警部捕、賀川刑事

      このクラスの多くは、射撃場で耳覆い(イヤープロテクター)をしても、
       "まばたき" をしている。

      意外なのが関屋警部補。 射撃の名手だが毎回「まばたき」をしている。      ↑ 誰だか わかりますか?
      これは本当に意外だった。

4) 不明なGメン(現在未確認)
    男 小田切警視、南雲警視、古田刑事、風間刑事
    女 響刑事、マリコ・寺岡刑事

      小田切警視は、124話で目を閉じたが、これ以外は確認できていない。
      南雲警視は、射撃後のポーズのみだったと思う。



5) アンフェアの篠原涼子さん
   2006年1月から11話放送された、「アンフェア」 で 「雪平夏見刑事」 を
   演じた、篠原涼子さんは 「射撃の時、 "まばたき" をしないようにしたが、
   出来なかった」 と言っている。

   確かに第1話と第11話の射撃シーンで "まばたき" をしており、他の射撃時は巧妙にカットされている。
   篠原涼子さんが、 "射撃時のまばたき"  にこだわっていたのは、さすがだと思うが、それでも "まばたき"
   してしまったという。 −−− それほど難しいという事である。

アメリカの記事だったと思うが、「本物の刑事は、映画の刑事と違ってまばたきしない」 と言っていたが、本当だろうか?


10.Gメンの射撃関連の疑問

優れたドラマであるGメン75にも、射撃シーンで無茶なシーンがある。
ドラマだから、荒唐無稽なシーンも時にはあるだろうが、参考までに書いておきたい。

1) 176話 「香港カラテ対Gメン PART2」

立花警部が宙吊りにされた人質の、ロープを遠くから拳銃で撃って救出する場面がある。
現実的には、あんなに離れていては拳銃では当たらない。当たったとしてもロープは切れないだろうと思う。
悪くすると、命中精度が悪いために、人質に当たってしまう可能性もある。

2) 132話 「Gメン恐怖の四日間」

この作品に限らず何度もあるが、車が狙撃されたときに、Gメンたちは車の中から出て拳銃を構えるシーンがある。
狙撃には、間違いなくライフルが使われているし、スナイパーは離れた距離にいる。
その離れている相手に、拳銃で命中させるのは、まず不可能である。
そして、車から出たことで、Gメン自身が撃たれる可能性が高くなる。

3) 279話 「FBIから来た女刑事」

80年度だから、「作品のページ」でも書いているが、車が狙撃されたとき、敵がどこに・何人いるのかが不明なのに、速水刑事は、車からでて犯人を追うといって防弾ガラスに守られた車から出て行く。
やはり、敵はどこにいるかわからない。 予想通り、敵に狙撃され危ない場面もあった。

4) 拳銃を持つ、犯人の手を撃つ

上記6.の 3)と4)で記載したが、刑事が拳銃を持っている"犯人の手を撃つ"シーンが、 Gメンでは良くあるが、ほとんど不可能で、あれは荒唐無稽である。

アメリカなどでスナイパーが、高性能のライフルとスコープで、犯人の頭を撃つことが現実に行われたりしているが、これは、(1) 頭はあまり動かず、(2) ライフルの精度が拳銃よりも格段に高く、(3) 銃を固定している から確率が高い。


     <響刑事>         <吹雪刑事>         <中屋警部補>       <賀川刑事>


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