203.Gメン75 1980年度の作品


1.作品の完成度

 (ファンにはそれぞれ好きな時期があり、
         意見には違いがあると思う。−−以下は私見である)

吹雪編とも言われる80年度作品は、全般的に完成度が高い作品が多いと思う。 (もちろん80年度だけが高い訳ではない。例えば77年度も高かった)

前ページのメンバーの変化や吹雪杏子刑事の加入等だけでなく、5年間を経過した成熟度の高まりとこなれが良くなっている思う。
荒唐無稽な作品でも、リアリティを感じる緊迫感が漂う出来ばえになっている。
更に、キイハンターの作品数を超える年度でもあり、それがより一層、スタッフの熱意につながったと思う。                                  256話 死体に呼ばれた女刑事

これらが結集して、80年度の完成度の高い作品群へつながったと考えている。

2.リメイクの作品数

吹雪杏子の、22本の主役編にはリメイク作品が無い。

一般的には、後期は前期の作品のリメイクが多いのは当然で、Gメン75も例外ではない。
しかし、80年度そのものが、後期にも拘らず次の下表の通り、リメイクが少ない。
ここからも、脚本家をはじめスタッフ一同が、 吹雪編の作品群に力を入れていた事が判る。

リメイク作品数
年 度 リメイク数 全作品数  比 率 
1979年度  8 48 17%
1980年度  3 54  6%
1981年度 14 49 29%


  ・80年度のリメイク作品は、265話、271話、305話。

吹雪刑事が新しい設定の女刑事だから、オリジナルストーリーを考えやすかったのかも知れない。
通常なら、題材が減って来ると、「刑事自身のミス」や「刑事が過去の怨恨で狙われる」等を、主題に作られることも多いが、これらも吹雪刑事編には無い。  (吹雪刑事にもミスはあるが、それが主題にはなっていない)

誤解のないように書くと、「リメイクか否かは、作品の良し悪しに関係が無い」というのが、私の考えである。 要はどう料理して作品を作っているかが大事で、リメイクの方が良い作品も多い。

  例えば、81年度はリメイクが多いが、347話「生き返った5年前の死体」
  2部作のような、リメイク作品の方が良い作品もある。
  だから、「この作品はリメイクだから・・・」、という話にはあまり興味はない。

それにも拘わらず、リメイク数をあげたのは、吹雪刑事の主役編は後期にも拘わらずリメイクが皆無なので、それはそれで、特筆すべきだろうと思ったからである。


3.職務以外のシーン等



それまでになかったシーンとして、就業時間後のメンバーとの飲食シーンや、
吹雪刑事の家などが描かれるなど、捜査以外のシーンも幾つか作られている。

通常このような新しい試みは、失敗することが多いと思うが,これらのシーンは
成功しており、ファンにとっても思い出深いシーンとなっている。

  (左の画像 297話 ラッシュアワーに動く指)


4.吹雪刑事の主役編

吹雪ファンとしては嬉しいことに、吹雪刑事の主役率は高い。
80年度作品のうち、主役は23本で(2人主役含む)、その比率は43%と高い。
   (参考データ: 黒谷町シリーズの7本を除いた作品数は47本で、この場合の
            主役率は49%)


その他にも、準主役といえる作品(275話、279話など)もあれば、 登場編 (253話) ・ 286話「スカート切り裂き魔」 など 出演時間は短いが、強烈な印象を残す作品もある。

レギュラー7人で、交互に主役をするドラマとしては、主役率はかなり高い。
主役率が高いメンバーとしては、立花警部、関屋警部補らも多い。
女刑事の主役作品数では、 響圭子刑事が2年間で28作品と最も多い。

トップへ戻る